- フルマラソンに挑戦するけど、補給食・ジェルは持っていく必要はあるの?
- 走るペース(サブ3・サブ3.5・サブ4・サブ5)によっておすすめの補給食は違うの?
- 具体的におすすめの補給食ランキングを教えてほしい
フルマラソンに挑戦する方で、どんな補給食を持っていけばいいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、マラソンにおける補給食(ジェル・ゼリー)の重要性や選び方、おすすめの製品を紹介します。
基本的にはサブ3・サブ3.5・サブ4・サブ5など、走力が異なっても補給食は同じもので構いません。
ただし、走るペースが遅くなっていくにつれ、補給食の消化スピードが遅くても摂った補給食を栄養として活用できます。
本記事を読めば、補給食の重要性と選び方を理解でき、自分に適した補給食を選択できるようになります。
- フルマラソンでは体に蓄えてあった糖質が少なくなることで筋肉がスムーズに動かなくなる
- 少なくなる糖質を補うために「補給食」を使う
- 補給食に含まれる糖質の種類が異なるため、吸収速度もそれぞれ異なる
- 各個人によって消化吸収能力が異なるため、どの補給食も事前に試すことがおすすめ
- 補給食はおおまかに、ジェル・ゼリー・固形物、の三種類
- サブ3・サブ3.5・サブ4・サブ5など、走力が異なっても補給食は同じものでいい
フルマラソン 補給食 一覧
本記事で紹介する、補給食一覧です。ジェル・ゼリー・固形のタイプがあります。
→横にスライド可能 | モルテン ジェル | ACTIVIKE スピードジェル | carbデュアルソースエナジージェル | アミノサウルス ジェル | ACTIVIKE グランフォンドジェル | Mag-on | Madalist | アミノバイタル アミノショット | スポーツようかん | Enemoti |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
種類 | ジェル | ジェル | ジェル | ジェル | ジェル | ジェル | ジェル | ジェル | 固形 | 固形 |
カロリー | 100kcal | 111kcal | 100kcal | 約120kcal | 111kcal | 120kcal | 106kcal | 109kcal | 約120kcal | 156kcal |
カフェイン | 100mg | 25mg | 0mg | 75~120mg | 0mg | 25mg | (冴は200mg) | 50mg無 | 無 | 無 |
重さ(携帯性) | 40g | 50g | 40g | 45g | 50g | 41g | 45g | 45g | 40g | 40g |
価格 円/個 | 920円~ | 220円~ | 175円~ | 378円~ | 220円~ | 302円~ | 270円 | 120円~ | 108円~ | 313円~ |
説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 | 説明 |
購入サイト |
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| 公式HPのみ 3個パック 10個パック |
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フルマラソンおすすめ補給食
私自身がおすすめする、具体的な補給食一覧です。
モルテンジェル(MOULTEN)
モルテンジェルは、多くのエリートランナーが使っている「モルテンドリンク」をジェルタイプにした商品です。
モルテンの商品は、単糖類であるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)を最適な比率で配合し、高い吸収速度と効率を実現しています。
味は、無味で甘いようかんのようなイメージです。私はとても食べやすいと感じました。
カフェイン入りと、カフェインが入っていないタイプの2種類があります。
ACTIVIKE スピードジェル
ACITIVIKEのスピードジェルです。ACTIVIKEはもともと自転車競技者向けに製品を販売している企業ですが、マラソンランナーにも適した製品を発売しております。
スピードジェルはモルテンと同様に、ブドウ糖:果糖=2:1で配合されている補給用ジェルです。糖質吸収速度が最大限まで引き上げられており、レース中の補給に最適です。
コストパフォーマンスに優れており、1本あたり220円(10個パックの場合)から購入可能です。
