ハーフマラソンで1時間15分(75分)を切りたい人必見!
本記事では、私自身がハーフマラソンで1時間24分台【1時間25分(85分)切り】から1時間14分台【1時間15分(75分)切り】までどうやって達成していったかを紹介します。
1時間24分から1時間17分までは、ランニングを始めた延長線上のトレーニングを継続して達成することができましたが、1時間17分を達成してから記録が伸び悩んだため、大きく練習内容を見直しました。変更した内容を先に知りたい方はこちら!
私が1時間14分40秒を記録することができたレース参戦記は別記事で紹介しています。
次の記事では、2019年12月(1時間19分10秒)から2020年11月(1時間14分40秒)で行った練習メニューを全公開しています。一部有料ですが、練習内容をすべて掲載していますので、興味がある方は是非ご参照ください。
1.重要ポイントまとめ
1時間24分から1時間15分切りまで記録を伸ばすことができたポイントを先に書きます。
長距離トレーニングにおいて、私自身が重要だと考えている項目です。
※1時間15分切りの具体的練習内容を先に読みたい方はこちら!
- 練習は継続的に行う
- 理論に基づき、各練習において目的をもって行うこと
- 練習での走行距離を伸ばしていくことで地力がつき、怪我防止になる
- 練習の負荷は段階的に上げていくこと
- 練習は長期的な計画を立て、期分けして取り組むことをおすすめ
- 現状の実力を正確に把握すること
各ポイントについて、概要を簡単に記載してきます。
■継続的な練習
マラソンという種目の性質上、継続的な練習によって体の機能を向上させていくことが、記録向上につながります。

体の機能とは、心筋の発達による血液送液能力向上やミトコンドリアの数・機能、筋肉の性質変化、乳酸処理能力向上等を指すよ!
体の機能は、練習を中断すると衰えてしまいます。練習を継続的に行うことで体の機能を向上させ続けることが必要です。
■練習の目的を理論から理解する
闇雲に走っていても、ある程度までは記録を伸ばすことができますが、ハーフマラソンで1時間25分を切り、さらに記録を向上させるレベルに到達するためには、練習毎に目的をもって取り組む必要があります。

- 「今日のペース走は、LT値を向上させることが目的だ」
- 「今月は、長い距離を走って地力を上げよう」
狙いを持ったトレーニングを行うようにしましょう。
■走行距離の考え方
ある記録に到達するために、必要な走行距離の正解があるわけではありません。しかし、学生時代に陸上長距離種目未経験のランナーがハーフマラソンで1時間15分を切るためには、ある程度の走り込みを行っていくことが必要になると考えています。
私自身がハーフマラソンで1時間17分で記録が伸び悩んだ後、1時間15分切りを達成するまでに変えた点の一つが、「練習で走る距離を増やしたこと」です。
走る距離を増やすには「ジョギングの距離や頻度」を高めることが必要です。ジョギングの目的や効果については次の記事で詳細に紹介しています。
■練習の負荷は徐々に上げていく
トレーニングの原則として「漸進性」が挙げられます。「漸進性」とは、ある一定の運動強度に慣れてきたら徐々に強度を上げていくことです。
自己ベスト記録が上がってくるにつれて、トレーニングにおける設定ペースを徐々に上げていくことで、能力の継続的な向上を達成することができます。
設定ペースはVDOT Calculatorによって計算し算出すると、適切なペースに設定することができます。
■練習を長期的に計画する
先にも話ましたが、過去陸上長距離の経験が無いランナーの場合、記録を一気に向上させることは正直難しいです。
そのため、「練習計画は長期的に立てること」をお勧めします。
計画を立てる時は、向上させたい能力を絞って「時期を分けて(=期分け)」トレーニング内容を決めていくべきだと考えています。下記でも記載しますが、私自身、大会が無くなる春~夏と、大会が始まる秋~冬にかけてでは、トレーニング内容を大きく変えています。
期分けの考え方は、次の記事で紹介しています。
■現状の実力を正確に把握すること
練習での適切な負荷(=設定ペース)を決めるうえで最重要なことが「現状の実力を正確に把握すること」です。
基本的に、練習での設定ペースは「現状の実力」を元に、「VDOT Calculator」によって算出します。
現状の実力は、「レース」や「タイムトライアル」で把握します。次の記事では、現状の実力を把握することの重要性を詳細に説明しています。
