- 市民ランナーとして自分のフルマラソンの記録がどの程度のレベルなのか知りたい
- サブスリー(サブ3)やサブフォー(サブ4)はどの程度の難易度なの?
- 公認フルマラソン大会に参加している市民ランナーの記録分布が知りたい
※本記事は都度更新します。もし集計してほしい大会がありましたら、遠慮なくお問い合わせください。
フルマラソンに取り組み始め、自分の記録がどの程度のレベルなのか気になっている市民ランナーの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2022年1月~12月に開催されたJAAF公認ロードレース(距離:フルマラソン)における、ランナーの記録を各大会毎に集計しました。
私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り競技志向でランニングに取り組んでいます。
私自身の目標は、まずフルマラソンで2時間30分を切る事(サブ2.5)ですが、それがどの程度のレベルなのか気になっていました。
そこで、私自身で各大会の記録をまとめ、記録分布を作成し、ランキング化しました。
ここでは、自分の記録がどの程度のレベルなのか、目標とするタイムがどの程度の難易度に相当するのかが分かります。
それぞれのレベルに到達するためにはどのようなトレーニングを行えばよいのか、というイメージも紹介します。
- サブスリーを達成すると、全体:上位4.0%、男子:上位4.7%、女子:上位0.7%に相当する
- 男子のサブスリーは、女子でいうと3時間10~20分程度が、同じ価値に相当
- フルマラソンで上位半分に入るためには、男子:4時間20~30分、女子:4時間40~50分
ハーフマラソン、10kmマラソンについても同様に集計をしてランキングにしました。
集計対象:2022年 JAAF公認フルマラソン大会一覧
2022年に開催され、今回集計対象としたJAAF公認フルマラソン大会は次の通りです。
- 第24回 長野マラソン
- 2022北海道マラソン
- 第38回新潟シティマラソン2022
- 第7回 水戸黄門漫遊マラソン
- 第32回ぐんまマラソン
- 富山マラソン2022
集計条件は次の通りです。
- JAAF公認コースである
- 参加者が3000人以上
- ペーサーやゲストランナーなどは除く(陸連登録、実業団は含みます)
- 複数大会に出ている個人がいた場合は最も良い記録を採用(重複しないように集計)
集計対象とした以外にも多くの公認大会が開催されていますが、今回の集計からは外しています。
レース結果を参照することができ、できるだけ多くの市民ランナーが参加したメジャーな大会に絞っています。
全体集計結果と各レベルの解説
全体集計結果
集計対象とした6大会の全体集計結果は次の通りです。
- 集計人数:44246人(男子:36623人、女子7623人)
- サブスリーのライン(難易度):上位4.0%(男子:4.7%、女子:0.7%)
男性と女性を比較すると、女性の方が約15分程度タイムが遅い傾向にあります。女性で3時間15分が男性でのサブスリー相当となります。
以下では、フルマラソン全体・男子・女子でそれぞれ集計データをヒストグラムで示します。
~2時間20分:スーパーエリート
2時間20分を切れるランナーはスーパーエリートです。実業団で活躍しているランナーと勝負できる可能性がある、ほんの一握りのランナーです。
学生時代までに専門的な長距離種目に取り組んだことが無い人で、このレベルに到達できている人はほとんど見かけたことが無いくらい、とても高い壁です。
VO2maxインターバル・LT走・ロングラン等の基本的なトレーニングを地道に積み重ねていくだけでは到達できません。ルマラソンに対する適正、生まれ持った才能が必要です。
3:10/kmを切るペースでフルマラソンを走りきります。女子の日本記録に相当するレベルです。
このレベルになると、東京マラソンのエリート枠に応募できたりするなど、日本トップレベルである事も実感できるでしょう。
※2023年東京マラソンエリート枠は、2時間16分台の記録を持っている方が選ばれたようです
2時間20分~2時間30分:エリート
サブ2.5(フルマラソン2時間30分)を切るランナーは、市民ランナーの中でも最上位に位置するエリートランナーです。
ほとんど毎日走ることは当たり前で、社会人から本格的にランニングを始めたランナーの場合は、月500km以上走るのが当たり前、といった練習量が必要です。
サブ2.5を切るレベルに到達するためには、私生活において、ランニングに対してかなり時間を割くことになります。
