【モルテンジェル(CAF100) レビュー】レースでの飲み方を徹底解説

モルテンジェル
こんな疑問を解消
  • モルテンジェルの味、飲みやすさが知りたい
  • モルテンジェルカフェイン入りの効果は?
  • モルテンジェルの効果的な飲み方が知りたい

 世界中のエリートランナーが使用していることで有名なモルテンドリンクのジェルタイプであるモルテンジェル100(MAURTEN GEL 100)の紹介です。

 同時にカフェイン入りのモルテンジェル(MAURTEN GEL CAF 100)も使用しました。

 ここでは、モルテンジェルの味や飲みやすさ、摂取した時に自分自身が体感した効果を紹介します。

 また、モルテンジェルの効果的な飲み方について徹底解説します。

モルテンジェルについて
  • 1袋で100kcalを素早く摂取できるエネルギージェル
  • 100mgのカフェインが入ったタイプもある
  • 糖質としてブドウ糖と果糖を適切な比率で配合し、高い吸収効率を実現
  • 弾力のあるゼリー 砂糖を直接舐めるよりは甘さ控えめ
  • 癖が無く食べやすい
  • カフェイン入りもほとんど味に差はない
著者:らんしゅー
日比野就一

社会人からランニングを始めました。
理論に基づいたトレーニングで、
どこまで記録を伸ばすことができるか挑戦。
競技志向で取り組んでいます。
自己紹介・記録変遷はこちら

血中乳酸濃度や血糖値も測定。
マラソンへ科学的にアプローチします。

★自己ベスト
 1500m 4:25(2022/08)
 5000m 16:01(2022/09)
 10000m 33:44(2021/12)
 ハーフ 1:12:29(2022/03)
 フル 2:43:55(2024/11)

著者:らんしゅー
日比野就一

  社会人からランニングを始めました。
  理論に基づいたトレーニングで、
  どこまで記録を伸ばすことができるか挑戦。
  競技志向で取り組んでいます。
   自己紹介・記録変遷はこちら

  血中乳酸濃度や血糖値も測定。
  マラソンへ科学的にアプローチします。

  ★自己ベスト
   1500m 4:25(2022/08)
   5000m 16:01(2022/09)
   10000m 33:44(2021/12)
   ハーフ 1:12:29(2022/03)
   フル 2:43:55(2024/11)

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目次

モルテンジェルの概要と成分

 モルテンジェルについて、概要や成分を紹介します

モルテンジェルの概要

 モルテンジェル100は、1袋で100kcalの補給が可能なエネルギージェルです。

 エリートランナーであれば、マラソンレースにおいてスペシャルドリンクによる水分・エネルギー補給が可能ですが、市民ランナーが一般のレースに出る場合はスペシャルドリンクの準備ができません。

 ジェルは小型・高密度であるため、携帯しながらレース中に補給する、といった使い方ができます。したがって、モルテンジェルはレース中にドリンクを使った補給ができないランナー向けの補給食です。

 なるためです。また、モルテンの特徴は、特殊な技術によってスムーズなエネルギー補給が可能であると言われています。

 モルテンジェルにはノーマルとカフェイン入りの2種類あります。カフェインにはパフォーマンス向上や脂肪燃焼促進の効果があると言われています。

含有成分・カロリー

モルテンジェルの含有成分とカロリーを紹介します。

スクロールできます
項目モルテンジェル100モルテンジェル160モルテンジェル100
(カフェイン100mg入り)
製品名Gel 100Gel 160Gel 100 Caf 100
原材料
グルコース
フルクトース
炭酸カルシウム
グルコン酸
アルギン酸ナトリウム

グルコース
フルクトース
炭酸カルシウム
グルコン酸
アルギン酸ナトリウム

グルコース
フルクトース
炭酸カルシウム
カフェイン
グルコン酸
アルギン酸ナトリウム
値段920円1200円990円
栄養成分炭水化物:25g
食塩相当量:50mg
炭水化物:40g
食塩相当量:80mg
炭水化物:25g
食塩相当量:55mg
カフェイン:100mg
重さ40g65g40g
カロリー100kcal160kcal100kcal

