【パラチノース】を使ったフルマラソン向け「カーボローディングテスト」

皆さんは、フルマラソンに向けて「カーボローディング」をしていますでしょうか。カーボローディングをスムーズに成功させることは意外と難しく、慣れないことをしようとするとレース前に思わぬトラブルにつながったりします。
カーボローディングは、フルマラソンレース前にできるだけ体内にグリコーゲン貯蔵量を増やすことで、フルマラソン後半でのペースダウンを防ぐ手段です。
今回、私の方からパラチノースのメーカーであるDM三井製糖様にお声かけさせていただき、その子会社で販売・マーケティングを担当する株式会社YOURMEAL様にパラチノースをご提供いただきました。
今回、3月の琵琶湖マラソンに向けて、パラチノースを使ってフルマラソンに向けたカーボローディングのテストを行いました。テストとして使ったのは2025年12月21日に開催されたみえ松阪マラソンです。
ここでは、なぜパラチノースをカーボローディングの糖質源として使おうと考えたのかについて説明し、カーボローディングのテスト結果を紹介します。
本記事を読めば「フルマラソンに向けたカーボローディングでパラチノースを使うのにどういう摂取方法がおすすめか」が分かります。
なぜカーボローディングの糖質源にパラチノースを使おうと思ったのか
フルマラソンに向けたカーボローディングとして最近採用されている方法としては「改良法カーボローディング」です。
- レース1週間前から運動時間を90分から徐々に短くしていき、レース2日前には40分になるようにする
- レース6日前~4日前:糖質の比率が50%の食事をとる
- レース3日前~1日前:糖質の比率が70%の食事をとる
改良法カーボローディングでは、トータルの食事量は変えずに食事における糖質と脂質の割合を変えることとトレーニング量を減らしていくテーパリングを組み合わせることで筋グリコーゲンを蓄える手法です。
日本人は普段の食事に占める糖質量がおよそ50~60%であると言われており、レース3日前くらいまでは練習量をただ減らすだけでエネルギーの消費量が低下するため、自然と「カーボローディング」になっています。
ところが、レース3日前からはさらに糖質量を増やしていく段階になります。普段慣れない量の米や小麦粉を摂取すると、普段とは異なる栄養比率で体内に吸収されることになるので、吸収が上手くいかなかったり、おなかの調子が悪くなったりする可能性があります。
また、食事での米や小麦摂取量を増やすと食事前後での血糖値変動が大きくなります。米や小麦はGI値が高く、血糖値を急激に上げやすいためです。
血糖値変動が大きくなると、血糖値が急低下する際に眠気や疲労感を感じたり、インスリンの過剰分泌によって糖質を摂取してもそれが脂肪として体内に蓄積される可能性があります。
カーボローディング期間におけるこれらの課題を解決するべく、糖質源として「パラチノース」に着目しました。パラチノースは吸収が非常にゆっくりな糖質であり、摂取前後でほとんど血糖値変動を起こしません。
また、吸収が緩やかであることから体への負担も小さいと考えられます。
これらの理由により、今回パラチノースをカーボローディングの糖質源として採用しました。
カーボローディングとしてのパラチノースの摂取テスト内容
みえ松阪マラソン2025にて実施した、パラチノースによるカーボローディングテストの内容は以下の通りです。
カーボローディングとしてのパラチノース摂取方法
今回、パラチノースを以下のように摂取しました。
- レース5日前から毎日15時にパラチノースを30g摂取
- ノンカフェイン飲料に溶かして飲む
- パラチノース以外の食事量は変えない
普段通りに食事を摂るため、最も食事間の時間が空く15時に摂取する設定にしました。また、カフェイン飲料を15時以降に摂取すると睡眠に影響があるため、ノンカフェイン飲料を使いました。
また、パラチノース以外の食事量は主観的な空腹感にしたがって、いつも通りの量を食べました。レースに向けてテーパリングとしてトレーニング量を落としていたので、その分多少食事量は減っていた可能性はあります。
レースに向けたテーパリング
レース前1週間のトレーニングは以下の通りです。普段は105km/6日間(月~土)の走行距離であるのに対し、テーパリング週は70km/6日間まで減らしました。
- 月曜:Easy Jog 7.1km + 補強トレーニング
- 火曜:
AM:Easy 60min
PM:Easy 25min @低酸素トレッドミル - 水曜:
AM:Moderate 30min + 200m * 5
PM:6min * 4 r60s @低酸素トレッドミル - 木曜:Easy 60min
- 金曜:
AM:Moderate 30min
PM:Moderate 25min @トレッドミル - 土曜:Moderate 30min
- 日曜:みえ松阪マラソン当日
パラチノースによるカーボローディングテストの評価方法
カーボローディングの効果は、以下の基準で評価しました。
- 体重の増減(測定機器:Inbody Dial)
- 血糖値のオンラインモニタリング(測定機器:リブレセンサー)
- 主観的な内臓状態の評価
もちろん、レース当日のレース記録が重要であることは間違いないのですが、レース記録はカーボローディング以外の要因で大きく変わるため、レース記録そのものは参考程度とすることにしました。
糖質が筋グリコーゲンとして体に蓄えられるとき、糖質:水分が1:3の割合で貯蔵されていきます。カーボローディングが成功した場合には有意に体重が増えると考えられます。
したがって、テスト結果の評価基準は「体重の増加」を指標とすることにしました。

