こんにちは。syu_hibiです。
大学まで長距離種目の経験が無い市民ランナーです(自己紹介)。仕事・家事・育児をこなす中で、練習は起床直後しかできない環境で、理論に基づくトレーニングによってどこまで記録を伸ばすことができるかチャレンジしています。
今回は、第34回梅村学園陸上競技大会 5000mに出走してきました。
本記事はそのレースレポートになります。
レースにかける思い
いよいよ、2022年のトラックシーズンが始まりました。今回はトラックシーズン初戦となるレースになります。
2021年度は他の優先しなければならない事情により、狙っていた5000mのトラックレースに出場することが叶わず、思ったように記録を残すことができませんでした。
唯一記録できたのが、2021年10月9日に出場した愛知陸橋公認の長距離競技会であり、30℃という猛暑の中、16分14秒という記録でした。
2022年は春から計画的にレースへ出場するために、早めに陸連登録を済ませ、4月からの記録会出場に備えることにしました。
2022年度も主戦場はトラックレースとする予定です。ハーフマラソンやフルマラソンへ移行する前に十分なスピードを身に付けること。トレーニングでの負荷を徐々に上げ、長い距離のロードレースに向けたトレーニングでも怪我をしないこと。これらを念頭に置き、トラックレースで記録を残していきたいと思います。
今回はシーズン初戦とは言え、公認となる重要な記録会。1週間前から走行距離のみを落とすミニピーキングを行い臨みます。
本レースの位置づけ
シーズン初戦ではありますが、自己ベストを更新・16分切りを達成したいレースとします。
2021年度はトラックレースを主戦場として取り組んできたものの、記録会への出場機会に恵まれず、思ったように記録を残すことができませんでした。
仕事が忙しい時期と重なってしまい、結局本気でピーキングした5000mレース1本のみでした。猛暑の中のレースであったため、思ったよりもタイムが伸びませんでした。
2021年度の最終レースとして臨んだ3月の名古屋シティマラソンでは、絶好のコンディションの中、1時間12分29秒(自己ベスト)を記録することができ、着実に実力が向上してきています。
しかしトラックレースは、ロードレースで発揮できた実力をそのまま発揮できるか?と言われると、そうではありません。
普段、陸上競技場で全く練習できていない・スパイクも履けていない中、いきなり陸上競技場でスパイクを履いて記録を出さなければならない。そのように、ほとんど普段のトレーニングから準備ができない中でのトラックレースになるため、実力通りの記録を出すことは非常に困難です。
それでも最近は、特にシューズですが、トラックレースにおいても「ナイキ ドラゴンフライ」のように、ロードレースで使用するレースシューズに近い感覚で使用できるスパイクが登場し、ロードレースからトラックレースへの移行がスムーズにできるようになってきました。
また、4月からは仕事の環境が大きく変わる予定であり、徐々にトラックでのトレーニングができる環境が整ってきそうです。これまで起床直後にしかトレーニングができていなかったものが、昼間や夕方にスパイクを履いて競技場でトレーニングを行うことができるということです。
とはいえ、現在の実力でも十分に16分切りを目指せる位置にはいると思っているため、今回のレースでは「現在のトラックレースにおける実力確認」の意味も込めて、最大限の努力をしたいと考えています。
目標とレースプラン
今回のタイム目標は15分40秒です。
上で記載した通り自己ベスト更新・16分切りが最低目標ですが、最低目標をタイム目標にしてしまうと、それ以上の記録を出しにくくなってしまいます。
普段のトレーニングやハーフマラソンの結果、同じような実力のランナーの記録を見ている限り、15分40秒~15分50秒は記録できると考えています。
ただ、今回の競技会は天候のコンディションと同組で出場するランナーの条件が非常に悪いです。
まず天候は小雨予想。気温も低くなりそうであり、この時期としては筋温低下の要因となります。また、雨が降るということは風がある可能性が高く、これも悪条件の一つです。
続いてともに走るランナーですが、事前に調査を進めたところ、自分の目標がちょうど中間であり、他ランナーの実力が「速い人と遅い人で二極化」している状態です。
自分よりも圧倒的に速い人か自分よりも割と遅めな人が両極端にエントリーしている、という状態です。自分と共に集団走ができるランナーがほぼいない、と予想されます。
このような状況でのレースプランとしては、
- 少し速くても、前の集団の最後尾について何とかついていく
- 周りを気にせず自分の目標ペースで進む
の二通りがありますが、今のところは、少し速くても前の集団についていく、ことを選択しようと考えています。
およそ今の実力から予想される3000mの記録が9分10秒あたり。例えば、5000m 15分30秒でフィニッシュするペースで進むとすると、3000m通過は9分18秒となり、そこで打ちあがることは無いと予想します。
従って今回のレースでは、3:05/kmのペースまでは集団について走ることを選択し、それ以上のハイペースになるようであれば迷わず単独走を選択する、という方針にします。
