【フルマラソン 補給食(ジェル)9選】ペース毎に飲むタイミング・量も徹底解説

補給食アイキャッチ画像

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。

こんな疑問を解消
  • フルマラソンに挑戦するけど、補給食(ジェル・ゼリー)等は持っていく必要はあるの?
  • 走るペース(サブ3・サブ3.5・サブ4・サブ5)によっておすすめの補給食は違うの?
  • 具体的におすすめの補給食を教えてほしい

 フルマラソンに挑戦する方で、どんな補給食を持っていけばいいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り、競技志向でランニングに取り組んでいます。

 ここでは、マラソンにおける補給食(ジェル・ゼリー)の重要性や選び方、おすすめの製品を紹介します。

 基本的にはサブ3・サブ3.5・サブ4・サブ5など、走力が異なっても補給食は同じもので構いません

 ただし、走るペースが遅くなっていくにつれ、補給食の消化スピードが遅くても摂った補給食を栄養として活用できます。

 本記事を読めば、補給食の重要性と選び方を理解でき、自分に適した補給食を選択できるようになります。

補給食の選び方とポイントまとめ
  • フルマラソンでは体に蓄えてあった糖質が少なくなることで筋肉がスムーズに動かなくなる
  • 少なくなる糖質を補うために「補給食」を使う
  • 補給食に含まれる糖質の種類が異なるため、吸収速度もそれぞれ異なる
  • 各個人によって消化吸収能力が異なるため、どの補給食も事前に試すことがおすすめ
  • 補給食はおおまかに、ジェル・ゼリー・固形物、の三種類
  • 携帯性とエネルギー密度を考慮し、自分が使える補給食を選択する
目次

フルマラソン おすすめ補給食9選 一覧

 本記事でおすすめする、補給食9選の一覧です。

 ジェル・ゼリー・固形のタイプがあります。

らんしゅー
カフェインは、カフェインを含む製品と含まない製品が両方ある場合に、「〇」を記入しています
スクロールできます
→横にスライド可能
モルテン ジェル

アミノサウルス ジェル

Mag-on
Medalist
Madalist
アミノバイタルジェル
アミノバイタル アミノショット
ウィンゾーン
WINZONE エナジージェル
アミノバイタルゼリー
アミノバイタル ゼリードリンク
すぽーつようかん
スポーツようかん
エネモチ
Enemoti
種類ジェルジェルジェルジェルジェルジェルゼリー固形固形
カロリー100kcal約120kcal120kcal106kcal109kcal115kcal100kcal約120kcal156kcal
カフェイン100mg75mg25mg50mg50mg
重さ(携帯性)40g45g41g45g45g40g100g40g40g
価格
円/kcal
10.03.21.82.41.72.42.00.81.4
説明説明説明説明説明説明説明説明説明説明
購入サイト Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo Amazon 楽天 Yahoo
おすすめ補給食一覧

フルマラソンにおける補給の重要性

 2時間を超えて運動を継続しなければならないフルマラソンでは、レース中の補給が必須です。以下では、補給の重要性と走力別に補給食を選ぶポイントを説明します。

フルマラソンで補給食が必要な理由

 フルマラソンでは2時間を超えて運動を継続しなければならないため、レース前に身体に溜まっていた糖質をほとんど使い切ってしまうことになります。

 人の体には筋肉に約1500kcal、肝臓に約500kcalの糖質を蓄えることができますが、フルマラソンでは、2000kcal以上のエネルギーを消費します。

 体に蓄えてある糖質が少なくなってくると、筋肉の収縮がスムーズにできなくなります。フルマラソンで「30kmの壁」と呼ばれている現象は、糖質が少なくなることで筋肉が動かせなくなる現象です。

 走りながら糖質を補給することで、身体から糖質が少なくなることを防ぎ、レース終盤までスピードを維持することが、フルマラソンにおける補給の目的です。

走力別(サブ3・サブ4・サブ5)補給食選びのポイント

 走力が異なっても、補給食の種類は基本的に変える必要はありません。レース中の補給はすぐに使える糖質を補給することが目的であり、走力が異なっても、目的は同じだからです。

 遅いペースで走る方は、比較的吸収に時間がかかる固形物でも、補給として使えることになります。速いペースの人が消化吸収に時間がかかる補給食を使っても、走っている途中にエネルギーとして使えないからです。

 さらに詳細を述べると、ジェルによっても含まれている糖質の種類が異なるので、消化吸収にかかる時間が異なります。

 

