私自身が過去患った怪我の紹介第一弾。
今回はハムストリングスの怪我についてです。マラソンの練習をしていて、特にハムストリングス上部と臀部のつなぎ目あたり(ハムストリングスの付け根)を痛めてしまった方、是非本記事を参考にして頂きたいです。
ハムストリングスは「アクセル筋」と呼ばれており、ランニングには欠かせない筋肉です。爆発的な力を出すことができる一方で、怪我が尽きない箇所でもあります。
ハムストリングスで発生する怪我で最も有名なものが肉離れですが、ハムストリングスの痛みで厄介なものは、ハムストリングス上部と臀部の間辺りを痛めることです。
少し昔の話になりますが、プロサッカー選手の宮本恒靖選手もハムストリングスで同じ付け根の個所を痛めてしまい、最終的には引退になってしまったそうです。私自身、この痛みを中学3年生に患ってしまい、以降社会人になってからもずっと悩まされ続けていました。
しかし、本格的にランニングを始めて以降はまったく気にならないくらいまで痛みが引き、今ではほぼ完治と言っていい状態です。私が患ったハムストリングス上部の痛みについて、その治し方まで体験談を元に紹介していきます。
1.ハムストリングスについて 上部(付け根)の痛みの原因は?
ハムストリングスとは、「大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋からなる、もも裏筋肉の総称」になります。お尻下部の座骨に付着しており、脚を曲げるときに収縮し力を発揮します。
ハムストリングスの上部が痛む時、以下の可能性が考えられます。
- 座骨神経痛
- 座骨結節の炎症
- ハムストリングス筋損傷
座骨神経痛について本記事では詳しくは紹介しませんが、こちらも非常に厄介な怪我になります。座骨神経痛では、ハムストリングスの付け根だけではなく、神経がつながっている足先のしびれなども併発します。
座骨神経痛は梨状筋が原因であることもあり、ハムストリングスとは別の筋肉が痛みの原因になっています。
本記事では、座骨結節の炎症及びハムストリングス筋損傷について記載していきます。
ハムストリングス筋収縮する際、座骨付着部やハムストリングスに大きな負荷がかかります。その負荷に耐えられなくなってしまうと、座骨結節部や筋肉に炎症を起こしてしまい、痛みとなります。完全に治ればよいのですが、痛みが引かないまま運動を継続したり、筋損傷の後、筋肉が固化してしまうことで、痛みが慢性化することも少なくありません。
痛みが発生してからすぐに休めば、必要以上に休養をしなくて済む可能性が高いです。痛みが出たら無理せずにまずは安静にしましょう。
2.原因を探ろう!
今本記事を読んでいる皆さんは、ハムストリングス上部の痛みで、気持ちよくトレーニングができない状態ではないでしょうか?そんな皆さんはまず、「いつから?どのタイミングで?」痛めたのか、思い出してみてください。私自身の体験をもとに、ハムストリングス上部を痛めてしまう原因の例を紹介すると、
- ダッシュ(高い強度のランニング)
- ハムストリングスを伸ばしながら行う筋トレ
- 過度なストレッチ
- きっかけはないが気が付いたら痛くなった
この中で思い当たることはないでしょうか?
怪我について考える時は、まずその原因を探ることが重要です。なぜなら、せっかく怪我が治っても、原因がわかっていない場合、再び同じ個所を怪我してしまう可能性があるからです。まずはこれまでのトレーニングを振り返ってみて、痛めた原因を把握しましょう。
3.病院(整形外科・接骨院)に行くべきか?
