※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。
【東海ハーフマラソン 2022 レースレポート】1時間14分47秒
こんにちは、管理人のらんしゅーです。
私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り競技志向でランニングに取り組んでいます。
これまでの自己ベストは2022年3月の名古屋シティマラソンで出した1時間12分29秒です。
今回、2022年12月11日に東海ハーフマラソン2022に出走しました。
本記事はそのレースレポートになります。
記録は1時間14分47秒でした。
走り始めから脱水症状的な感覚を感じ、苦しさを伴いながら走り出しましたが、12-13km付近で人生初の差し込み?に襲われ、ほぼ歩きのようになってしまいました。
改めて、記録を継続的に伸ばすことの難しさを感じました。
2022年、不調の要因は「減量による、筋力及びリカバリー速度の低下」だと考えています。
詳細を記載していきます。
東海ハーフマラソンについて
東海ハーフマラソンは2019年に初めて開催されたロードレースです。それまでは東海シティマラソンとして10kmのロードレースが開催されていました。
2022年から、東海ハーフマラソンがHMCC対象大会となりました。特定の記録を更新した人への特別記録証発行、陸連登録を行ったうえで大会設定記録を更新した人への賞金等の特典があります。
開催場所の最寄り駅は愛知県東海市にある太田川駅。スタート及びゴール位置が駅から徒歩3分圏内にあり、とてもアクセスが良いレースです。
ハーフマラソンのコースマップを示します。2019年大会からコースが変更され、アップダウンが減りました。登りの箇所はほぼ2か所のみで、非常にフラットなコースです。
ただし、JAAF公認ロードレースではないので記録が公認とはなりません。これだけフラットなコースでアクセスも良いので、公認ロードレースになって欲しいな、と思います。
本レースの位置づけ
今回のレースは「本命レース」の位置づけです。
2022年は5000mトラックレースをメインに取り組んできましたが、あくまでも5000mはハーフやフルの通過点です。
12月に本命レース1本目、3月に本命レース2本目(豊橋ハーフマラソン)を設定しています。
東海ハーフマラソンは公認記録にはなりませんが、コースが非常にフラットで走り慣れているコースであるため、記録を狙うには良い大会だと認識していました。
しかし、私自身の調子は良くないです。
2022年9月23日に5000m自己ベスト16分01秒を出してから、調子が上がらない状態が継続しています。
2022年11月13日に揖斐川ハーフマラソンに出場しましたが、1時間13分59秒でした。アップダウンが厳しいコースではあるものの、「実力通りであればもう少し伸ばしたかった」が本音です。
それから約1ヶ月、ポイント練習でも疲労を感じることが多い状態が続きました。
2022年11月27日に出場した10kmロードレースでは34分00秒で、自己ベスト(33分44秒)には遠く及ばない結果。
疲労を抜いて出場したレースではありませんでしたが、なかなか厳しいレースになりました。
そして今回の東海ハーフマラソン。1週間前までは脚の疲労や違和感がかなり残っている状態でしたが、セルフケアと疲労抜きで、脚の調子は良い状態まで引き上げることができました。
ただ、10kmロードレース以降、ポイント練習は一度も実施できませんでした。
このような状態で本命レース1本目に臨むのは不安が残りますが、これまでの長期積み上げを信じて自己ベスト達成を狙うレースとします。
レース目標、レースプラン
レース目標は、「1時間12分00秒切り」です。ペースは3:25/kmとなります。
2022年3月に出した自己ベスト時から、積み上げてきたトレーニングを考慮すれば十分実現可能な記録であると考えています。
ただ、現状の調子を考慮すると、厳しいレースになるのではないかとも感じています。
レースプランとしては、「前半無理し過ぎず、後半にわずかでも上げていくことができるレース展開」にしたいと考えています。
具体的には、3:25/km~3:30/kmくらいで入って、中盤以降はできる限り3:25/kmを上回らないようにすることを考えています。
