ハーフマラソン 1時間12分29秒を出したトレーニング内容

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。

 こんにちは。管理人のらんしゅーです。

 2022年3月13日に行われた名古屋シティハーフマラソンにて、1時間12分29秒(NETタイム)を記録することができました。公認記録ではありませんが、公認コースでの記録ではあるため、その価値は高いと考えています。

 私自身が本格的にランニングトレーニングを開始してからの記録変遷は次の通りです。

スクロールできます
年月大会名記録
2019年3月758ランナーズトライアル1時間24分10秒
2019年12月東海市ハーフマラソン1時間19分10秒
2020年3月庄内緑地公園単独T.T.1時間17分20秒
2020年11月758ランナーズトライアル1時間14分39秒
2021年10月758ランナーズトライアル1時間12分53秒
2022年1月758ランナーズトライアル1時間12分43秒
2022年3月名古屋シティマラソン1時間12分29秒

  2020年以降、公道でのロードレース開催が自粛されてしまい、公園の周回コースを利用した草レースにのみ参加しているような状況でした。

 実力の確認にはとても良い大会なのですが、やはり公道レースで記録を残したいという思いが募ってきました。

 そんな中、名古屋シティマラソン2022の開催が決定。2021年でさえも開催された名古屋シティマラソンであれば、2022年も開催されるだろうと考えエントリーした結果、幸いにも出走できることが決まりました。

 ある程度のピーキングを行い自己ベストを狙いに行った結果、公道ハーフマラソンとしては2年3か月前に出場した東海市ハーフマラソンで記録した1時間19分10秒から約7分のタイムアップとなりました。

 記録としてはまだまだですが、参考にしたいと言う声が僅かながらあり、自分の備忘録代わりでもあるため、発信することにしました。

 今回公開するのは、2021年12月から2022年2月にかけての3か月間のトレーニング内容になります。一週間のトレーニングスケジュールとトレーニング内容、強度を示します。

目次

トレーニングの基本スケジュール

 私は基本的に、1週間のトレーニング内容をほぼ固定していました。

 理由としては、様々な種類のトレーニングを毎週のように変えながらだと、トレーニング効果が評価しにくくなることと身体コンディションが把握しずらくなるためです。

 基本的に負荷が高いトレーニングを週3回程度行います。同じ類のトレーニングサイクルを少なくとも1か月は継続します。

 その1か月で疲労の抜け具合や持続可能なトレーニングサイクルであるかどうかを判断していきます。

 今回公開するのは、2021年12月のトヨタエールマラソンが終わってから2022年3月の名古屋シティマラソンまでのトレーニング内容です。

具体的トレーニング内容

 具体的なトレーニング内容に入る前に、トレーニングの前提条件を示します。

トレーニングの前提条件
  • 練習はすべて起床直後20分後から開始する
  • そのためトレーニング開始時刻は毎朝4時である
  • ウォーミングアップは20~25分程度で、その直後からメイン練習に移行
  • ウォームアップとクールダウンで合計で8~9km程度
  • どのトレーニングにおいても、努力感は8~9割程度

 Easyジョグでもポイント練習でもすべて起床直後に行っています。

 参考にしたのは、2021年東京オリンピック1500mで優勝したヤコブインゲブリクトセン選手のトレーニングメニューです。自分が走る環境にアレンジしました。

 上記前提条件の中で、最も重要だと考えるのが、トレーニングにおける努力感の設定です。

 起床直後にトレーニングを行っている影響でそもそも頑張りすぎることができない、ということもありますが、トレーニングにおける努力感は8~9割に抑えることを意識しています。

2021年12月~2022年1月末

 一年間で最も寒い時期であり、これまでの経験から、強度が高いVO2max系のインターバルトレーニングができないことは分かっていました。

 メイントレーニングはLTインターバルとしました。また、2021年10月頃から継続的に実施してきたヒルスプリントも、速筋繊維への刺激を継続する意味で取り入れました。

 また、リカバリー力を向上させLTインターバルのトレーニングボリュームを高めていくため、週間走行距離を高めることを意識しました。

 仕事が週休2日、土日休みであるため、基本的には1週間のサイクルでトレーニングを進めました。

 次の例では、週間走行距離で120~125kmのトレーニングスケジュールになります。

1週間のトレーニングスケジュール
  • 月曜:Very Easy Jog 7.6km or 完全休養
  • 火曜:LT Interval 1000m*12 r=60s Total 20.8km
  • 水曜:Very Easy Jog 14.3km
  • 木曜:LT Interval 3000m*4 r=120s Total 22.6km
  • 金曜:Very Easy Jog 14.3km
  • 土曜:Hill Sprint 200m*20 r=Jog Back Total 15.5km
  • 日曜:Long Jog 2hr 27.5k

 月曜は日曜日までの疲労を抜くことを最優先とした日です。Jogの距離は多くても8km、時間にして40分程度です。心拍数はほとんどの場合平均して130bpm以下(65%HRmax以下)で行います。

 基本的にVery Easy Jogは「意識してEasyに」ジョグをすることを心掛けました。レース前などは、走行距離を意図的に落としていきたいため月曜は完全休養にします。

 火曜はポイント練習でLT Intervalです。狙いは乳酸処理能力の向上です。毎週必ず主観的なきつさを揃えることを意識しました。目標心拍数は疾走時の平均値が164~168bpmとなるようにしました。

