※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。
【モルテンジェル カフェイン 100 レビュー】 市販最高峰のエネルギージェル
- モルテンジェルってなに?
- モルテンジェルの味、飲みやすさが知りたい
- モルテンジェルカフェイン入りの効果は?
世界中のエリートランナーが使用していることで有名なモルテンドリンクのジェルタイプであるモルテンジェル100(MAURTEN GEL 100)の紹介です。
同時にカフェイン入りのモルテンジェル(MAURTEN GEL CAF 100)も使用しました。
私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程走り競技志向でランニングに取り組んでいます。
ハーフマラソンでの自己ベストが1時間12分29秒の実力です。
ここでは、モルテンジェルの味や飲みやすさ、摂取した時に自分自身が体感した効果を紹介します。
- 1袋で100kcalを素早く摂取できるエネルギージェル
- 100mgのカフェインが入ったタイプもある
- 糖質としてブドウ糖と果糖を適切な比率で配合し、高い吸収効率を実現
- 弾力のあるゼリー 砂糖を直接舐めるよりは甘さ控えめ
- 癖が無く食べやすい
- カフェイン入りもほとんど味に差はない
モルテンジェルの概要と成分
モルテンジェルについて、概要や成分を紹介します
モルテンジェルの概要
モルテンジェル100は、1袋で100kcalの補給が可能なエネルギージェルです。
エリートランナーであれば、マラソンレースにおいてスペシャルドリンクによる水分・エネルギー補給が可能ですが、市民ランナーが一般のレースに出る場合はスペシャルドリンクの準備ができません。
ジェルは小型・高密度であるため、携帯しながらレース中に補給する、といった使い方ができます。したがって、モルテンジェルはレース中にドリンクを使った補給ができないランナー向けの補給食です。
モルテンの最大特徴は、ブドウ糖と果糖(フルクトース)を適切な比率で配合することによって、糖質の吸収速度を100g/時間まで引き上げている点です。このようなものを「デュアルソース」と言います。
糖質としてブドウ糖や果糖のみを含むものを「シングルソース」と言います。シングルソースの場合、糖質の吸収速度は60g/時間と言われています。
これは、糖質の種類によって吸収に関わる物質が異なるためです。また、モルテンの特徴は、特殊な技術によってスムーズなエネルギー補給が可能であると言われています。
モルテンジェルにはノーマルとカフェイン入りの2種類あります。カフェインにはパフォーマンス向上や脂肪燃焼促進の効果があると言われています。
含有成分・カロリー
モルテンジェル(CAF100)の含有成分とカロリーを紹介します。
- 水、グルコース、フルクトース、炭酸カルシウム、カフェイン、グルコン酸、アルギン酸ナトリウム
- エネルギー 100kcal/40g、タンパク質 0g、脂質 0g、炭水化物 25g、食塩相当量 0.2159g
1袋で100mgのカフェインを補給できるジェル製品は、モルテンジェル以外だとアミノサウルスジェルエリート03(カフェイン120mg配合)です。
モルテンジェルの優位点と効果
モルテンジェルが他の補給食と異なる点や期待される効果を紹介します。
ブドウ糖と果糖を適切な比率で配合:高い吸収効率を実現
モルテンの最大特徴は、ブドウ糖と果糖(フルクトース)を適切な比率で配合することによって、糖質の吸収速度を100g/時間まで引き上げている点です。このようなものを「デュアルソース」と言います。
糖質としてブドウ糖や果糖のみを含むものを「シングルソース」と言います。シングルソースの場合、糖質の吸収速度は60g/時間と言われています。
これは、糖質の種類によって吸収に関わる物質が異なるためです。また、モルテンの特徴は、特殊な技術によってスムーズなエネルギー補給が可能であると言われています。
100mgのカフェインを配合:補給としてはジェル1袋でも十分なカフェイン量
カフェイン入りタイプは100mgのカフェインを配合しています。私が確認したところでは、ほかメーカーと比較してジェル1袋としては含有量が多い部類です。
カフェインは、運動パフォーマンス向上効果が認められているエルゴジェニックエイドです。マラソン前にある程度のカフェインを摂取しておき、マラソンレース中はジェルで補給する、といった使い方ができます。