図 糖質の種類による吸収速度の違い

 これらを踏まえ、自分のペースに合った補給食を選択していく必要があります。

自分に合った補給食を見つけることの重要性

 補給食は、味や甘さ、密度が異なります。消化吸収能力に個人差があるため、全ての補給食が同じように効果的であるとは言えません。

 また、上で述べた通り、補給食によって含まれる糖質が異なるため、自分が消化吸収が得意な糖質かどうかも個人によって異なります。

 広く普及していて多くのランナーから支持されている補給食であっても、「自分には合わなかった、おなかを下してしまった」こともあります。

 フルマラソンレース当日に使う補給食は、できれば事前に練習で試してみることをおすすめします。

 補給食が自分に合っているかどうかを判断するポイントは次の通りです。

自分に補給食が合っているかどうか
  • 走りながらでも、包装を開けて、飲むことができるか
  • 走りながらでも飲みこめるか
  • おなかは下さないか

 これらのポイントを事前に練習で確認しておきましょう。

補給のタイミングと一度の補給で飲む量

 フルマラソンのレース中に行う補給はタイミングと一度で飲む量が重要です。ポイントをまとめると次の通りです。

補給のタイミングと量
  • レース序盤からこまめに補給を行う
  • 一度で飲む量はジェル1袋が目安 一気に飲み切るのではなく2,3回に分けて飲む

なぜタイミングと量が重要か

 ジェルやゼリーなどの補給食は、ほとんどが、消化吸収までに数分~1時間程度となります。

 固形物になると、消化吸収までに2時間以上かかることもあります。

 フルマラソンでの補給は、レースで走るのに使う糖質を補給することが目的ですので、レース中にエネルギーとなって利用できる必要があります。

 「疲れてきてから補給」では遅いことが多く、レース序盤から補給を行っていく必要があります。

 また、一度にたくさんのジェルやゼリーを飲みすぎると、消化しきれず、消化不良に陥りおなかを下す可能性もあります。

 レース序盤からこまめに補給するようにしましょう。

具体的なタイミングの目安

 フルマラソンレース中、10km毎に補給を行うと分かりやすいでしょう。

 10kmだと、およそ30分~1時間毎に補給を行うことになるため、飲んだ補給食が吸収される時間を確保することができます。

 消化不良にならない程度で、定期的に補給するようにします。

補給食の種類

 補給食の種類は大きく分けて、ジェル・ゼリー・固形物の三種類です。

 それぞれの特徴は次の通りです。

項目ジェルゼリー固形物
携帯性
消化吸収速度
消化吸収のしやすさ普通簡単
エネルギー密度
補給食の特徴

ジェル

 ジェルは重さ当たりのカロリー密度が高く、最も携帯性に優れた補給食です。

 基本的に、スペシャルドリンクを準備できない市民ランナーの補給食はジェルになると思います。

 注意点としては、食べやすいからといって、一回の補給でたくさんのジェルを摂りすぎると、消化しきれず消化不良になってしまう点です。

ゼリー

アミノバイタルゼリー

 ゼリーは、重さ当たりのエネルギー密度が低く、携帯性は悪いです。

 しかし、液体状であるため、レースの苦しい場面でも飲みやすい、という点は優れています。

固形物

 固形物は、重さ当たりのエネルギー密度は優れていますが、ジェルやゼリーに比べ、消化吸収に時間がかかる糖質が含まれています。

 サブ4よりもゆっくりのペースで走るランナー向けの補給食として、また、レース前の補給食として優れています。

カフェイン入り補給食

 カフェインは、適切なタイミングで適切な量を摂取すると、運動パフォーマンスが向上することが知られています。

 運動パフォーマンスを向上させるためには、【体重 × 3 ~ 6】mgのカフェインを摂取することが推奨されています。

 カフェインは摂取してから30分~1時間後程度に血中カフェイン濃度が最大になるため、レース前に必要量摂取し、レース中は補給程度に捉えることが推奨です。

 飲み物だけでカフェインを摂取しようとすると、トイレに行きたくなるため、ジェルで効率的にカフェインを摂取することで、効率的にカフェインを摂ることが可能です。

フルマラソンおすすめ補給食9選

 私自身がおすすめする、具体的な補給食の9選です。

モルテンジェル(MOULTEN)

 モルテンジェルは、多くのエリートランナーが使っている「モルテンドリンク」をジェルタイプにした商品です。

 市民ランナーは自分専用のスペシャルドリンクが準備できないためです。

 モルテンの商品は、単糖類であるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)を最適な比率で配合し、高い吸収速度と効率を実現しています。

 味は、無味で甘いようかんのようなイメージです。私はとても食べやすいと感じました。

 カフェイン入りと、カフェインが入っていないタイプの2種類があります。

アミノサウルスジェル

 アミノサウルスジャパンが発売している、アミノサウルスジェルです。

 アミノサウルスジェルは、BCAAを効果的に含むサプリメント「アミノサウルス」のノウハウが生かされたジェルタイプの製品です。

 こちらも、カフェイン入りとカフェイン無しのタイプが発売されています。

 レモン味を使いましたが濃厚な甘いレモンという感じで、味的にはかなり飲みやすいです。

 ただ包装が平たいため、全て飲み切るには容器から絞り出す必要がありますが、苦しい中だと、結構手間取るかもしれません。

AMINO\アミノサウルス\SAURUS

Mag-on(マグオン)