私は、まず病院に行くことをお勧めします。病院にはいくつか種類がありますが、レントゲン等をとる必要があるのであれば整形外科、治療を求めているのであれば接骨院等に行きます。医師の方はその道のプロですので、あなたと同じような症例の患者を多く診てきたはずです。
ただ一つ注意点は、病院ごとに得意分野・不得意分野があります。できればスポーツで有名な病院であることが望ましいです。ホームページ等をネットで検索すれば、その病院がどの分野に強いかが分かるので、まずは行こうとしている病院についてネット検索してみましょう。
自分では大したことが無い怪我だと思っていても、実は大怪我だった、という可能性があります。せっかく休んでも、「安静にしているけどなかなか痛みが引かないな」となってしまうこともあるため、診断を確実にするため、また、自分自身が安心するためにも、病院で根拠を持った診断をしてもらいましょう。
病院に行ってまず言われること:「まずは安静に」
ただ、病院に行けばすべてが解決する・・・ということはありません。病院への大きな期待は禁物です。間違いなく言われることは、「まずは安静にしてください」です。トレーニングを控えれば、必ず炎症や痛みは引きます。しかし注意しなければならないのは、痛みが引いた後どうするかです。故障前と同じような練習量・練習内容でトレーニングを再開してしまうと、再び同じ怪我を患ってしまいます。
4.トレーニングを再開するにあたり
怪我をしてしまった原因がつかめていない場合、トレーニングを再開するにあたっては練習量と練習内容を見直す必要があります。また下記で説明しますが、怪我を防ぐためのセルフケアが非常に重要です。
私自身、練習量や内容を見直してもなかなか完治しなかったハムストリングス上部の痛みが、セルフケアの継続によって、ほぼ完治させることができました。
5.セルフケアのすすめ
私が実践し、実際ハムストリングス上部の痛みを治すことができたセルフケアを紹介します。
超音波治療
接骨院等でよく見かけたり、治療してもらったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は自宅でも手軽に超音波治療ができる機材があります。「US PRO 2000 2nd」です。楽天で取り扱いがあります。全国の治療院で使用実績がある機材と記載があったので、私も思い切って購入し使ってみました。

私の使い方としては、まず、超音波治療器の金属表面、もしくは体側にジェルを塗ります。使用するジェルは「超音波用ゲル プロゼリー」です。ノーマルor高密着タイプどちらでも問題なく使用できました。
続いて、機材のボタンを操作し、「H」モード、「15」が点灯するように操作してから1分程待ちます。機材の準備ができたら、全モード・時間が点滅し、「H」「15」が点灯します。
ジェルが塗ってあることを確認し、その部分に金属表面を当てていきます。少しぴりぴりと感じることができると同時に、体内部から温まってくる感覚を得ることができます。
私はこの治療を毎晩お風呂上りにやっていました。
ストレッチポール(トリガーポイント)
超音波治療と同時に行っていたセルフケアが「ストレッチポール」による筋肉のほぐしです。別名で「筋膜リリース」とも呼ばれています。接骨院に行くと、痛めている箇所をピンポイントに指圧してもらえますが、いざ自分で行おうとすると、ゴルフボール等を使うことになりますが、実際は非常にやりにくいです。
そこで、調べてみると、ストレッチポールやトリガーポイントを使えば筋肉をほぐせることが分かりました。使い方は参考になるYouTubeを載せておきます。
ストレッチポールやトリガーポイントは純正品を購入しようとすると意外と高額で躊躇してしまいがちです。私自身も純正品は高く購入しにくかったため、別の代替品を試しに買ってみましたが、まったく問題なく使用継続できています。
セルフケアとして超音波治療とストレッチを継続した結果、ハムストリングス上部(付け根)の痛みから解放され、気持ちよくトレーニングを行うことができるようになりました。
6.まとめ
いかがだったでしょうか。ここまで紹介してきたことをまとめます。
- ハムストリングスの上部を痛めてしまった場合は、まず痛みが引くまで安静にする
- 痛めてしまった原因を探り、復帰後は原因を解決するために練習内容を見直す
- セルフケアを行う
スポーツに怪我は付き物ですが、スポーツで上達するためには、いかに怪我しないで練習を継続できるかがとても重要です!怪我を防ぎつつ、気持ちのいいトレーニングを行いましょう!
コメント
役に立つ記事をありがとうございました。私もトリガーポイントのマッサージを続けていきたいと思います。質問ですが、セルフケアを始めて痛みが引きランニングを元通りに再開できるまでの時間はどれぐらいかかりましたか。
コメントありがとうございます!
私の場合は、元々フットサルに取り組んでいたのですが、フットサルでのダッシュ等が最も痛む動作でした。
フットサルを辞めて、1か月程度は完全休養を取りました。その間、セルフケアとしてストレッチポールによるリリースと超音波治療のケアを継続し、1か月後からほとんど痛むことなく練習を再開することができています。
ランニングも、始めの2か月くらいは低強度のジョギングのみにしました。
私の場合は腰が落ちたフォームでストライドを広げたいと重心の前方に着地するのを続けていたことが原因だったと今では理解しています。さらにその遠因には骨盤をしっかり回旋できていなくて股関節患部に負担がかかっていたことがあるのだなあと反省しました。フルマラソンでは30キロ過ぎから患部がズキズキ痛んでペースダウンしました。この部分の故障についての体験記はなかなかなくて「直るんだ」と希望がわきました。ありがとうございました。しっかり休んでフォーム矯正してジワジワと元に戻していきます。
俊一様
原因を考察できているのは良いことですね!私も、慢性的に痛い状況が長年続いていましたが、適切なケア等を続けた結果、今では全く困らない程度にまで回復しました。気持ちよくランニングできるようになることを願っています^^