ただ、15分30秒でフィニッシュするペースで進んだ場合はほぼ確実に3000~4000mでペースダウンをすることとなるでしょう。そうなると、実力を十二分に発揮し自己ベストを大幅更新することはできなくなりますが、そこから何とか耐えて最低でも16分切りは達成する、という方針としたいと思います。
レースレポート
3月の公道ハーフマラソンレースに続き、念願の公認トラックレースだ。
2021年11月にピーキング無しで出場した5000mレース以降となるため、約4か月振りとなる。陸上競技場で走るのも同様に4か月ぶりだ。
ただ、こういう日に限って天候は朝から小雨。今日一日ぐつついた天候が続く予報となっており、おそらく走る時も降ったりやんだりの状況であると思われる。
また、他にも懸念事項が。それは家庭内情勢である。
4月はトラックレースが多く開催される月であるため、出場したいレースが多い。多くのレースがある中で4月に2回だけ、レースを予定しようとしたところ、妻から猛反発を食らってしまった。
いい分としては、「4月は季節が良いから家族でのお出かけを最優先し、それ以外の予定は入れないでほしい」。直前まで天候の様子を見て天気が良かったら外に家族で出かけれるようにしてほしい、ということだ。
陸上の記録会にエントリーしようとすると、どうしても10日前程度にエントリーし、費用を支払っておく必要がある。また、多くの記録会があるとはいえ、出場できるならどのレースでもいい、というわけではない。
さらに「天候が良かったら出かける=レースに出れるのは天候が悪い時???」という図式が成り立ってしまう。はっきり言うと、「レースに出るな」ということと同義である。
ただ、妻が普段遊んでいるわけでもなく、私自身が土日に予定を入れることがほぼであるため、強くは主張できないのも事実である。
そんな、少し険悪なムードの中出場することになるときは、これまでの経験からすると良い記録がなぜか出ない。
少し話が反れてしまったが、起床時刻はほぼ平日と同じ4時40分。いつも通りの朝食をとった。まずは今日の荷物を準備する。
今回のランニングギヤ。
- エアロスイフト シングレット
- エアロスイフト ランニングショートパンツ
- ドラゴンフライ
- Tabio レーシングプロ 5本指
- エアフライ AF-301
今回のトラックレースから、エアロスイフトのショートパンツを導入した。前から欲しいと思っていたが、結構高くて手が出なかった中、セールでだいぶ安く購入できた。
これまでは2XUのハーフタイツを使用していたが、正直トラックレースでは少し使いにくい印象があった。できるだけ身軽に可動域を妨げないパンツの方が良いと思って、エアロスイフトに変更した。
今日のレース会場は豊田の中京大学だ。自宅からのアクセスは悪く片道1.5時間はかかる。招集が15時30分~15時50分の間であり、招集時に腰ナンバーをもらうことになっている。
それまでにジョギングを終えスパイクを履く直前で招集を受け、腰ナンバーを付けたのちにスパイクに履き替え、最終アップをしてからレースに臨むことにする。
会場には少なくとも14時40分頃には着いておきたい。そうすると家を出るのは13時過ぎとなる。
少しでも朝の険悪なムードを和らげようと、早朝からカレーを作ったりした。朝一から家事に貢献する。そうこうしていると妻が珍しく娘よりも早く起きてきた。そこまで不機嫌ではなさそうだ。
妻が好きなマッサージを提案した。マッサージをしながら、土日、月二回の趣味を許してほしいと話し合い、なんとOKをもらった(当然条件付きではあるが、詳細は伏せさせていただく)。また、本題である、4月からの大きな職務変向がある事、出張が入りそうなこと等も話した。
仲直りを果たし、「これでレースへの準備は9.5割整った」と感じた。どんなことよりも家族と楽しく生活してこその趣味だ。
いつもと違い、レースが午後であるため軽く昼食をとった。そして予定通り13時に家を出る。
最寄り駅から、妻は娘と共にダンス教室へ。私はレース会場である豊田に向かう。道中でレッドブル330mlを飲み干し、足りないカフェイン分を追加するため、もう一本レッドブル250mlを買って飲んだ。いつもならコーヒーで済ませるが、今日は時間が無い。
中京大最寄りの貝津駅に到着し競技場へ向かう。大学に着くと改修したばかりのキレイな競技場が現れた。荷物を置く場所も濡れない屋根付きの人工芝エリアがあり、非常に快適だ。トラック表面も改修したばかりであるため、非常に綺麗だ。
ガーミンのトラックランモードを機能させたいため、トラックの1レーンを使って4周だけ走った。その後、大学構内に移動しウォームアップを実施。いつも通り、ウォームアップではTotalで5km程のジョギング。
招集を無事に済ませ、いよいよレースが近づいてきた。ドラゴンフライに履き替え、軽く流しをする。流しの感じは悪くない。
16時になり、いよいよスタートだ。
当然入りの200mは速くなることが多く、今回も他レース同様入りは速かった。いつもなら速い入りに対してもどちらかというと「かなり抑えてやっと目標ペース」くらいなのだが、今日は違った。
最初の400m通過は75秒。いつもなら足の運びが詰まるくらい抑え目でもこの程度のタイムになるはずが、結構な努力感を伴っている。正直、最初の一周で「今日15分台は厳しい」と感じた。