 Mag-onは、本記事で紹介するジェルの中でもエネルギー密度が高い製品です。41gで120kcalあります。

 多くのフレーバーが発売されており、自分に適した味を選択することができます。

 私自身はMag-onグレープフルーツ味を使いましたが、アミノサウルスジェルのレモン味と、味はかなり似ています。

マグオンの最大の特徴は、水溶性マグネシウムを含有している点です。マグネシウムは筋肉の動作などに関わる重要なミネラル成分です。

 さっと飲みやすいですが、ほかのジェルよりも濃い感じがするので、ジェルとともに水分も取りたいと頃です。

 カフェイン入りも発売されていますが、カフェイン含有量は25mgとなっており、カフェインの効果を得るには不足しています。

 エネルギー密度が高いため、一気にとりすぎると消化不良になる可能性がありますので、取り方には注意が必要です。

Medalist(メダリスト)

 メダリストの特徴は、含有している糖質が天然系成分である点(果糖とはちみつ)です。

 甘さがとても自然で、かなり飲みやすいジェルです。ほかのジェルと異なり半固形状である点も良く、こぼれにくいという利点があります。

 ただ、果糖は、吸収された後に一旦肝臓へ送られてから、ブドウ糖に変化し、筋肉に送られる、といった経路をたどります。

 摂った糖質が直接筋肉に使われるわけではないため、飲んでから筋肉で使われるためには、多少時間がかかる可能性があります。

 レース序盤などで摂ることがおすすめとなります。カフェイン入りタイプのカフェイン含有量は50mgです。

 機能は置いといて、飲みやすさ重視であればかなりおすすめです。

アミノバイタル アミノショット パーフェクトエネルギー

 アミノバイタル アミノショットは、味の素から発売されているエネルギージェルです。

 アミノ酸としてアラニン・プロリンを含むことが特徴です。

 アラニン・プロリンは、糖質と共に摂取することで、グリコーゲン合成速度を促進することで知られています。

 糖質として含まれている主な物質が「水あめ」であるため、消化吸収までの時間が他のジェルに比べ時間がかかることが予想されます。

 レース前、もしくはレース序盤で使うことがおすすめです。

 味は、少し人工的な甘さを感じるため、他の補給用ジェルと比べると、味は劣るかな、という印象です。

WINZONE エナジージェル

 日本新薬の商品です。

 マグネシウムとクエン酸を含むジェルです。Mag-onではマグネシウム、Medalistではクエン酸が主な特徴だったため、そのどちらの要素も含んだようなジェルとなります。

 含まれている糖質がマルトデキストリンと果糖です。マルトデキストリンは、単糖類から多糖類までをランダムに含む糖質であるため、消化吸収までの時間が多くかかる可能性があります。

 まずは練習で使ってみることをおすすめします。

アミノバイタル ゼリードリンク パーフェクトエネルギー

アミノバイタルゼリー

 アミノバイタルのゼリータイプです。

 重さと大きさがあるため、携帯性が悪いです。私自身、2XUのランコンプショーツでポケットに収納してみましたが、入るかどうかかなりギリギリです。

 マルチポケットショーツ等でレースに出場する場合は、簡単に携帯できると思います。

 こちらも、糖質として含まれているのが砂糖であるため、レース序盤や、遅いペースで走る方におすすめの商品です。

スポーツようかん

すぽーつようかん

 井村屋が発売しているスポーツようかんです。

 純粋に「美味しい」です。

 スポーツようかんは、あえて九州に時間がかかる糖質を含むことで、長時間の運動に適した商品となっています。

 しかし、補給食としては、レース中食べにくさを感じたり、包装の開けにくさを感じる可能性があるため、フルマラソンで使用する場合は、走るペースが遅いランナーか、レース前の補給食におすすめの製品です。

Enemoti(えねもち)

 エネモチは、セロトーレ株式会社が発売している補給食です。

 スポーツようかんと同様に吸収に時間がかかるパラチノースを含有しています。レース中に使う糖質を補給するため、というよりも、レース前に摂っておく、という使い方が適しています。

 レース中に食べるのはかなり難しいと感じます。口の中に水分が少ないと、噛んで飲み込むことが難しいからです。

 こちらも味がとても良く、美味しいです。補給食と言われなければ、間違いなくお菓子と間違えてしまうほどです。

らんしゅー
くるみ餅をおいしいと感じる人向けです!

補給食を携帯する方法

 補給食を携帯する方法は、ランニングパンツに収納するか、ポーチなどに収納して身に付けるかのどちらかになります。

 レースであれば、できればポーチは邪魔なので、ランニングパンツに収納できるのがベストです。

 私自身が使っているのは、2XUのランニングタイツと、アシックスのマルチポケットショーツです。ポケットの数も多く、何かを携帯するにはおすすめです。

 

 以上、フルマラソンの補給食選びの参考になれば幸いです。

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