【第278回安城月例マラソン大会5000m】レースレポート

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。

 こんにちは。syu_hibiです。

 私は社会人からマラソントレーニングを始めた29歳の会社員です。妻と幼い娘がおり、フルタイム共働きの市民ランナーです。本格的なランニングを始めてから3年が経とうとしています。そんな私が、記録をどこまで伸ばせるか、チャレンジしています。

 今回は、2021年11月28日に愛知県安城市総合運動公園陸上競技場で開催された第278回安城月例マラソン大会5000mに出場してきました。

 本記事はそのレースレポートになります。

目次

本レースの位置づけ

 2021年秋シーズン2本目の5000mになります。

 2021年度は、コロナウィルスの影響で公道で行われるレースの開催が見送られることが多いだろうと考え、トラックレースを主戦場にすることを決めました。

 昨年末から4月まで怪我をしており、スタートが出遅れてしまったこともあって、2021年シーズンの目標は5000mで15分45秒としました。15分45秒は名古屋市選手権の標準記録となっており、来年秋シーズンまでに切っておきたい標準記録です。

 2021年4月の故障明けからは、LT改善をメインの目的としたメニューに取り組んできました。

 10月9日に行われた第1回駅伝強化長距離競技会5000mでは、気温30度近くある中でPBを更新することができ、2021年の取り組みが間違っていなかったことが確認できました。

 しかし同時に、気温の影響を考慮しても15分45秒を切ることは難しいことを感じました(日体大記録会等の高速レースで集団の力を借りれるような状況であれば話は変わります)。この時点で2021年秋シーズン中に15分45秒を切りに行くことは諦めています。

 10月の5000mレースを終えた後から、解糖系の強化を加えることにしました。10月までは、LT系を2回/週、ロングランを1回/週の構成でトレーニングメニューを組んでいましたが、LT系の頻度は落とさず、解糖系強化を狙ったヒルスプリントを加えました。

 LT系を2回/週、解糖系を1回/週、ロングランを1回/週という構成となりポイント練習頻度が純増しました。取り組み開始序盤は疲労が抜けきれず、LT系のポイント練習のパフォーマンスが維持できない状態となりました。

 その状態から、Easyランとロングランの強度を落とし負荷調整を試みました。1か月程度継続したところでようやく回復が間に合うようになり、現在では週3回のポイント練習においてパフォーマンスが維持できるようになりました。

 本レースは、ようやく今のトレーニングサイクルが軌道に乗ってきたところでの出場になります。トレーニングにおける設定ペースは、1.5か月前と比較してもさらに向上しており、自己ベストは狙える水準には来ていますが、今回は記録を狙いに行くレースという位置づけではありません。

 あくまでも、練習の一環としてどこまで走れるか、を確認しに行くレースとなります。

 マイレージも全く落とさず、VO2maxにフォーカスしたトレーニングメニューも取り入れていない、完全無調整での出場です。

 一方、1.5か月前から取り組み始めた解糖系の強化がどのくらい効果的なのかを測れるかもしれない、とも考えていますが、こちらについてはまだ、効果が出るまでにもう少し時間が必要かもしれません。

目標とレースプラン

 今回はマイレージを落とす調整やVO2maxに刺激を入れるトレーニングを全くしない状態での出場となります。

 前回の記録(16分14秒、気温29℃)にVDOT Calculatorで気温の補正をかけると15分38秒となります。しかしこれまでの経験から、VDOT Calculatorによる気温補正は、ハーフマラソン以上の種目には割と精度高く当てはまるのですが、トラックレースでは少し誤差が大きいと感じます。

 5000mでは、気温による影響は体感的に6割くらいかな?と感じるので、そのまま前回通りの力を発揮できたとすると15分50秒くらいが妥当だと考えています。

 ただ、調整を全くしない状態で臨むため、前回レースよりは身体コンディションは良くないです。それらを踏まえて、今回のレース目標は15分50秒~16分00秒とします。

 練習でのパフォーマンスは確実に前回レース時よりも向上しており、比較的早期に効果がでる神経系への効果(速筋繊維への刺激、解糖系の強化)も期待できそうですが、練習の一環なので背伸びしないタイムを目標とします

 レースプランですが、オーバーペースを防ぐために、3:10~3:12/kmのペースで押していきます。入りの1000mでペースが上がり過ぎないように抑え気味に入ります。他ランナーのペースが想定以上に速くなってしまった場合には、許容範囲(3:08/kmくらい)であれば積極的についていきます。