2.私自身の記録変遷と紹介
私は、陸上長距離種目未経験の市民ランナーです。社会人になって本格的にランニングトレーニングを開始し、2021年現在で約2年が経ちました。次の記事で簡単に自己紹介しております。
ランニングを開始してから、主にハーフマラソン大会に出場してきました。
【ハーフマラソン】
- 2018年12月 ランニング開始
- 2019年03月 1時間24分07秒
- 2019年04月 1時間22分45秒
- 2019年11月 1時間19分10秒
- 2020年03月 1時間17分20秒
- 2020年11月 1時間14分40秒
1年間でそこまで沢山の大会に出場してきたわけではありませんが、レース出走毎に自己ベストを更新することができています。練習のやり方や考え方が間違っていなかったと、考えています。
3.身体ステータス・練習の設定ペース
ランニングを開始して以降の、身体ステータスや練習の設定ペース変遷を記載します。【ハーフマラソン記録毎】に記載しています。
【ハーフ記録】 | 1:24:10 | 1:22:45 | 1:19:10 | 1:17:20 | 1:14:40 |
体重 | 68kg | 67kg | 65kg | 65kg | 64kg |
BIM(身長178cm) | 21.5 | 21.2 | 20.5 | 20.5 | 20.2 |
ランニング歴 | 3か月 | 4か月 | 10か月 | 1年2か月 | 2年 |
月間走行距離 | 250 | 250 | 250 | 300 | 350 |
LTペース(20分) | 4:00 | 3:52 | 3:45 | 3:40 | 3:31 |
インターバルペース (1km×5 r=2.5分) | 3:40 | 3:35 | 3:30 | 3:25 | 3:20 |
年齢 | 27 | 27 | 27 | 28 | 28 |
1時間17分20秒を達成するまでは、ランニングを本格的に開始してからの練習内容を延長させれば記録を向上させることができましたが、そこから1時間15分切りを達成するまでには、大きく練習内容を見直しました。
身体ステータスにおいて最も記録に直結したのは体重です。体重が落ちるごとに記録はどんどん良くなりました。
参考に、エリートランナーの体重と記録のデータをまとめました。自分自身もまだまだ適正な体重よりは重いな、と思ったきっかけです。是非参考にしてみてください。
4.ハーフマラソンで1時間15分を切るのに、才能は必要ない
私の考えでは、才能は「必要ない」と考えています。ただし、あなたの運動歴や基礎体力によって、1時間15分に到達できるまでの時間は人それぞれです。運動歴がほとんど無い方、年齢を重ねている方にとっては非常に高い目標です。
学生時代に長距離経験がある方にとっては「体の状態を戻す」ことで記録達成をすることができますが、一度も経験したことが無い方にとっては「新しく体を鍛えていく」必要があり、難易度や達成までの時間が大きく違うことは頭に入れておく必要があります。
5.普段の生活で気を付けることは?:食事、睡眠、セルフケア
記録を伸ばすために必要なことはやるべきだと考えていました。私自身、次のようなことはやっていました。
- 規則正しい食生活と睡眠(※細かい栄養計算等は不要)
- 風呂上がりのストレッチ、ストレッチポールによる体のケア
- 体重測定
食生活は、炭水化物・タンパク質・脂質をバランスよくとることを意識していました。ただ、好きなものは好きなように食べるようにしていました。走っている距離も多かったので、少しくらい高カロリーなものを食べても大丈夫だ!と自分自身に言い聞かせていました笑。
精神的にも、好きなものが食べられた方が幸せです。
睡眠は意識して6時間~7時間はとるようにしていました。
体のケアも重要です。怪我無く練習が継続できるよう、風呂上がりケアは習慣化するようにしました。

学生時代から患っていた、ハムストリングス上部の痛みも、ストレッチポールや超音波ケアによって改善しました!次の記事で紹介しています。
体重は重要です。定期的に測定することをお勧めします。無理な減量をするためではなく、体重を測定することによって、水分は足りているのか?食事が少なすぎないか?などを把握する指標にしていました。
