【ジョギング(Eペース)】方法と効果についての考察

 こんにちは、管理人のsyu_hibiです!

 本記事では、ランニングトレーニングの中で最も重要であり、ランナーが最も多くの時間を割く「ジョギング」について考察していきたいと思います。

 単なるジョギングでも、長い期間継続して行うことによって、体の機能を大きく向上させることができます。本記事では、ジョギングの適切な方法や生理学的な効果について説明していきたいと思います。

 本記事は主にダニエルズのランニングフォーミュラリディアードのランニングトレーニングに基づいて考察を行っています。

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1.ジョギング 名称について

 ジョギングを意味する用語として主に3つ挙げられます。「ジョギング(ジョグ)」、「Jog(英語表記)」、「Eペース(ダニエルズのランニング・フォーミュラ)」です。

 特に3つ目「E(Easy)ペース」という表現は、ダニエルズのランニング・フォーミュラを読んだことがない人にとっては聞きなれない単語かもしれませんが、マラソンに、真剣に取り組んでいる人の間では平気で使われる単語です。本ブログでもEペースという単語は出てきます。

2.ジョギングの効果は?

 ジョギングの効果は下記となります。それぞれ詳しく説明していきます。

  • 怪我に対する耐性を作り上げること
  • 心筋を発達させること
  • 毛細血管新生(活動筋に酸素を運搬する微細な血管が増える)
  • 活動筋自体がランニングに適応してくること
  • ミトコンドリアの新生/機能向上

■怪我に対する耐性

 マラソンに向けては、様々なトレーニングを行っていきます。その中でも、ペース走インターバル走、長い距離を走る距離走等は非常に負荷が高いトレーニングです。そのような負荷が高いトレーニングを、何も対策をしないで継続していると高い確率で「怪我」をしてしまいます。

 ジョギングを継続的に行うことによって脚を鍛えると、負荷が高いトレーニングをしても怪我をしにくくなります。ジョギングはいわば「トレーニングのためのトレーニング」という側面を持っています。

 怪我をしにくくなるメカニズムとしては、脚の筋力アップによって関節等への衝撃が吸収されるようになったり、持久性トレーニングの継続によって骨や腱が徐々に強くなっていくということが知られています。

 長距離種目では、怪我無く練習を継続することが重要です。

■心筋を発達させること

 心臓の筋肉が最大限に収縮するのは、心拍数が、最大心拍数の約60%の時だといわれています。後でも解説しますが、ジョギングの適正心拍数は最大心拍数の65~78%であると言われています。心臓の収縮量が最も大きくなる心拍数帯です。

 心臓の筋肉が発達してくると、一回の心拍で押し出される血液量(心拍出量)が増加するため、体中に酸素を行き渡らせる能力が発達していくことになります。

 特に最大酸素摂取量は心拍出量によって決まる割合が多いため、例え遅いペースのジョギングであっても、長距離種目には欠かせません。

■毛細血管新生

 活動筋(=ランニング中に使っている筋肉)へ、酸素を行き渡らせているのは、毛細血管です。体の節々までは太い血管である動脈によって血液が運ばれますが、節々に到達したのちは毛細血管によって筋肉組織まで血液が運ばれることになります。

 毛細血管新生は、長い時間運動を継続することで促進されるため、ジョギングのようなペースで運動を継続することが重要と言えます。

■活動筋の適応

 人間には速筋、遅筋、遅筋の特徴を兼ね備えた速筋(中間型速筋繊維)、の3タイプの筋肉を備えています(わかりやすいように簡単に記載しております)。トレーニングによって主に変化するのは③の性質です。

 ランニングのようなトレーニングでは、遅筋繊維が優位に働きますが、このようなトレーニングを長時間継続していると、速筋の性質が徐々に中間型速筋繊維寄りになっていくと言われています。

 中間型速筋繊維は、速筋のパワーと遅筋の酸化能力(=ミトコンドリア量など)を兼ね備えています。長距離種目においてハイペースを維持するためには中間型速筋繊維の発達が重要です。

■ミトコンドリアの新生/機能向上

 人体のあらゆる細胞に存在するミトコンドリア。ミトコンドリアの役割は、糖質と脂質を代謝してエネルギーを作り出すことです。ミトコンドリアは、運動を行うことによって容量を大きくし、機能を向上することができると知られています。

 本記事では、ランニングトレーニングが生理学的にどのような効果をもたらし、体がどのように適応していくのかをいくつかの記事で考察しています(運動生理学カテゴリー)。興味がある方は、是非読んでみてください。

3.ジョギングの適正ペースについて

 ジョギングの適正ペースについては、本当に様々な考え方があります。例えば、フルマラソンを2時間10分程度で走ってしまう人でも、普段のジョギングは1km当たり5分程度かける、というようなこともあります。

 従ってここでは、私自身の体験とダニエルズのランニングフォーミュラを参考にした考察をしていきたいと思います。

■VDOT Calculator

 ダニエルズのランニングフォーミュラで推奨されているジョギングのペースは、最大心拍数の65~78%であると言われています。また、トレーニング強度を決めるための別指標として「VDOT(最大酸素摂取量)」というものがあり、自分の直近レース結果からジョギングの適正ペースを求めることができます。

Jack Daniels’ VDOT Running Calculatorです。

次の記事で、VDOT計算機の詳細な使い方を説明しています。

 ジョギングのペースとして参考にするのはEペースです。図1でVDOT計算機によるEペースの求め方を示します。

図1 VDOT計算機 Eペースの求め方

■管理人自身の例

 ここからは私自身の例を紹介します。

 私のハーフマラソン自己ベスト1時間14分40秒を元に、ジョギングの適正ペースを計算すると、4:14~4:41/kmとなります。では実際私が行っているジョギングのペースは、「4:15~4:40/km」(ペースを意識しないで走っている)であり、ちょうどダニエルズ推奨のEペース付近でした。