 では、レースレポートへ。

レースレポート

 待ちに待った5000mレース。

 というのも、11月13日に出場を予定していた公認5000mレースである長距離競技会は、ある事情により出場が叶わなくなってしまった。どうしようもない欠場であれば諦めはついたものの、少し前から知っていれば、スケジュールの調整によってどうにでもなった。

 今年最後となる公認レースへの出場を逃し、代わりのレースとして選んだのが安城陸上競技場での月例マラソン大会、5000mトラックレースだ。

 安城陸上競技場は、家からもDoor To Doorで40分程度とアクセスが良い。今改めて考えると、瑞穂、安城、刈谷、知多、総ての陸上競技場に15分~50分程度でアクセスできるところに住んでいるということが分かった。

 4月末の故障明けから、トレーニングをコツコツと積み上げ、実力は確実に向上してきた。前回レースでは不幸にも気温のコンディションが悪く、僅かなPB更新にとどまったが、今回は気温も十分に低く天候もよいため、調整すれば間違いなく大幅自己ベストを狙える。

 しかし、自分自身の目標タイムはもっと上にある。しかも今回は非公認のトラックレース。長い目で見ると、ここで記録を出すためにピーキングする必要はない。記録を出したい、という気持ちもあったが、それを抑え、無調整で臨むことを決めた。

※最適なピーキングに関する記事を過去に記述しています。

 今回も起床直後のランニングは行わなかった。レースが夕方とかであれば朝ジョグをしてもよいと感じるが、レーススタートが10時30分を予定しているため、レース前にウォーミングアップをすれば十分だ。

 朝ごはんは、いつも通りの内容(ごはんと目玉焼き2つ、納豆)。食後のコーヒーは迷わず飲んだ。

 朝食が終わったら、レースの準備をした。

 今回使うランニングギヤ。

  • ウェア:ナイキ エアロスイフト
  • パンツ:2XU MCS ランコンプレッションショーツ
  • ソックス:Tabio レーシングランプロ(5本指)
  • シューズ:ナイキ ドラゴンフライ
  • サングラス:エアフライ AF-301
  • カーフスリーブ:zamst プレシオーネカーフ
  • ウォッチ:Garmin Foreathlete 245
  • アクセサリー:RDP、HRM-Dual

 お昼のレースであるため、サングラスを着用する(エアフライのレビュー)。

 カーフスリーブは使おうか迷ったが、防寒対策として着用することにした。

 本気レースであればハートレートセンサー(HRM-Dual)は付けないが、今回はトレーニングの一環として走るため、重要なデータ採取として付けることにした。

 5000mという割とスピード値が高い距離であっても、ハートレートセンサーが気にならないくらい余裕を持ったペースで走れないと、記録の大幅更新は望めないことも事実ではある。。

 昨日、妻と大喧嘩をしてしまった。これまでの経験でうっすらと感じてきたことだが、レース前の精神状態が記録に与える影響は結構大きい。喧嘩している時は「ああ、明日は多分記録出せないな・・・」と思った。

 それでも、これといったきっかけはなかったが、なんとか寝る前には何とか仲直りできた。やっぱり仲良く一緒に居られることが一番の幸せ。

 帰りには美味しいパンを買って帰ろうと思う。

 レース開始は10時30分、招集は10時20分までに終えなければならない。ウォーミングアップはゆっくりジョグを30分間、短めのスプリントを数本入れたいので、荷物の移動時間を含めると45分は欲しい。競技場には9時40分頃に到着するようにすることにした。

 妻と娘は、家を出る時まで起きてこなかった。今日はいつもよりも一段とゆっくりだ。前日に妻と約束した通り、卵サンドとパンの耳ラスクを作り、娘の朝ごはん準備を大方終わらせてから家を出た。我ながら卵サンドが美味しくできた。

 家を出てから競技場に着いたのは9時45分頃。途中で水を買ったりしたので少し遅くなった。受付、招集を済ませウォーミングアップを始めた。ウォーミングアップからハートレートセンサーを付けて心拍を確認し、調子は悪くない。

 小さなレースなので、レース開始ギリギリに合わせてウォーミングアップができる。予定通り20~30分程度ゆっくりジョギングした後に、スパイクに履き替えてから2本のウィンドスプリントを入れた。

 そしていよいよレースがスタートした。

 事前の情報通り、明らかに格上のランナーが2名いた。スタートから飛び出し、さすがについて行けるスピードではない。自分自身はマイペースで75秒前後を刻むつもりだ。

 やっぱり単独走になった。しかもバックストレートで結構な向かい風がある。最初の400m通過が76秒程度となり、入りでペースが上がるはずが、ほぼ目標通りのペースだった。速いとは感じないが、これ以上ペースを上げて走ると確実にオーバーペースになると感じた。