また、血糖値のオンラインモニタリングを行い、糖質摂取前後での血糖値推移を確認しました。カーボローディングの過程で普段よりも多くの糖質を摂取することで血糖値の上下動が大きくなり、体調に異変が発生する可能性があるためです。
主観的な内臓状態も監視することで、カーボローディングに対して感じているストレスも評価しました。
パラチノースによるカーボローディングのテスト結果
パラチノースによるカーボローディングのテスト結果は以下の通りです。
体重の推移
まず、前提として私自身の2021年以降体重推移は以下の通りです。毎朝起床直後に測定した結果です。青点は体重の推移、赤線は過去30日の平均体重、緑線は過去30日間の体重振れ幅となります。

私自身の体重推移に関して要点をまとめると以下の通りです。
- 2025年12月付近では、体重振れ幅が±0.35kgの範囲
- 直近1か月の平均体重は64.0kg
これらのことから、体重が増えても64.4kgくらいまでは日常の変動範囲内であり、カーボローディングに成功したと言えるのは「レース当日の朝、体重が64.5kg以上であった場合」だと言えそうです。
今回のカーボローディング期間における体重推移と最終的な体重は以下の通りです。

カーボローディング期間に入ってからの体重推移を掲載しました。レース当日の体重は64.2kg。カーボローディングが成功した場合の想定体重が64.5kg以上でしたので、有意には体重が増えなかった、という結果になりました。
血糖値の推移
パラチノース摂取前後での血糖値推移を示します。例として2025年12月17日の日間血糖値推移を示します。

事前の想定通り、パラチノースを摂取しても、血糖値はほとんど変動しませんでした。昼食や夕食では明確に急上昇しているので、パラチノースは血糖値への影響がかなり少ない、と言えそうです。
主観的な内臓状態
あくまで主観的な感覚なのですが、カーボローディング中の内臓はとてもいい状態でした。お通じも毎日問題なかったですし、お腹が張る感じも全くありませんでした。
普段よりも糖質は多めだったはずですが、主観的には普段の週と大きくは変わらない状態でした。
パラチノースによるカーボローディングの本番に向けた実践方法案
今回、昼食と夕食の間である15時にパラチノースを毎日30g摂取することでカーボローディングを実行しました。しかし、結果として有意に体重が増えませんでした。
パラチノースをご提供いただいたYOURMEAL様を通じて確認しましたが、パラチノースを単体で摂取すると糖質として体に吸収される可能性は高いようです。したがって吸収されずに排出された、ということはなさそうです。
理論的には、糖質1gに対して水分が3g結合しグリコーゲンとして体に蓄えられるため、5日間の糖質がすべてグリコーゲンに変化した場合は、600g体重が増えてもおかしくありません。
パラチノースの研究部門の方とも相談しましたが、今回体重が増えなかった原因は「食間にパラチノースを摂取したことで夕食の食事量が無意識的に抑えられてしまった可能性」です。
パラチノースは吸収が穏やかで血糖値の変動も緩やかであることから、お腹の減りを感じさせにくくさせます。実際、たった30gのパラチノースを15時に摂取しただけで、満足感を得る事ができました。
夕食の量はあくまでも普段と同じ感覚で食べていたため、15時に摂取したパラチノースの影響により、普段よりも食事量が減少してしまった可能性は否定できません。
パラチノースによるカーボローディングを成功させる対策として、以下の方法が考えられます。
- レース前の食事内容と量を毎回固定する
- 小分けにしてパラチノースを摂取する
- 夕食の後にパラチノースを「追加で」摂取するようにする
パラチノースを食事の前や食事の間に摂取すると、どうしても食事での満腹感に影響を与えます。できる限り食事の満腹感に影響を与えないためには、満腹感をある程度リセットできる「就寝前」がいいと考えています。
そのほか小分けにして摂取する方法もありますが、面倒さや再現性の高さを考慮すると「就寝前の摂取」が最も有効だと考えています。
2026年3月に次のフルマラソンレースが控えているため、そのタイミングで改良型のパラチノースによるカーボローディングを実践したいと考えています。
フルマラソンレースの結果はどうだったのか
パラチノースによるカーボローディングテストを実行し、みえ松阪マラソン2025に出走しました。
結果としては、ネットタイム2時間48分03秒。自己ベストが2時間43分55秒だったため自己ベストは更新できませんでした。
レース当日、スタート前にトイレに行けない、アップができない、前半安定した走りができないなど、タイムが出なかった要因は様々ありますが、37km地点以降明らかに体の糖質が切れてしまった感じがしました。詳細なレースレポートは次の記事です。
改めて、カーボローディングの大切さを感じる結果となりました。3月のレースでは改良型パラチノースカーボローディングで結果を出せるように調整したいと思います。
パラチノースについて
パラチノースはDM三井製糖が登録商標権を持っています。
実は、世間で「パラチノース」と呼ばれているものはDM三井製糖が供給しています。最近、ジェルに含まれる糖質の一部にも使われるようになってきています。
パラチノースは穏やかに吸収される性質を持ち、摂取後の血糖値変動も緩やかです。これは、私が今回摂取した時に測定した血糖値からも明確に示されました。
私自身は、フルマラソンでのカーボローディングで使う以前から、起床直後のランニングトレーニング前に毎回パラチノースを摂取しています。理由としては、起床直後にハードなランニングを行うと、栄養不足気味になりリカバリーが遅れる感覚があったためです。
パラチノースは本来、持続的なエネルギー源としてスポーツの前に摂取することが推奨されています。通常の食事ではエネルギーが賄いきれないように感じている方には特におすすめなので、試してみてください。





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