【竹ノ内佳樹選手(サブ10達成者)】公開されている練習を理論的に考察します

 こんにちは、管理人のsyu_hibiです。

 今回は有名マラソンランナー選手の練習考察第二弾!

 福岡国際マラソンで好記録を残した、NTT西日本所属の竹ノ内佳樹選手がnoteで公開している練習方法を、「ダニエルズのランニングフォーミュラ」「リディアードのランニングトレーニング」に基づき考察していきたいと思います。

 市民ランナーがさらにレベルアップする上でも参考になると思いましたので、是非ご覧ください。

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1.竹ノ内佳樹選手とは

 日本大学出身、現NTT西日本所属。先日2020年の福岡国際マラソンにて2時間09分31秒で初サブ10を達成し、自己ベストを更新しました。

 2015年に社会人となり、以降、好記録を継続的に出すことができており、素晴らしい成績を残されています。

これまで、6本フルマラソンを走ってきた。
2017年びわ湖 2時間13分33 
2017年福岡国際 2時間10分01 7位 
2018年びわ湖 2時間20分29
2019年MGC 2時間12分31 6位
2019年ニューヨークシティ 2時間11分18 8位
2020年福岡国際 2時間9分31 6位

竹ノ内佳樹選手 note抜粋

 竹ノ内佳樹選手は、note(ノート)にて、自身の練習方針の一部実業団選手の一日を公開されています。市民ランナーにとっては、トップ選手がどのような生活を送っていて、どのようなトレーニングをしているのか気になるところなので、とてもありがたいですよね!

そんな竹ノ内選手の自己ベストはこちら

種目記録記録年VDOT
5000m13分56秒46201575.8
10000m28分36秒44201877.0
ハーフマラソン1時間03分08秒201976.8
フルマラソン2時間09分31秒202078.7

 フルマラソンの記録が抜き出ています。5000mの記録が5年前から更新されていませんが、それだけフルマラソンに特化した練習をしてきている、ということでしょうか。

 やはり注目すべきはフルマラソンのVDOTが突出しているところ。フルマラソンに向けた練習に特化することで、フルマラソンのベストを更新できたのだろうと思われます。

 そんな竹ノ内選手が行っている、フルマラソン向けの練習を見ていきましょう。

2.竹ノ内選手のフルマラソンに向けたトレーニング

 竹ノ内選手はnoteにてこのように綴っています。

私の練習は清水監督が立案しており、監督は常々「俺の練習は地味だけど、きつい」と言っている。そんな監督のマラソン練習は、セット練習をベースに考えられている。セット練習とは、インターバルと距離走を2日連続、または中1日で実施するトレーニング方法である。

竹ノ内佳樹選手 note抜粋

 どうやら、「セット練習」によって負荷を高める事を狙っているようですね。

 竹ノ内選手はnoteにて、トレーニング項目別に、内容を記載されています。それに合わせて、本記事でもトレーニング項目別に考察を進めていきます。

■インターバル

  • 1000m×10~15
  • 2000m×8
  • 3000m×4
  • 5000m×4
  • 設定ペース:3:00/km

 上記インターバルトレーニングはLT値向上を狙っていると綴られています。竹ノ内選手のフルマラソンタイムから、各ペースをVDOT calculatorで計算してみました。

https://runsmartproject.com/calculator/

 3:00/kmのペースは、マラソンペースとTペースの間くらいに位置しています。ただし、上記表は気温を考慮していないため、夏場に同様のペースで行っているとしたら、完全にTペースでのトレーニングですね。

 竹ノ内選手のインターバルトレーニングは、ダニエルズ理論で言うと、「クルーズインターバル」です。

 インターバルトレーニングの総ボリュームも多いですね。5000m×4ですとTotalで20kmのTペース走になります。LT値向上には力を入れていることが見えてきます。

 LT走やインターバル走で得られる効果は次の記事で紹介していますので是非ご参照ください。

■距離走

 30km~40kmを3:30~3:42/km程度で行うようです。Eペースを守っていますね。時間にすると120分~150分の間になりそうです。やはり、「2時間以上」のロングランです。

 本人の感覚的に、ペースは控えめでリラックスする、となっていますので、無理の無い範囲でのトレーニングと言えそうです。

 その代わり、実施するタイミングには気を付けている様子が分かります。早朝に行う場合は空腹状態で行うとのこと。つまり、朝食を食べる前に距離走を行っているのでしょうか。