 この時点で、今日、自己ベストである16分14秒すら更新できないと悟った。このままイーブンで押していってもやっと自己ベストタイくらいしか出ない。

 単独走でイーブンペースで押し続けるが、3000m以降徐々にペースが低下する。ハートレートセンサーを付けていたため、心拍数をウォッチで確認すると、170bpm(89%HRmax)。心肺的なきつさはほとんど感じないが脚がきつくなるのを感じる。

 普段のトレーニングで、疲労が溜まっている時に、心拍数は上がりきらないのにやたら脚がきつくなるのと同じ現象だ。

 それでも、普段のトレーニングボリュームが効いているのか、ペースダウンは最小限で抑えることができている。この点は以前から相当成長している点だと思う。

 レース終了まで特に見せ場もなく、自己ベストからは大幅に遅れるタイム、16分34秒でフィニッシュした。

 レースが終わった直後も、脚へのダメージをほとんど感じない。調整無しで臨んだ結果、疲労がの影響で力を出し切れなかった感覚だ。レース後、速めのEasyペースで7km程のジョグを行った。

 帰りは、新安城駅近くにあるとんかつ屋さんでランチをしようと決めていた。人気のお店らしくファミリーが何組か待っていたが、おひとり様席で先に座ることができた。妻には申し訳ないと思うが、たまにはいいだろう。

レース振り返りと考察

 16分34秒は、VDOT62のペースだ。

 事前想定ではVDOT66程度の実力はあるだろうと思っていたが、遠く及ばない結果となった。VDOT比では6%、タイムで言うと5%程遅い。

 今回のタイムが本当に良くないのか、そこが重要だ。

 実力を100%(もしくは実力以上の)発揮できない要因は下記となる。

  • マイレージを落とす調整をせず普段のトレーニングスケジュール通りにした(VDOT-1)
  • VO2maxにフォーカスした特異的トレーニングをしなかった(VDOT-1)
  • 気象条件(今回の場合はバックストレートでの向かい風)(VDOT-1)
  • 集団走ができるかどうか(VDOT-1~-2)

 前回のレースでは、ほぼ上記すべての条件を整えた(唯一気温だけは高かったが)。前回のレース記録が、レース特有である集団走の力を含めたタイムだったと考えると、上記各項目がタイムが悪くなる方向へのインパクトがあると仮定すると、今回のレースは「現在」の実力通りの結果だったと言える。

 VDOTペース表でも確認したが、3:18~3:20/kmというのはVDOTで言うと65~66のCVペースに当てはまる。5000mという距離はCVテンポ走として捉えることができる。練習で疲労が溜まった状態ではCVテンポ走くらいのペースでしか走れない、ともいえる。

 実際、5000mレース中の心拍数も90%HRmaxに到達した程度であり、使い切れていないことが分かる。レース後も脚の疲労感はそこまで大きくなく、レース後すぐにジョギングできるくらいの疲労感だった。

 トレーニングで疲労が溜まった状態では心肺的なきつさと脚のきつさのバランスが悪くなる。先に脚に来てしまうため、心肺がきつくなくてもペースを下げざる得ない。

 今回のレースにおいて、RDPとHRM-Dualで得たデータを掲載する。

図1 レースにおけるRDPとHRM-Dualによる心拍数測定結果

 以上の考察より、今回の結果は実力通りのタイムであり、これまでの取り組み方針を否定するものではないと考える。

今後の方針、次レースに向けて

 4.で考察した通り、今回のレースはこれまでの取り組み方針を否定するような結果ではないと考えているため、今後も今のトレーニング内容を継続していくこととする。

 ただ、今回の記録が振るわなかった要因の内、トレーニングボリュームの調整と特異的なトレーニングを行うことについては、次回レースで、それらが本当に要因だったのかを「証明」をする必要がある。

 実は、次回レースは2週間後のTOYOYAエールマラソン(10km)がある。普段のトレーニングは、CV域でのトレーニングが多く、10kmのレースに対してはある程度の特異性がある。

 今日までは、TOYOTAマラソンについても全く調整しないで臨む予定としていたが、調整しないことが記録が出ない要因であるという点を証明するため、2週間後のTOYOTAマラソンに向けてはある程度マイレージを落とす調整を1週間前から行うこととする。

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