 Eペースの上限速度である4:14/kmでジョギングをするときは、ポイント練習での負荷が低かった翌日や完全OFFの翌日、レース前調整期間等、ある程度体の疲労が抜けている時にペースが上がる傾向にあります。

 一方、負荷が高かったポイント練習翌日やレース翌日等は、体も重く、Eペース下限のペース、もしくはそれよりも遅いペースでしかジョギングできないこともあります。

 逆に言うと、ジョギング中に、自然と上がるペースによって、その時の体の調子を測ることができます。

 心拍数はというと、私自身の例ではおおよそ125~145bpmくらい、最大心拍数(190)の65~75%程度となっています。※HRM-Dualハートレートセンサーによる測定。

 ハートレートセンサーを使用しない場合には、腕時計の光学心拍計を頼りますが、腕時計の心拍計はそこまで精度が高くないため、頻繁に測定ミスが発生します。従って、ジョギングでは主に、自分の感覚を優先し主観的なきつさを大事にします

 私自身の例を紹介すると、ジョギングでは努力感がゼロになるようにしています。きついな、と少しでも思わないような感覚で、最後まで走り切ります。

4.ジョギングの距離と時間 バリエーションをつけよう

 ダニエルズの理論では、Eペースを30分以上継続することで効果が大きくなってくる、と言われています。

 ダニエルズのランニングフォーミュラには、ジョギングの継続時間によって得られる効果がどの程度変わってくるかについてまでは紹介されていません。

 別の記事で紹介しているように、ジョギング程度の負荷で運動継続時間が長くなると、脂肪の利用割合が増加していくため、脂肪をエネルギーとして使いやすい体に適応してくる効果を得ることができます。

 一方、怪我防止の観点から、ダニエルズ理論ではジョギングの時間及び距離に上限を設けることが推奨されています。「週間走行距離の25%、もしくは150分間の短い方」、という上限です。

 例えば1週間で100km走っている方であれば、一回で走ってよい最大距離の推奨は30kmということになりますね(ペースを落とすと、150分の方で上限がくる場合もある)。

 私自身の試行錯誤の結果、ジョギングをするにあたって注意してきた点を紹介します。

  • ポイント練習に影響が出るほど、ジョギングの負荷を高めることは推奨しない
  • 怪我防止の観点から一回で走る距離には上限を設けたほうがいい(実体験に基づく)

 私自身もこれまで試行錯誤を続けてきましたが、ダニエルズ推奨のEペース上限速度を超えてくると、ジョギングで体が疲労してしまい、インターバル走などのポイント練習をちゃんとこなすことができないようになってしまいました。

 また、一回で走る距離を長くしすぎた結果、疲労が溜まり怪我につながった経験もあります(体験済)。

 そうはいっても、マラソントレーニングにおいて最も重要な位置を占めるジョギングは適正に行いたいですよね。ジョギングの効果を最大限にするため、ジョギングには「バリエーション」をつけましょう。バリエーション例を下記に示します。

  • ポイント練習翌日は「疲労抜きジョギング」と位置づけ、ペースを落としたり距離を少なくする
  • ポイント練習ができなかったときや負荷が少なかった時は、「セット練習」として翌日に「速めのジョギング」を行う
  • ポイント練習という位置づけで「長い距離のジョギング(=ロングジョグ)」を行う

 重要なことは、単なるジョギングでも必ず「目的を持つこと」です。「今日はなぜジョギングをするのか?」を常に問いかけてみてください。目的が無いのであれば、次のポイント練習に向けて完全OFFした方が良いと考えています。

5.ジョギングのフォーム ストライドやピッチは?

 ジョギングについて考え始めている方にとっては結構悩むことなのではないでしょうか。

 ジョギングはフルマラソンやハーフマラソンのペースに比べて遅いため、まったく同じフォームで走ることはできません。ジョギングフォームについても世の中色々な意見がありますので、私自身の例を紹介させていただきます。

 私がジョギングをすると、数値的には「ピッチもストライドも低下」します。例えばペース走ではピッチ180/分、ストライド1.5m/歩くらいあるものが、ジョギングではピッチ170/分、ストライド1.35m/歩のようになります。

 ジョギングするときはピッチもストライドも特に意識はしていませんが、腕振りや地面に接地するときの感覚は速いペースで走るときと変えないように心がけています。意識しているのは「一生懸命足を動かさず楽に走る事」ことですね。

 ジョギングのフォームに正解はありませんが、マラソンやハーフマラソンと極力同じフォームで走った方が良いことには間違いありません。ただし、本当に同じフォームで走ってしまうとジョギングとしてはペースが上がりすぎてしまうので、適度に力を抜いて行いましょう。

 ジョギングの位置づけが、負荷が高い練習の代わりであれば、ジョギングがある程度ハイペースになっても問題ないと思われます。先にも述べましたが、自分の中でジョギングの目的を明確にして取り組みましょう。

 以上がジョギングについての考察でした。

 トップのマラソンランナーでも、その練習のほとんどをジョギングが占めています。毎日のように行うジョギングにも目的意識をもって取り組みましょう!

参考文献:

著:ジャック・ダニエルズ, 監修:前河洋一, 翻訳:篠原美穂
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編集:Iñigo Mujika, 翻訳:長谷川 博, 翻訳:中村 大輔, 翻訳:安松 幹展, 翻訳:桜井 智野風, 翻訳:久保 啓太郎, 翻訳:禰屋 光, 翻訳:伊藤 静夫, 翻訳:相澤 勝治, 翻訳:鬼塚 純玲, 翻訳:田中 美吏, 翻訳:安藤 創一, 翻訳:加藤 晴康
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