 ジェルの通常タイプは、100kcalと160kcalの2種類、カフェイン配合タイプは100kcalの1種類があります。

モルテンジェルの優位点と効果

 モルテンジェルが他の補給食と異なる点や期待される効果を紹介します。

ブドウ糖と果糖を適切な比率で配合:高い吸収効率を実現

 モルテンの最大特徴は、ブドウ糖と果糖(フルクトース)を適切な比率で配合することによって、糖質の吸収速度を100g/時間まで引き上げている点です。このようなものを「デュアルソース」と言います。

 糖質としてブドウ糖や果糖のみを含むものを「シングルソース」と言います。シングルソースの場合、糖質の吸収速度は60g/時間と言われています。

 これは、糖質の種類によって吸収に関わる物質が異なるためです。また、モルテンの特徴は、特殊な技術によってスムーズなエネルギー補給が可能であると言われています。

100mgのカフェインを配合:補給としてはジェル1袋でも十分なカフェイン量

 カフェイン入りタイプは100mgのカフェインを配合しています。

 カフェインは、運動パフォーマンス向上効果が認められているエルゴジェニックエイドです。マラソン前にある程度のカフェインを摂取しておき、マラソンレース中はジェルで補給する、といった使い方ができます。

 カフェインの適切な摂り方などは、次の記事で紹介しています。

 カフェインは「体重 × 3~6 【mg】」(例:体重60kgであれば180mg)を摂取すると運動パフォーマンスに良い影響があるといわれています。

 レース前に摂取したカフェインの効果が切れてくる後半、モルテンジェルでカフェインを補給することで、カフェインの効果を持続させることができると考えられます。

モルテンジェルを使用すべき場面

 長距離種目において、エネルギー補給戦略は非常に重要です。特にフルマラソンでは、レース途中で体に貯蔵していたグリコーゲンが枯渇に近づくため、糖質を効率よく補給することが必要です。

 ただし、レース中に補給が必要なのはフルマラソンのみであると言われています。

 体にため込むことができる糖質量(グリコーゲン)がおよそ2000kcalに対し、ハーフマラソンでも1500kcal程度しか消費しません。

 レース前に十分な栄養摂取ができていればレース中に糖質枯渇が発生することが無いためです。

モルテンジェル 距離毎の使用目的
  • フルマラソン:レース前の糖質貯蔵、レース中の糖質補給として使用する
  • ハーフマラソン以下:レース前の糖質貯蔵

という使い方がよさそうです。

レースでの飲み方

 モルテンジェルの適切な飲み方について解説します。

フルマラソンでの飲み方

 フルマラソンでジェルを使う場合の、最も高頻度でジェルを使用する例を紹介します。

フルマラソンでの飲み方例
  • フルマラソン8km地点・・・モルテンジェル100 1袋
  • フルマラソン16km地点・・・モルテンジェル100 1袋
  • フルマラソン24km地点・・・モルテンジェル100(カフェイン有り) 1袋
  • フルマラソン32km地点・・・モルテンジェル100 1袋

 糖質の吸収速度は、最も高い効率で吸収された場合で100g/時間です。ただ、レース中は消化能力が低下することや、ジェルの補給と水分補給を同時に行うことができないため、最高効率で吸収することはできません。

 1袋/30~40分程度を目安に摂っていくといいと考えています。給水ポイントと合わせて摂取することで、可能な限り吸収効率を高める工夫をします。

 カフェイン入りを使用するのは、レース前とレース中盤です。カフェインを摂取してから血中のカフェインがピークに達するのが、摂取後30分~60分後です。

 レース序盤からレース終盤まで、高いカフェイン血中濃度を維持するために、摂取タイミングを工夫しましょう。

ハーフマラソン以下の距離での飲み方

 ハーフマラソン以下の距離の場合は、レース直前にジェルを摂取することはフルマラソンと同様です。

 ただ、ハーフマラソン以下のレースでは、レース中にジェルなどの補給食は使いません。レース前に摂取した糖質で走り切ることができます。

レース直前の補給

 糖質補給戦略的には、レース直前に補給食を使うことも有効です。摂取してからレースが開始される頃にちょうど糖質の吸収が始まるためです。

 ジェルであれば、トイレに行きたくなる心配も少ないため、レース直前に摂取しても問題ないと考えています。ただし、レース前にジェルを摂取する場合には、レーススタートの0~30分前に摂るようにします。

 理由としては、摂取してから血糖値の上昇が始まるのが30分後からと言われており、レース前適切なタイミングで摂取しておかないと、レーススタート直後にインスリンショックによる低血糖が発生してしまう可能性があるためです。