風向きは後半追い風になります。前半無理し過ぎないことによって後半十分に脚を持たせられるように我慢したいと考えています。
レースレポート
起床~スタート直前
2022年本命レース1本目。とても楽しみにしていた。
東海ハーフマラソンは2019年に初めて参加した。その時はスタート位置から徒歩圏内に住んでいたこともあり、「地元のロードレース」として出場。
引っ越した後でも、家から30分でスタート地点までいけるアクセスの良さ、フラットなコース、HMCC対象大会という好条件がそろっていたので、本命レースの位置づけにした。
起床は3時45分。前日は普段よりも早く寝ることができた(21時くらい)ため、十分な睡眠時間を確保できた。
直近2週間くらいは安定した睡眠の質を確保できた。
インボディでの体組成測定結果は体重62.9kg、体脂肪6.9%。
朝食は通常通り(ご飯150g、納豆1パック、目玉焼き2個)にした。おなかの調子もよく、理想通り。
今回の栄養戦略では、朝食後にコーヒー一杯、レース前までにモルテンドリンクMIX320カフェイン入り1袋、モンスターエナジー355mlを摂る。カフェイン量は250~300mg程度。
(体重×3~6)mgが理想(私の場合190~380mg)なので十分な量である。
スタート時刻が9時、受付開始が7時00分。手荷物預かり場所からスタート位置までが結構離れていることもあり、ウォーミングアップ方法に悩む。
知人も多く出場するため、会場には7時過ぎには着いておく予定。
家を出る前にストレッチポールで筋膜リリースをしておいた。
本日のランニングギア。
太田川駅に着くと、検温を行ってから待機場所に行くよう先導された。とてもスムーズである。
ハーフマラソン選手の待機場所は日本福祉大学。2階や3階が更衣室として使ってよい、とのことだった。
手荷物預かりは、8時30分が最終受付。スタート時刻に対して結構時間が空く。
ウォーミングアップはレースの50分前から行う予定にして、少しジョギングをしてから手荷物を預け、再度軽くジョギングしてからレースに向かうことにした。
知人と共に着替え、ウォーミングアップを開始。調子はそこまで悪くなさそう。
手荷物預かり場所は日本福祉大学の地下一帯。前回2019年の時は芸術劇場の大ホールであったため手荷物受取りが長蛇の列になってしまったことに対応しているのだろう。
手荷物預かりもスムーズに終え、再び軽いジョギングを行ってからハーフマラソンのスタート位置に向かった。
スタート位置は申告タイム順でブロックが形成されていた。ブロッグことに5分間隔のウェーブスタートとなる。上位入賞を狙っている場合は申告タイムをちゃんと申告する必要がある。
スタート位置に整列し、いよいよスタートとなった。
スタート~ゴール
東海ハーフマラソンがいよいよスタートした。
走り出しから皆、抑え目なスピード。そこまで飛び出す人もいなかった。
自分も抑え目に入ることを意識した。
しかし、走り始めから感覚がおかしい。水分が足りていないときに感じる脱水感を感じる。
水分摂取はしっかり行ったはずなので、慣れてくればよくなるだろうと考え、はじめから苦しさを感じたが、そのまま巡航。
入りは3:25/km、次の1kmが3:22/km。少し速くなってしまったが、このくらいなら普通問題ない。
しかし、体は楽じゃない。名古屋シティマラソンの時はこれくらいのスピードでも全く問題なかったが、今回は違う。脱水感も治らない。
3:25-3:30/kmを維持するのがやっと。かなり厳しい状態。
5-6km付近の坂を通過し、あとはフラットなコース。坂を含むラップは3:42。これくらいは想定通りだが体のきつさが尋常じゃない。
後ろの集団が近づくことを気にしながら、徐々にペースを落とし、快適に走れるペースを探す。3:30/km付近で維持できそうなきつさだと感じ、まずは3:30/kmで巡航することに設定。
同じくらいのペースで走りそうな数人がいたので、それらランナーと共に進む。しかし、少しペースダウンしたのか、後ろから来た集団に吸収された。
愛知製鋼のランナーが引っ張っている3:30/kmの集団。何とかこの集団にくっついていこうと考え、愛知製鋼のランナーの真後ろに着いた。
普段ならここで少し楽さを感じるはずなのだが、全く楽じゃない。なにかがおかしい。