 体のグリコーゲンが枯渇した状態で距離走を行うことによって、ミトコンドリアの脂質代謝を促し有酸素系の発達を狙っていると思われます。

 距離走で期待できる効果は次の記事で紹介しています。

 ミトコンドリアについて、私自身が学んだ内容を記事にしています。

■ペースランニング

 3:20/kmのペースで16km~20kmのペースランニングを行うそうです。狙いはLT値向上との記載があります。

 フルマラソンの結果から、3:20/kmはEペースとマラソンペースの間に位置します。竹ノ内選手がLT値向上のために行うペース走としてはスピードが少々物足りない印象です。

 市民ランナーの間では「LT走(閾値走)」が言わずと知れた人気トレーニングですが、私たちにとってのLT走よりは、竹ノ内選手にとっての「ペース走」のほうがだいぶ強度は低そうです。

 ただ、セット練習1日目のトレーニングであるならば話は別です。1日目にペースランニング、2日目に距離走を行うと、2日間でのトレーニング総ボリュームはとても大きく、負荷がかかりそうです。

 あくまでも「セット練習」をベースとしているため、一回当たりのトレーニング負荷はそこそこに抑えてある、という印象ですね!

LT値(=乳酸性作業閾値)について、下記記事で考察しています。

■ジョグ

 5分切りから4分くらいのペースで70~120分のジョグを行うとのことです。竹ノ内選手の場合、セット練習がベースとなっているため、ジョグのみを行う日は割合少ないのではないかと想像できます。

 二部練のうちの一回や、ポイント練習間の疲労抜き繋ぎジョグですかね。Eペースよりもだいぶゆったりしたペースになります。

3.竹ノ内選手自身が感じている課題

 竹ノ内選手は、note中でご自身の課題を下記のように綴られています。

ハーフを過ぎてから、じわじわと脚に疲れが蓄積されていくのを感じた。
それまで、集団の後方でレースを進めていた吉田選手が初めて集団の前方に出てきた時(25km?付近)の余裕度は、かなりのものであった。私はこの時点で9割以上の力を使っていた。対する吉田選手かなりの力を温存していたに違いない。 
 この差は、トラックのスピード(5000m、10000m)に起因するものだと推測する

 5000mPB 吉田選手13分36 竹ノ内13分56
 10000mPB 吉田選手28分19 竹ノ内28分36

トラックのスピードを向上させることが、マラソンのペースにゆとりをもたらし、後半の落ち込みを最小限に止めることができるはず。そのためにも、これまでよりも、質の高いインターバルトレーニングが必要である。

竹ノ内選手 note抜粋

 吉田祐也選手との比較をされていますね。私自身も次の記事で吉田選手の練習考察をしています。

  竹ノ内選手と吉田選手の練習内容における大きな違いは、インターバルトレーニングにおけるランニングペースです。吉田選手が夏という時期でも「CVペース(Critical Velocity=臨海速度)」でトレーニングを行っていたのに対し、竹ノ内選手は最高でもTペースです。

※CVペースとは、おおよそ10kmのレースペース。乳酸性作業閾値(Tペース)とインターバルペース(Iペース)の間に位置するペース帯。

 インターバルトレーニングの効果を測るためには、5000mにおける両選手の自己ベストを比較すると最もわかりやすいです。

 5000mの自己ベストでは、竹ノ内選手は吉田選手よりも1km当たり4秒程度ビハインドしており、おおよそフルマラソン換算で2分程度。ちょうど福岡国際マラソンにおける両選手のタイム差に相当しています

 ご自身で感じられている通り、もう少し速めのペース域でのトレーニングを積むことができれば、マラソンペースにも余裕が生まれ、記録改善ができるかもしれません。

 竹ノ内選手はTwitterもされており、私自身もフォローさせていただきました。トレーニング内容も公開されています。トレーニング内容の変化とフルマラソンの記録推移には注目していきたいですね!!^^

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4.まとめ

 では、竹ノ内選手が素晴らしい記録を残せたポイントと、ご自身で感じられている今後の課題をまとめます。

Point>>

  • セット練習(ポイント練習+距離走)をベースとしている
  • インターバルトレーニングはTペースの「クルーズインターバル」メイン
  • 距離走は「2時間以上」の走行時間を確保している
  • 早朝トレーニングはグリコーゲンが枯渇した状態で行う
  • 今後は、トレーニングペースを見直し、スピード底上げを狙う

 いかがだったでしょうか。市民ランナーとしてはトレーニングを公開いただけるだけでとても参考になりますね!これからの活躍を期待し、注目していきたいと思います^^

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参考文献:

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