カフェインの適切な摂り方などは、次の記事で紹介しています。
カフェインは「体重 × 3~6 【mg】」(例:体重60kgであれば180mg)を摂取すると運動パフォーマンスに良い影響があるといわれています。
レース前に摂取したカフェインの効果が切れてくる後半、モルテンジェルでカフェインを補給することで、カフェインの効果を持続させることができると考えられます。
飲みやすさのレビュー
私自身、ハーフマラソンレースにおいて使用してみました。
モルテンの推奨通り、レース1時間前までにGELを2袋摂取することにしました。
私自身のルーティーンとして、レース1.5時間前までに高糖質エネルギー補給とレッドブル330mlを飲んでおくことにしています。
今回はエネルギー補給としてモルテンジェル100及びモルテンジェルカフェイン入り100を合計2袋取りました。
見た目と食べた感じは少しだけ弾力のあるゼリー。味は、砂糖を直接食べるよりは甘さ控えめな感じでした。レース中に食べれべばとてもおいしく感じそうです。
エネルギー補給を終え、いよいよレースに出場。レースの詳細な結果は次の記事で紹介していますが、レース後半まで何とか粘り切ることができました。
これまでのハーフマラソンレースでは、ほとんどの場合後半失速していましたが、今回は若干のタイムロスで走りきることができました。
ジェルによる事前のエネルギー補給によってもしかしたら後半まで足が持ったのかもしれません。
どのような時に使用すべきなのか
長距離種目において、エネルギー補給戦略は非常に重要です。特にフルマラソンでは、レース途中で体に貯蔵していたグリコーゲンが枯渇に近づくため、糖質を効率よく補給することが必要です。
ただし、レース中に補給が必要なのはフルマラソンのみであると言われています。
体にため込むことができる糖質量(グリコーゲン)がおよそ2000kcalに対し、ハーフマラソンでも1500kcal程度しか消費しません。
レース前に十分な栄養摂取ができていればレース中に糖質枯渇が発生することが無いためです。
※その人個人、体重等によって消費エネルギーには違いがあります。
モルテンの説明でも、ハーフマラソンまではレース前までに補給することが推奨されています(図1参照)。
- フルマラソン:レース前の糖質貯蔵、レース中の糖質補給として使用する
- ハーフマラソン以下:レース前の糖質貯蔵
という使い方がよさそうです。
一例として、私自身のモルテンをどうやって使用しているかを紹介します。
私はジェルではなくドリンクの方を使用してきました。
私は普段、1500m~フルマラソンまでの種目に満遍なく取り組んでいます。
ロードレースであればたいてい午前中にレース開始であるため、朝ごはんを食べてからは基本的に何も食べなくても、十分なエネルギーが確保できます。
しかし、トラックレースとなると話は変わってきます。
トラックレースは、そのレースによって開始時刻がまちまちであり、14時開始等の中途半端な時間にレースが開始することもあります。その時に困るのが、レース前の食事です。
昼ごはんを食べてしまうと、消化しきれずに体が重たく感じてしまいそう。そんな時に活躍するのがモルテンです。
モルテンは重量に対してのエネルギー密度が非常に高いです。さらに特殊な技術によってスムーズにエネルギーに変換されるので、レースのためのエネルギー補給としては確実に消化しきれます。
食事の代わりにモルテンでエネルギー補給をしてレースに臨むと、体は軽いがエネルギーは補給されている状態を作り出すことができるため、個人的に重宝しています。
フルマラソンにおけるモルテンジェルの飲み方
モルテンジェルの含有成分から、フルマラソン補給食としての飲み方を提案します。
- フルマラソン10km地点・・・モルテンジェル(カフェイン無し) 1袋
- フルマラソン20km地点・・・モルテンジェル(カフェイン有り) 1袋
- フルマラソン30km地点・・・モルテンジェル(カフェイン無し) 1袋
上記の理由を説明していきます。
糖質の吸収効率が非常に高い:レース序盤から終盤までいつでも使える
モルテンジェルに含まれる糖質は、ブドウ糖と果糖を適切な効率で配合し、高い吸収効率を実現しています。
フルマラソンレースにおいて、補給用ジェルを使う目的は「筋グリコーゲンを節約すること」、「血糖値を上げること」の2点です。