12-13kmに差し掛かったところで、おなかの横らへんに激痛。「もしかしたらこれが差し込みかもしれない」と思いつつ耐えようと試みるも、これは無理。
人生初めて、マラソン中にほぼ歩きになってしまった。
40秒ほどゆっくりしていると、少し楽になったのでまた走り始めた。3:30-3:40/kmくらいでは何とか走れそう。
完全に単独走になってしまったが、何とかそこそこのタイムでは完走したい。できる限りのスピードを維持して進む。
少しづつ、歩いていた時に抜かれたランナーを拾いながらなんとか完走を目指す。知り合いのランナーの横を通る時には少し元気になれた。
しかし、体の状態は依然として悪い。ずっと脱水感を感じたままなのは変わらずだった。
コースがすべて、自分がよく知っている道だったので、その点は安心だった。ゴールまであとどのくらいかも明確だったため、最後の1kmは頑張った。
結果としてゴールタイムは1時間14分47秒。
自己ベストと比較すると、散々たる結果だった。
レース振り返り
まずはガーミンのランニングダイナミクスポッドで得られたランニングデータを掲載します。
ランニングデータで特徴的なのは心拍数が全く上がっていないこと。自己ベストを出した名古屋シティマラソンでは平均心拍数が170bpmでした。
ランニングピッチも180spmと低めですが、これは意図的にゆったり走っていたこともあります。
今回は明らかに心拍数が上がっておらず、体各組織への酸素供給が滞り代謝がうまくできていなかったと考えられます。
その他の上下動比や接地時間等はそこまで差がありません。
純粋に身体の代謝機能が働いていないことできつさを感じたことが、記録が良くなかった要因です。
なぜ不調が続いているのか
9月の5000mでかろうじてベストを出したものの、この一年間記録が停滞しています。
私自身、限られた練習環境の中でトレーニングを行っているため、ランニングの記録向上のために行う改善は常に1つに絞って取り組むようにしています。
昨年から今年にかけて大きく変えたことが「減量」です。
単純に「体重が軽い方が速く走れるだろう」と考えて、春の終わりごろから減量を開始しました。
結果として、「64~65kg→62~63kg」へと、2kgの減量を達成しました。
減量中は多少空腹感を感じても特に気にせず、トレーニングを継続する、といった単純な方法です。
しかし、結果として5000mでは16分切りは達成できませんでした。
さらに、トレーニングのクオリティも昨年比でほとんど変わっておらず、結果として減量がポジティブに影響したという面を感じることはできませんでした。
この時点で「減量のネガティブ面」に気が付くべきでした。
ここから先は推測ですが、「減量によるネガティブ要素」は次のように考えています。
- 体脂肪よりも「筋力」が低下する
- 高負荷トレーニングからのリカバリー速度が低下する
- リカバリー速度が低下した状態で負荷をかけ続けたことでパフォーマンスが低下する
今回はおそらく、これらが同時に起こったのだろうと推測します。
減量によって体が軽くなった分、筋力が低下してもトレーニングでのペース設定は維持できたのでしょう。
しかし確かに、高負荷トレーニングからのリカバリー速度が低下したように感じたこともあったように思います。足の違和感が治る速度が遅くなったのも、なんとなく納得しました。
減量や低糖質食は悪いことばかりではありません。脂質の代謝を促進するなど良い面もあります。
しかし、継続的に質の高いトレーニングを積んでいくためには十分な栄養と休息があってこそです。
その点を軽視してしまったことが、2022年不調の要因だと、結論づけようと思います。
今後の方針
2022年の最大本命レースは3月26日の豊橋ハーフマラソンです。
こちらは公認のロードレースであり、記録が公認記録となります。
これまでにまずは「よく食べ、ちゃんと休む」ようにします。十分なトレーニング量は確保できているし、怪我しない体も出来上がっています。
ここで陥りがちなのが、「練習が足りないと思ってしまうこと」だと考えています。ちゃんと振り返れば分かりますが、これだけのトレーニングを行ってきていて「足りない」なんてことはありません。
トレーニングの質に注視しながら、豊橋ハーフマラソンで復活できるようにしたいと思います。
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