体重は記録とも密接な関係があります。体重の減少量などから、練習でのパフォーマンスを評価したり、大会での目標記録を推測する、といったこともしていました。毎日、体重を測定する時間を合わせることで、体重を日毎に比較できるようにします。お勧めの測定タイミングは起床直後です。
6.練習方法(タイム設定など):記録向上の流れと練習内容の変化
はじめの方でも述べましたが、1時間17分20秒を達成するまではランニングを開始してからの練習の延長線上で記録を向上させることができましたが、そこから1時間14分40秒を達成するまでには大きく練習内容を見直しました。
1時間17分までの練習と、1時間14分台を達成するために見直した内容を分けて記載します。
■トレーニングの前提
私自身が行ってきたトレーニング条件の前提を示します。
私自身の練習内容を紹介していきますが、どのような状況で練習を行っていたかも重要だと考えています。
- 設定ペースはVDOT Calculatorを使って、その時の自己ベストから決定
ジョギングはほぼ、通勤ランか起床直後(朝食前)に行う
全て単独走
私自身は、フルタイム共働き・子育て・家事があるため、家に帰ってから練習する時間を確保することが難しいという状況でした。基本的にジョギングは通勤ランか早朝時間帯に行いました。
ポイント練習も、ほぼ全てが起床してから朝食をとる前に行っています。
■1時間24分→1時間17分までの練習内容
1時間17分までは、ランニングを開始してからの延長線上のトレーニングによって達成できました。トレーニング内容のポイントを次にまとめます。
- トレーニング頻度:週5回
- 月間走行距離:250~300km
- ペース設定:自己ベストに合ったペース設定をVDOT Calculatorで算出
- ポイント練習:週二回(LT走+レペorインターバル)
- 距離走(ロングジョグ):長くても20km未満(ほとんどやってない)
トレーニング頻度
練習を継続して行っていくために、練習頻度は週5回としていました。疲れが溜まっている時は無理に走らず完全休養することにしていました。
月間走行距離
1時間17分に到達するまでは、一月当たりコンスタントに250km~300km走っていました。記録は伸び続けていたので、無理に距離を伸ばすことは考えていませんでした。
ポイント練習
基本的に、週二回ポイント練習を取り入れていました。
LT走は年間を通して行っていましたが、インターバルについては夏の暑い時期は行っていませんでした。
夏は「レペティショントレーニング」を取り入れ「ランニングフォームの改善」を進めました。
ポイント練習の詳細メニューは次の通りです。設定ペースは自己ベスト記録に合わせてVDOT Calculatorで算出します。
- LT走:20分間走(テンポ走)orクルーズインターバル
- インターバル走:1km×5 レスト2分30秒(500mジョグ)
- レペティション:400m×10 レスト3分(歩き)
ポイント練習は、意識ややり方によって得られる効果が大きく異なります。次の記事でLT走について詳しく解説しているのでご参照ください。
LT走のポイントは「タイムトライアルではないこと」を意識していました。LT走を終える時に膝に手をついて止まらないといけないほどである場合は、ペース設定が速すぎる可能性が高いです。
ただ私自身、LT走を走り終えた時に毎回余裕があったか?と言われると、その時々によってタイムトライアルのようにきつかったことも多くありました。やはり、前日までのトレーニング履歴や調子によって、きつさが変わってくるからです。
しかし、私はLT走のタイム設定を一度も外したことはありません。LT走は練習の再現性が重要だと考えています。毎回同じ距離を同じ設定で走ることで、自分の実力や調子を測ることができるからです。

LT走のポイントは「正しい負荷」で設定ペースを決めること。少し余裕をもって終えることができるペースを見つけよう!
インターバル走についても、次の記事で詳しい解説をしています。
インターバルトレーニング中は呼吸、筋力ともに苦しい状態となります。「呼吸が苦しい練習なんだ」と受け入れて耐えましょう。ただし、インターバルペースも速すぎると練習効果が低下してしまいます。
上の記事で解説していますが、インターバルトレーニングでのレスト時間は、割としっかりとっても大丈夫です。ダニエルズ理論では「疾走時間以下」で設定することが推奨されているくらいです。

インターバル走はきつい練習。。インターバルペースを継続できるように、レストはちゃんととってこなしましょう!