甘さが自然で、おいしいです。苦しい時でも飲みやすく、飲むことが待ち遠しい逸品です。
carbデュアルソースエナジージェル
モルテンに替わるcarbデュアルソースエナジージェルです。
マルトデキストリンとフルクトースを1:0.8で配合し、糖質の吸収速度を90g/時間まで引き上げている商品です。
広告宣伝費に経費をかけていない分、非常にコストパフォーマンスが高い補給用ジェルになっています。
まだまだ知名度は低いですが、トレーニングから何度使っても費用が低く抑えられるため、補給トレーニングも気軽に行えるメリットがあります。
甘すぎず飲みやすいため、苦しいレース中も摂取しやすいでしょう。
アミノサウルスジェル
アミノサウルスジャパンが発売している、アミノサウルスジェルです。
アミノサウルスジェルは、BCAAを効果的に含むサプリメント「アミノサウルス」のノウハウが生かされたジェルタイプの製品です。
こちらも、カフェイン入りとカフェイン無しのタイプが発売されています。
レモン味を使いましたが濃厚な甘いレモンという感じで、味的にはかなり飲みやすいです。
アミノサウルスエリートには、カフェインが120mgも入っているタイプがあります。市販で購入できる補給用ジェルの中ではかなり高濃度だと言えます。
包装が平たいため、全て飲み切るには容器から絞り出す必要がありますが、苦しい中だと、結構手間取ります。
また、汗でぬれている手で包装を開けようとしたとき、手が滑って開けにくかった印象です。練習で試しておくことをおすすめします。
ACTICIKE グランフォンドジェル
ACTIVIKEから発売されているグランフォンドジェルです。
グランフォンドジェルには吸収が緩やかな糖質であるパラチノースが配合されています。レース前やレース序盤に摂取することがおすすめの補給用ジェルです。
ゲル化剤でゲル状に加工されている点が他のジェルと異なる点です。ゼリー状で飲みやすく、息が多少上がっていてもすっと飲むことができます。
個人的には、美味しさと飲みやすさで選ぶなら、これが一番だと思っています。
Mag-on(マグオン)
Mag-onは、本記事で紹介するジェルの中でもエネルギー密度が高い製品です。41gで120kcalあります。
多くのフレーバーが発売されており、自分に適した味を選択することができます。
私自身はMag-onグレープフルーツ味を使いましたが、アミノサウルスジェルのレモン味と、味はかなり似ています。
マグオンの最大の特徴は、水溶性マグネシウムを含有している点です。マグネシウムは筋肉の動作などに関わる重要なミネラル成分です。
さっと飲みやすいですが、ほかのジェルよりも濃い感じがするので、ジェルとともに水分も取りたいと感じます。
カフェイン入りも発売されていますが、カフェイン含有量は25mgとなっており、カフェインの効果を得るには不足しています。
エネルギー密度が高いため、一気にとりすぎると消化不良になる可能性がありますので、取り方には注意が必要です。
Medalist(メダリスト)
メダリストの特徴は、含有している糖質が天然系成分である点(果糖とはちみつ)です。
甘さがとても自然で、かなり飲みやすいジェルです。ほかのジェルと異なり半固形状である点も良く、こぼれにくいという利点があります。
ただ、果糖は、吸収された後に一旦肝臓へ送られてから、ブドウ糖に変化し血中に放出され筋肉に送られる、といった経路をたどります。
摂った糖質が直接筋肉に使われるわけではないため、飲んでから筋肉で使われるためには、多少時間がかかる可能性があります。
レース前やレース序盤で摂ることがおすすめです。カフェイン入りタイプのカフェイン含有量は50mgです。
機能に注目せず、飲みやすさ重視であればかなりおすすめです。
Medalistから、カフェインが200mg配合されている「メダリストカフェイン200冴」が発売されたようです。糖質も抑えてあり、カフェインだけを摂取したい時には重宝します。
アミノバイタル アミノショット パーフェクトエネルギー
アミノバイタル アミノショットは、味の素から発売されているエネルギージェルです。
アミノ酸としてアラニン・プロリンを含むことが特徴です。
アラニン・プロリンは、糖質と共に摂取することで、グリコーゲン合成速度を促進することで知られています。
糖質として含まれている主な物質が「水あめ」であるため、消化吸収までの時間が他のジェルに比べ時間がかかることが予想されます。
レース前、もしくはレース序盤で使うことがおすすめです。
味は、少し人工的な甘さを感じるため、他の補給用ジェルと比べると、味は劣るかな、という印象です。