 心拍数は、季節によって大きく異なります。また、最大心拍数に個人差があるため、LT Intervalにおける目標心拍数は、各個人によって違ってくるはずです。

 私自身は、最大心拍数が約190bpmであるため、LT Intervalにおける目標心拍数は86~88%HRmax程度です。

 主観的きつさと心拍数を指標にトレーニングを行っていたため、設定ペースにはこだわりませんでした。

 メニューとしては1000m*12、レストは60秒ジョグです。参考程度ですが疾走区間は3:20~3:25/km、リカバリー区間は5:30~6:00/kmくらいです。

 水曜・金曜はEasyジョグです。前日がポイント練習であるため、疲労回復が有意になる強度でジョギングを行いました。Easyジョグペースは疲労度にもよりますが、平均ペースで4:35~4:50/kmくらいでした。

 ジョギングペースについては諸説ありますが、私の考え方としてはポイント練習において目標の強度でトレーニングを行える限りは、ジョグの強度(=ペース)を上げても問題ないと考えています。

 ジョギングペース4:35~4:50/kmというのは、意図せず結果的にそのペースになった、という感じです。

 ジョギング時の平均心拍数は125~135bpm程度です。疲労をためないことが優先されるため、心拍数が上がってしまうときには意図的にペースダウンを行ったりします。

 疲労が溜まりすぎていると、ポイント練習でも目標心拍数に到達する前に脚のきつさが来てしまい、疾走速度を保てず、心拍数も上がらない、といった現象が発生します。

 その場合には、トレーニングサイクルとしてリカバリーが間に合っていない、と判断し、ジョギングペースを落としたり、ロングランの強度を下げたりするなどを行います。

 木曜はロングLT Intervalです。メニューとしては3000m*4、レストは120秒ジョグです。こちらについても目標心拍数は86~88%HRmaxとしていました。

 設定ペースは、1000m*12と比べて、1kmあたり4~6秒遅めくらいのペースです。1000m*12と主観的強度をそろえた結果、このようなペース設定になりました。はじめから目標ペースを決めていたわけではありません。

 1000m*12と同様に、乳酸処理能力を鍛えることが目的です。距離を長くすることで、より実際のレースに近い感覚を養うことができると考えています。

 土曜はヒルスプリント200m*20本です。傾斜はおよそ3~4%程度の上り坂を使いました。もう少し傾斜が強い坂を使いたかったのですが、近くに良い場所がありませんでした。

 ヒルスプリントの目的は解糖系への刺激速筋繊維の動員率向上です。疾走ペースは1500mのレースペース程度です。200mと長めのスプリントになるため、筋肥大の効果はほとんどないと考えています。

 日曜は2時間のロングジョグです。将来的にはフルマラソンに挑戦したいという思いがあるため、週に1回のロングジョグを欠かさず行っています。

 主目的は脂肪酸化能力向上です。ロングランの設定ペースは、Easyジョグよりはちょっと速めのペースを意識していました。

 ダニエルズ理論に当てはめると、ロングジョグのペースはEasyペースのおよそ真ん中くらいとなります。私で言うと、大体4:20~4:30/kmくらいになります。

2022年2月~レース

 2022年2月に入り、レース1か月前となりました。

 4月に5000mで記録を出したいという思いが優先であったため、2月からはインターバルトレーニングのボリューム下げ、強度を少し上げました。

 具体的には、下記の通りです。

レース1か月前トレーニングスケジュール
  • 月曜:完全休養
  • 火曜:CV Interval 1000m*10 r=100s
  • 水曜:Very Easy Jog
  • 木曜:LT Interval 3000m*4 r=120s
  • 金曜:Very Easy Jog
  • 土曜:Long run 2hr
  • 日曜:Easy Jog

 前月から変えた内容としては、火曜のインターバルをLT強度からCV強度へ上げたこと土曜のヒルスプリントをやめロングランの強度を上げたこと、の2点です。

 火曜のCV Intervalは、それまでのLT Intervalと比較し1kmあたり5秒程度ペースアップしました。その代わり、レスト時間を長めにとっています。狙いとしては、VO2maxへの刺激を入れ始めることが目的です。

 土曜のヒルスプリントをやめたことで、ロングランの強度を上げています。大体4:10~4:20/km平均くらいとなり、1kmあたり10秒程度ペースアップしました。

所感・まとめ

 以上が、ハーフマラソンで1時間12分29秒を出す、3か月前からのトレーニングメニューになります。

 記録としてはまだまだ未熟であるため、トレーニングメニューについて深くは語れません。私自身の考えとしては、この程度の記録水準であれば、努力の仕方で多くの人が達成できるレベルであると考えています。

 ヤコブインゲブリクトセン選手は、トレーニング強度を血中乳酸濃度で管理していますが、私の環境では測定が困難であるため、代わりに心拍数を強度の目安として使っています。

 心拍数をトレーニング強度の目安として使うためには、正確に心拍数を測定することが必要不可欠であるため、どんな練習においても心拍ベルトを使用して強度の把握を行っています。

 主観と心拍数でトレーニング強度を管理し始めてからは、過度な疲労残りが無くなり、ポイント練週で想定したペースや強度で行えない「失敗練習」がほとんどなくなりました。

 また、私自身のトレーニングメニュー例を紹介させていただきましたが、今回紹介したトレーニングメニューに至るまでには、準備期間や基礎体力が必要です。

 まだ明らかに走行距離が足りていない方等は、徐々に強度を上げていかないと怪我をしてしまいます。

 もし、伸び悩んでいる方が本記事を読んでいただけているのであれば、少しでも参考になればと思います。

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