LT走とインターバル走はともにきつい練習です。できるだけ平坦で信号がなく、安全が確保できるコースを見つけて行いましょう!Garminの時計を使っている方であれば、ワークアウトに組み込んでしまうとやりやすいです。
Garminでのワークアウト設定方法は次の記事で紹介していますので是非ご参照ください!
■1時間17分20秒→1時間14分40秒までの練習内容
1時間17分20秒に到達すると、記録が伸びなくなりました。そこで練習内容を大きく見直しました。見直した内容は赤字で示します。
- トレーニング頻度:週5→6回
- 月間走行距離:250~300→350~400km
- ペース設定:VDOT Calculatorで算出
- ポイント練習:週二回(LT走+レペorインターバル)
- 距離走(ロングジョグ):週一回最長25km
ハーフマラソンレースで感じていたこととして、「レース後半の落ち込み」が改善点だと思っていました。15km地点くらいになると急に足が止まってしまっていました。
原因は明確には分からなかったのですが、感覚として「糖質を使い切った感覚」に似ていたため、ランニングにおいて糖質を使う割合が多いのでは?と仮説を立て、走行距離を増やしていくことで、脂質を使う割合を増やしていこう、と考えました。
練習頻度を週5回から6回へ増やし、22~25km程度の距離走を取り入れることにしました。
走る頻度と距離を伸ばしてから、4か月後くらいから効果が出始めました。一例を上げると20分間のLT走では、設定ペースが3:38→3:31/kmまで向上しました。

走る距離を伸ばしたことで、持久力が向上した感じがしました!
その他、基本的なポイント練習は1時間17分20秒を達成した時とほぼ変えませんでした。
ハーフマラソンで1時間15分を切ったとき、1週間単位ではこのような練習をしていました。
- 月;OFF
- 火;ジョグ
- 水;ポイント練-1 LT走 or インターバル走
- 木;ジョグ
- 金;ポイント練-2 距離走(20~25km)
- 土;ジョグ
- 日;ポイント練-3 レペ or インターバル走
7.レース当日の食事、ペース設定
■食事と栄養
食事は少なくとも、レースの3時間前までには済ませておきましょう。食事内容は炭水化物中心で消化の良いものにしておきましょう。5000mでは、エネルギー切れの心配はないため、そこまで沢山栄養を取っておく必要はありません(体重が軽いほうが有利と言われています)。
レース直前も、水分以外は特に気にする必要はないと考えています。
■ペース設定と集団走
基本的には難しいことを考えず、目標タイムを元にイーブンで走ることを心掛けましょう。後半遅くなってもいいように前半に貯金を作って・・・と考えていると、後半相当きつくなって垂れてしまう可能性が高いです。
ただし、ハーフマラソン以上の距離になってくると集団走ができるかどうかで大きく記録が変わってきます。自分が想定していた目標タイムよりも若干速かったとしても、集団で走ることができそうであれば、少し頑張ってついていった方が良い時もあります。
その判断は、自分が目標としているペースとどのくらい離れてしまうかにもよります。私自身は、目標ペースよりも5秒程度速いくらいなら、思い切ってついていくことを選択します。
8.記録向上に欠かせないアイテム
上記で説明してきた練習法をスムーズに行うためであったり、自分自身のランニングフォームを分析したりするためには、そのためのアイテム(ランニングギヤ)が必要になります。
私自身が、自分の走りを客観的に分析したり、快適にトレーニングを行うために必要だと思ったアイテムを次の記事でまとめています。
是非、参考にしてみてください。
9.具体的ポイント事項まとめ
1時間24分台から1時間14分台まで記録を伸ばすことができた具体的ポイントをまとめます。
- 走行距離を稼ぐことで、地力を鍛えることができ、持久力が向上した
- 1時間17分台→1時間14分台では、走行距離を上げ、距離走(22~25km)を取り入れた
- ポイント練習はLT走、インターバル走、レペティション
- ペース設定はVDOT Calculatorに従う
いかがでしたでしょうか。
今回、私自身の体験を元に、1時間24分台から1時間14分台へ記録を伸ばすことができた方法を紹介させていただきました。
トレーニング効果には個人差があるとは思いますが、是非参考になればと思います。
参考文献:
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