スポーツようかん
井村屋が発売しているスポーツようかんです。
純粋に「美味しい」です。
スポーツようかんは、あえて吸収に時間がかかる糖質を含むことで、長時間の運動に適した商品となっています。
しかし、補給食としては、レース中食べにくさを感じたり、包装の開けにくさを感じる可能性があるため、フルマラソンで使用する場合は、走るペースが遅いランナーか、レース前の補給食におすすめの製品です。
Enemoti(えねもち)
エネモチは、セロトーレ株式会社が発売している補給食です。
スポーツようかんと同様に吸収に時間がかかるパラチノースを含有しています。レース中に使う糖質を補給するため、というよりも、レース前に摂っておく、という使い方が適しています。
レース中に食べるのはかなり難しいと感じます。口の中に水分が少ないと、噛んで飲み込むことが難しいからです。
こちらも味がとても良く、美味しいです。補給食と言われなければ、間違いなくお菓子と間違えてしまうほどです。
フルマラソン 補給食使用パターン例
私自身がつくばマラソン2024で行った補給例を紹介します。タイムは2時間43分55秒でした。
- レース30分前:アミノサウルスエリート03
- 7km地点:carb デュアルソースエナジージェル
- 14km地点:carb デュアルソースエナジージェル
- 24km地点:アミノサウルスエリート03
- 32km地点:アミノサウルスエリート04
この戦略をとった理由は以下の通りです。
- レース中、カフェインを体重 × 3mg以上になるようにした
- レース前は血糖値の急低下を防ぐために、できるだけレース直前にジェルを摂取
- 前半から給水ポイントに合わせて、定期的に摂取した
フルマラソンにおける補給の重要性
2時間を超えて運動を継続しなければならないフルマラソンでは、レース中の補給が必須です。以下では、補給の重要性と走力別に補給食を選ぶポイントを説明します。
フルマラソンで補給食が必要な理由
フルマラソンでは2時間を超えて運動を継続しなければならないため、レース前に身体に溜まっていた糖質をほとんど使い切ってしまうことになります。
人の体には筋肉に約1500kcal、肝臓に約500kcalの糖質を蓄えることができますが、フルマラソンでは、2000kcal以上のエネルギーを消費します。
体に蓄えてある糖質が少なくなってくると、筋肉の収縮がスムーズにできなくなります。フルマラソンで「30kmの壁」と呼ばれている現象は、糖質が少なくなることで筋肉が動かせなくなる現象です。
また、体内の糖質が減少すると血糖値が低下し、中枢神経からの指令によって筋肉への糖質供給が制限されます。
フルマラソンにおける糖質補給の目的は「走りながら糖質を補給することで身体から糖質が少なくなることを防ぎ血糖値を維持して、レース終盤までスピードを維持すること」です。
走力別(サブ3・サブ3.5・サブ4・サブ5)補給食選びのポイント
走力が異なっても、補給食の種類は変える必要がありません。レース中の補給はすぐに消化吸収できる糖質を補給することが目的です。走力が異なっても、目的は変わりません。
ただし、遅いペースで走る方は、比較的吸収に時間がかかる固形物でも、補給として使えることになります。走る時間がそもそも長いため、消化吸収にかけることができる時間が長いためです。
速いペースの人が消化吸収に時間がかかる補給食を使っても、走っている途中にエネルギーとして使えません。
さらに詳細を述べると、ジェルによっても含まれている糖質の種類が異なるので、消化吸収にかかる時間が異なります。
これらを踏まえ、自分のペースに合った補給食を選択していく必要があります。
記録を狙うなら補給用ジェルを携帯する
記録を狙っているランナーであればあるほど、補給用ジェルを自分で準備して携帯することをおすすめします。レースにて補給ポイントで提供される補給食は固形物が多く、摂取してすぐにエネルギーとして使える物は少ないです。
消化吸収に時間がかかると、腹痛の原因にもなります。
自分に合った補給食を見つけることの重要性
補給食は、味や甘さ、密度が異なります。消化吸収能力に個人差があるため、全ての補給食が同じように効果的であるとは言えません。
また、上で述べた通り、補給食によって含まれる糖質が異なるため、自分が消化吸収が得意な糖質かどうかも個人によって異なります。
広く普及していて多くのランナーから支持されている補給食であっても、「自分には合わなかった、おなかを下してしまった」こともあります。
フルマラソンレース当日に使う補給食は、できれば事前に練習で試してみることをおすすめします。