案の定、2周目以降は75秒台を維持することもできず、76秒~79秒へと徐々に落ちていく。3000mを通過する頃には、3:20/km程度まで落ち込んでしまった。
これまでトレーニングにおいて意識してきた、ランニングピッチを上げてペースを戻そうと試みたが、それも全く効果が無い。呼吸に余裕があるため、後傾しそうな上体を前傾維持にしてみたりする余裕はあるが、それでもペースが上がらない。
とにかく脚が回らない。最後にペースアップする気力もなく、16分26秒06(公認速報記録)でフィニッシュした。
レース振り返りと今後
レース結果16分26秒から算出されるVDOTは62.6。3週間前のハーフマラソン記録から算出されるVDOT65.4と比較しても、結果は悪いです。
悪い記録から目をそむけたくはなりますが、今の実力だと認め、しっかりと向き合っていきたいと思います。
今回も胸ベルト心拍センサーは非着用であるため心拍数データは参考程度ですが、ランニングダイナミクスポッドを着用して走ったため、心拍数以外のデータはある程度正確にとれています。
記録がなぜ悪かったのか、まずはデータで比較していくことにしました。さらなる高みを目指すため、まずは日本最高レベルのランニングデータをベンチマークしていくことにします。
2020年10月に行われた日本選手権5000mにおける、坂東選手・松枝選手・吉井選手のデータがネット上に掲載されていたため、一部引用させていただきました。
1950m地点 | タイム | 身長 | Pitch | Stride | 身長比Stride | GCT | ピッチ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
坂東悠汰 | 13:18 | 190 | 194 | 1.82 | 0.96 | 165 | 3.24 |
松枝博輝 | 13:24 | 175 | 197 | 1.8 | 1.03 | 159 | 3.29 |
吉井大和 | 13:25 | 168 | 197 | 1.87 | 1.11 | 132 | 3.29 |
管理人 | 16:25 | 179 | 183 | 1.75 | 0.96 | 185 | 3.05 |
差分 | -7.3% | -2.8% |
最も身長が管理人に近い松枝選手と比較したところ、明らかにランニングピッチが少ない(-7.3%)ことが分かりました。
レース中に感じた脚が回らない感覚とも整合しており、明らかな改善点だと分かります。ランニングピッチ183というのは私自身がハーフマラソンを走りきるときのピッチとほぼと同等かむしろ少ないです。
基本的にエリートランナーと一般ランナーで差がでるのがストライド長です。しかし、私の場合ストライド長は割とエリートランナーに近いです。自分の身体機能に見合わないストライドで走ったため、必要以上に筋力を使い筋疲労がすぐに出てしまったと考えられます。
従って、今回のレースにおいて記録が出なかった要因としては、私自身にとって負担が大きいストライド長で走ってしまったため、ランニングエコノミーの低下(筋発揮能力の低下)が発生したことが挙げられます。
ピッチが上がらなかった要因として下記の要因を考えています。
- 陸上競技場、スパイクを使用したトレーニング不足
- ランニングピッチを高めた時の走行感覚が無い
- 解糖系トレーニング不足
- 身体機能的にピッチを上げることができない
1.については、普段のトレーニング環境が起因しています。陸上競技場を使うことができない早朝のみのトレーニングであるため、スパイクを履くこともできません。ただこの点については、4月以降、競技場を使って練習できる時間を確保できそうな見込みです。
2.は、1.とも関連しています。スパイクで競技場を走っていないため、ランニングピッチを高めた際の走行感覚がありません。今回の5000mレース中は「もっとハイピッチで走っている」と思っていましが実、際にはハーフマラソンにも満たないピッチしか実現できていません。
1.、2.はともに、トラックでのトレーニングを積んでいく中で少しづつ慣れていく部分だと考えています。
一方、根本的にタイムアップを目指すためには3.、4.の改善が必要です。2022年2月以降は解糖系トレーニング(ヒルスプリント)をやめ、ハーフマラソンレースに向けたLTトレーニングを中心に行ってきました。ただ、ウィンドスプリントなどは継続的に行ってきたため、最低限維持はできているはずです。
解糖系への刺激はトラックでトレーニングをする上で同時に達成できるので、根本的なタイムアップを狙うアクションとして「そもそもランニングピッチを高めていくためのフォーム・意識」を獲得することを目指します。
4月にはトラックレースがいくつか開催されるため、もう一回はレース出場を考えていましたが、現状で出場してもよい記録を出すことはできません。従って、4月のレース出場はすべてやめることにしました。
まずは、上記改善点を克服しランニングデータで明らかに改善されたことが確認できるまで継続しようと考えています。実力確認として5月以降の競技会を考えています。
今回の結果を今の実力であると受け止め、さらなる高みを目指していきます。
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