 血糖値の変動は個人差があることやレース時のホルモンバランスにも影響を受けるため、一概には言えません。トレーニングや練習の一環で出場するレースで摂取タイミングを試してみることをおすすめします。

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ジェルを摂取する際の注意点

 モルテンジェルを摂取する前に、気を付けておきたい点を記載します。

一度に摂りすぎない:お腹を下す可能性がある

 ジェル全般に言えることですが、レース中「一気に」摂るとお腹を下す可能性があります。

 お腹を下す要因としては、高濃度のジェルを摂取することで消化器官において浸透圧差が発生し、多くの水分を消化器官内に引き込んでしまうことだと言われています。

 モルテンジェルは相当高濃度・高密度のジェルです。濃度が高いほどお腹を下す可能性は上がります。

 ジェルは細かく飲むことや、水分を一緒に摂ることで、おなかを下す可能性を減らすことができます。

練習で試しておく:包装の開け方、お腹への影響

 ジェルを摂ることを、練習で試しておくことをおすすめします。

 モルテンジェルは、ほかのジェルと比較して固形に近いため、押し出したらすぐにこぼれる、といった感じはありません。

 自分自身の体に合っているかどうかの確認も含めて、一度、練習で使ってみることをおすすめします。

 ランナー界隈では、モルテンジェルを摂取するとおなかを下してしまうといったコメントも散見されるため、自分自身の体に合っているかどうかは事前に試しておくべきだと考えています。

飲みやすさのレビュー

 私自身、ハーフマラソンレースにおいて使用してみました。レース前にGELを2袋摂取することにしました。

 私自身のルーティーンとして、レース1.5時間前までに高糖質エネルギー補給とレッドブル330mlを飲んでおくことにしています。

 今回はエネルギー補給としてモルテンジェル100及びモルテンジェルカフェイン入り100を合計2袋取りました。

 見た目と食べた感じは少しだけ弾力のあるゼリー。味は、砂糖を直接食べるよりは甘さ控えめな感じでした。レース中に食べれべばとてもおいしく感じそうです。

 エネルギー補給を終え、いよいよレースに出場。レースの詳細な結果は次の記事で紹介していますが、レース後半まで何とか粘り切ることができました。

 これまでのハーフマラソンレースでは、ほとんどの場合後半失速していましたが、今回は若干のタイムロスで走りきることができました。

 ジェルによる事前のエネルギー補給によってもしかしたら後半まで足が持ったのかもしれません。

値段は高いがそれなりの価値がある

 モルテンジェルは1袋で900円以上と、高額です。広告にかける経費等が高いことや、海外から仕入れていることが要因として挙げられます。

 肝心の効果についても、世の中他にもエネルギージェルは多くある中で、モルテンジェルがそこまで高性能なのか?という問題もあります。

 ここについては、トレーニングで行うロングラン等で試してみて、どのジェルが体に合っているか・効果が実感できるかを試してみてもいいかもしれません。

 ただ一つ言えるのは、モルテンの商品はエリートランナーがこぞって使用するほど実績があるということです。モルテンを使っておけばまず間違いないだろう、とは言えそうです。

モルテンジェルに替わる補給用ジェル

 モルテンに替わるおすすめ補給用ジェルを紹介します。

ACTIVIKE(アクティバイク) スピードジェル

 ACTIVIKEのスピードジェルです。

SPEED GEL

 糖質としてブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)を2:1で含むジェルで、糖質の吸収速度は90g/時間と言われています。

 コストパフォーマンスが高く、モルテンジェルの1/5程度の価格で購入することができます。

 飲みやすさもあり、コストパフォーマンスが高いことから練習で試しやすい点も良いと考えています。

carbデュアルソースエナジージェル

 carbデュアルソースエナジージェルです。

carbアイキャッチ画像

 こちらも糖質としてマルトデキストリンと果糖(フルクトース)を2:1含む、デュアルソースエナジージェルです。スピードジェルと同様、コストパフォーマンスが非常に高いです。

 甘すぎず、苦しい場面でもスムーズに補給できます。私自身もマラソンレースで使用した際には、とても助かりました。

モルテンジェル以外の補給食

 モルテンジェルは、あくまでレース用補給食のうちの一つです。市販では、他にも様々な補給食が売られています。

 本ブログでは、モルテン以外の補給食も紹介していますので、ご参照ください。

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。

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