補給食が自分に合っているかどうかを判断するポイントは次の通りです。
- 走りながらでも、包装を開けて、飲むことができるか
- 走りながらでも飲みこめるか
- おなかは下さないか
これらのポイントを事前に練習で確認しておきましょう。
補給のタイミングと一度の補給で飲む量
フルマラソンのレース中に行う補給はタイミングと一度で飲む量が重要です。ポイントをまとめると次の通りです。
- レース序盤からこまめに補給を行う
- 一度で飲む量はジェル1袋が目安 一気に飲み切るのではなく2,3回に分けて飲む
なぜタイミングと量が重要か
ジェルやゼリーなどの補給食は、ほとんどが、消化吸収までに数分~1時間程度となります。
固形物になると、消化吸収までに2時間以上かかることもあります。
フルマラソンでの補給は、レースで走るのに使う糖質を補給することが目的ですので、レース中にエネルギーとなって利用できる必要があります。
「疲れてきてから補給」では遅く、レース序盤から補給をこまめに行う必要があります。
また、一度にたくさんのジェルやゼリーを飲みすぎると、消化しきれず、消化不良になりお腹を下す可能性があります。水分と一緒に摂取することで、補給食の濃度が薄まり、お腹を下しにくくなります。
レース序盤からこまめに、水分と共に補給するようにしましょう。
具体的な補給タイミングの目安
フルマラソンレース中であれば、10km毎に補給を行うと分かりやすいでしょう。
10kmだと、およそ30分~1時間毎に補給を行うことになるため、飲んだ補給食が吸収される時間を確保することができます。消化不良にならない程度で、定期的に補給するようにします。
私自身は、フルマラソンを2時間40分前後で走り切った際には、以下のようなタイミングで補給用ジェルを摂取しました。
- レース30分前
- 8km地点
- 16km地点
- 24km地点
- 32km地点
レースにおける糖質補給戦略は、次の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
補給食の種類
補給食の種類は大きく分けて、ジェル・ゼリー・固形物の三種類です。
それぞれの特徴は次の通りです。基本的にはジェルがおすすめです。
項目 | ジェル | ゼリー | 固形物 |
---|---|---|---|
携帯性 | 良 | 悪 | 良 |
消化吸収速度 | 速 | 速 | 遅 |
消化吸収のしやすさ | 普通 | 簡単 | 悪 |
エネルギー密度 | 高 | 低 | 高 |
ジェル
ジェルは重さ当たりのカロリー密度が高く、最も携帯性に優れた補給食です。
基本的に、スペシャルドリンクを準備できない市民ランナーの補給食はジェルになると思います。
注意点としては、食べやすいからといって、一回の補給でたくさんのジェルを摂りすぎると、消化しきれず消化不良になってしまう点です。
給水ポイントと合わせて摂取していくようにしましょう。
ゼリー
ゼリーは、重さ当たりのエネルギー密度が低く、携帯性は悪いです。
しかし、液体状であるため、レースの苦しい場面でも飲みやすい、という点は優れています。
固形物
固形物は、重さ当たりのエネルギー密度は優れていますが、ジェルやゼリーに比べ、消化吸収に時間がかかる糖質が含まれています。
サブ4よりもゆっくりのペースで走るランナー向けの補給食として、また、レース前の補給食として優れています。
カフェイン入り補給食
カフェインは、適切なタイミングで適切な量を摂取すると、運動パフォーマンスが向上することが知られています。
運動パフォーマンスを向上させるためには、【体重 × 3 ~ 6】mgのカフェインを摂取することが推奨されています。
カフェインは摂取してから30分~1時間後程度に血中カフェイン濃度が最大になるため、レース前に必要量摂取し、レース中は補給程度に捉えることが推奨です。
飲み物だけでカフェインを摂取しようとすると、トイレに行きたくなります。ジェルでカフェインを摂取することで、効率的にカフェインを摂ることが可能です。
補給食を携帯する方法
補給食を携帯する方法は、ランニングパンツに収納するか、ポーチなどに収納して身に付けるかのどちらかになります。
レースであれば、できればポーチは邪魔なので、ランニングパンツに収納できるのがベストです。
私自身が使っているのは、2XUのランニングタイツと、アシックスのマルチポケットショーツです。ポケットの数も多く、何かを携帯するにはおすすめです。
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