長距離種目への才能もある程度必要ですが、基本的なトレーニングを正しい強度・量でこなせば、到達できるレベルであるとも言えます。
2時間30分~2時間40分:準エリート
フルマラソン全体、上位1.0%以内に入るレベルが準エリートです。
ここまで到達できれば、市民ランナーとしては「やりきった」と言ってもいいレベルです。
しかし、このくらいまで到達するランナーはさらに記録を伸ばそうと思っている方が大半です。
2時間30分台は、長距離への才能が多少低くても正しい練習方法と休養を続けて行けば、達成できると考えています。
逆に才能がある人にとっては、比較的簡単に達成できてしまう記録とも言えます。
2時間40分~3時間00分:トップアマチュア
念願のサブスリー(サブ3)を達成した人たちが位置するレベルがトップアマチュアです。
市民ランナーとしてはかなり高いレベルであると言えます。ランナーの上位5.0%以内には入ります。
走ることは苦痛ではなく、「走ってないとそわそわする」といったように、ライフワークとしてランニングに取り組めるような感覚になっている人々です。
達成難易度は高いですが、多くの中級者ランナーが目指すレベルとなります。
サブスリーを達成するための考え方、トレーニング方法については次の記事で解説しています。
3時間00分~3時間30分:アマチュア
もう少しでサブスリーを達成できる、と思っているランナーが位置するのがアマチュアレベルです。ほとんどの場合サブスリーを目標にしているのではないでしょうか。
女性の場合は、3時間15分を切ることができれば男性のサブスリー相当です。
このレベルになってからは、速くなるための練習内容について色々考えるようになります。
しかしそのようなランナーの多くは「どんな練習をするか」を先に考えてしまっている傾向があります。
大切なのは「今の自分にはどんな課題があって、どんな能力を伸ばせばいいのか」になります。練習やトレーニングはあくまで手段です。
3時間30分~4時間00分:ルーキー
サブフォー(サブ4)を達成できれば、初心者としては高いレベルと言えます。女性であれば、かなり速い方なのではないでしょうか。
練習量としては1週間のうち半分以上(4日以上)は走っている、といったランナーだと思います。
長距離種目への適正がある程度ある方であれば、比較的少ない練習量で臨む初フルマラソンでも、達成できてしまうことがあります。
このレベルであれば、LT走やインターバル走等のフルマラソンペースよりも速いペースで走るトレーニングが無くても達成できます。
できるだけ長く走ることを継続できるように、長い時間走る練習を積み重ねていきましょう。
4時間00分~:脱初心者、初心者
初めてフルマラソン完走を目指す人は、まず制限時間内にフルマラソンを走りきることを考えましょう。
1週間の内、3~4回以上は継続的にランニングを行うことが望ましいです。
一回のフルマラソンであれば走りきることもできるかもしれませんが、ある程度練習をして臨まないと、怪我をしてしまいます。
怪我を防ぎ、気持ちよくフルマラソンを完走するためにも、ある程度練習をして臨みたいです。
大会毎集計結果(データ集)
以下では集計対象とした各大会での集計結果を個別に紹介します。
※本記事は都度更新します。もし集計してほしい大会がありましたら、遠慮なくお問い合わせください。
第24回 長野マラソン
- 集計人数:5617人(男子:4892人、女子715人)
- サブスリーのライン:上位8.1%(男子:9.0%、女子:2.2%)
2022 北海道マラソン
- 集計人数:16481人(男子:13101人、女子2888人)
- サブスリーのライン:上位3.9%(男子:4.7%、女子:0.8%)
第38回新潟シティマラソン2022
- 集計人数:3733人(男子:3221人、女子512人)
- サブスリーのライン:上位2.6%(男子:2.9%、女子:0.4%)
第7回 水戸黄門漫遊マラソン
- 集計人数:6945人(男子:5949人、女子996人)
- サブスリーのライン:上位4.8%(男子:5.4%、女子:0.9%)
第32回ぐんまマラソン
- 集計人数:3515人(男子:3088人、女子427人)
- サブスリーのライン:上位4.1%(男子:4.5%、女子:0.9%)
富山マラソン2022
- 集計人数:12050人(男子:9510人、女子2540人)
- サブスリーのライン:上位2.7%(男子:3.3%、女子:0.3%)
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