筋グリコーゲンが減少することで運動パフォーマンスが低下します。ジェルで補給した糖質を使うことで、筋グリコーゲンの減少を少しでも減らすことが可能になります。
したがって、補給用ジェルは苦しくなってからとるのではなく、序盤から積極的に摂取していくのが望ましいです。
糖質の吸収速度は60g/時間と言われていますので、25gの糖質を取る場合は少なくとも約30分の間隔は開けていかないと、吸収が間に合わないことになります。
さらに、この吸収速度は理想的な濃度で摂取した時の速度になります。液体として約10%濃度以上になると吸収速度が落ちてしまうことが分かっており、ジェルを補給するときに水分を同時に摂取していなければ、吸収速度は落ちるでしょう。
カフェイン含有量が多いため、レースの中盤で補給する
1袋当たりのカフェイン含有量が100mgと、ジェルタイプの補給食としてはとても多いので、レース中盤で摂取すれば、レース終盤まで、カフェインの効果を持続させることができると考えられます。
ジェルを摂取する際の注意点
モルテンジェルを摂取する前に、気を付けておきたい点を記載します。
一度に摂りすぎない:お腹を下す可能性がある
ジェル全般に言えることですが、レース中「一気に」摂るとお腹を下す可能性があります。
お腹を下す要因としては、高濃度のジェルを摂取することで消化器官において浸透圧差が発生し、多くの水分を消化器官内に引き込んでしまうことだと言われています。
モルテンジェルは相当高濃度・高密度のジェルです。濃度が高いほどお腹を下す可能性は上がります。
ジェルは細かく飲むことや、水分を一緒に摂ることで、おなかを下す可能性を減らすことができます。
練習で試しておく:包装の開け方、お腹への影響
ジェルを摂ることを、練習で試しておくことをおすすめします。
モルテンジェルは、ほかのジェルと比較して固形に近いため、押し出したらすぐにこぼれる、といった感じはありません。
自分自身の体に合っているかどうかの確認も含めて、一度、練習で使ってみることをおすすめします。
ランナー界隈では、モルテンジェルを摂取するとおなかを下してしまうといったコメントも散見されるため、自分自身の体に合っているかどうかは事前に試しておくべきだと考えています。
値段は高いがそれなりの価値がある
効果が高いのは分かるけど、ジェル1つで1000円は高すぎる・・・という声も聞こえてきそうです。モルテンジェルが光学なのは、広告にかける経費等が高いことや、海外から仕入れていることが要因として挙げられます。
レースに出場するだけでも費用が掛かるのに、補給にもこんなにお金はかけられない!とも言えます。
肝心の効果についても、世の中他にもエネルギージェルは沢山ある中で、モルテンジェルがそこまで高性能なのか?という問題もあります。
ここについては、例えばトレーニングで行うロングラン等で試してみて、どのジェルが体に合っているか・効果が実感できるかを試してみてもいいかもしれません。
ただ一つ言えるのは、モルテンの商品はエリートランナーがこぞって使用するほど実績があるということです。モルテンを使っておけばまず間違いないだろう、とは言えそうですよね。
モルテンジェルに替わるデュアルソースエナジージェル
最近、モルテンに替わるデュアルソースエナジージェルが発売されました。
carbデュアルソースエナジージェルです。
糖質としてマルトデキストリンと果糖(フルクトース)を含むデュアルソースエナジージェルで、糖質の吸収速度は90g/時間と言われています。
なによりコストパフォーマンスが非常に高く、モルテンジェルの1/5程度の価格で購入することができます。
飲みやすさもあり、コストパフォーマンスが高いことから練習で試しやすい点も良いと考えています。
モルテンジェル以外の補給食
モルテンジェルは、あくまでレース用補給食のうちの一つです。市販では、他にも様々な補給食が売られています。
本ブログでは、モルテン以外の補給食も紹介していますので、ご参照ください。
いかがでしたでしょうか。もし、大本命としているレースが控えていて、ここだけは絶対に記録を出したい!という思いがあるのであれば、一度試してみてはいかがでしょうか。
・MAURTENドリンクミックスのアンバサダーリポート一覧:https://spolete.jp/reports/archive/ambassador_maurten_drinkmix/
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