※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。
【2021年6月名古屋地区選手権10000m③】レース振り返りと今後の方針
こんにちは。管理人のらんしゅーです。
一昨日、名古屋市選手権10000mに出場し、記録は34分52秒(正式タイムは後日)でした。
今の実力からすれば満足のいくレース内容でしたが、今回のレースを最大限活かすべく、レースの振り返りをし、今後のトレーニングを再計画したいと思います。
レース振り返りと記録の価値
レースレポートは次の記事となります。
イーブンペースで巡航し、7000m過ぎから若干のペースダウン。最後800mで再びペースアップし、ほぼ目標タイムである34分52秒を達成しています。
現在行っているトレーニング設定ペースから予想できた記録とほぼ一致しており、今の実力を発揮できたと考えています。
2020年12月に膝を故障し、2021年2月中旬に一度復帰したものの、3月下旬に再び膝を故障。Totalで3か月程度はまともな練習ができなかった中、ようやくここまで復帰できた、と感じています。
タイム的には、2020年7月末に単独のタイムトライアルで記録した、16分48秒/5kmとほぼ同等のレベルです。2020年と比較すると約1.5か月早く仕上がっていることになります。
最大酸素摂取量にフォーカスしたトレーニングを行っておらず、調整無しで臨んだことは、昨年のタイムトライアルと異なる点であり、体の総合的な機能が底上げされていることは間違いないと確信しています。
トレーニングの振り返り
5月中旬からポイント練習を再開しました。主に取り組んできたトレーニング内容は下記となります。
- CVインターバル 1000m×7~8本 Rest200mジョグ60秒
- LT走 6000m
- レペティション 300~400m、1000m
この中でもメインで取り組んできたのがCVインターバルです。およそ10000mのレースペースであり、10000mに対しては特異的な練習であったと言えます。
従って、最大酸素摂取量に近い領域でのトレーニングはこなせていませんが、10000mに向けたトレーニングはある程度行えていたのかな、という感覚です。
しかし、特異的なトレーニングに移行するのは通常、狙ったペースよりも強度が高いトレーニングと比較的低強度なトレーニングで体の機能を高めた後であるべきだということです。
長距離種目において、トレーニングを構築する上で意識すべきことは、トレーニング強度配分です。簡単に結論を書くと、低強度:高強度=80:20となるようにトレーニングを計画することが最もパフォーマンスを引き上げるコツとなります。
このような考え方をPolarized Trainingと言います。要は、低強度と高強度を適切に組み合わせ、疲労しすぎない、持続可能なトレーニング計画を組むことが重要だということです。
よく鍛えられたエリートアスリートに対しては、中強度トレーニングを行ってもパフォーマンスの向上が見られなかった、という結果がいくつかの論文で紹介されています。ここで言う中強度とは、LT強度に値する領域であり、80~88%HRmaxでのトレーニングとなります。
トレーニング強度の最適な配分方法については、次の記事で紹介しています。
この考え方に当てはめてみると、復帰後約1.5か月間、LT強度でのトレーニングはほぼ行わず、低強度のジョギングか、CV強度以上のインターバル及びレペティショントレーニングを行ってきました。その点では、うまくトレーニングを進めることができていると考えています。
トレーニング計画
今年は、秋に5000m、冬にハーフマラソンでそれぞれ記録を狙っています。具体的には、5000mで16分切り、ハーフマラソンでは1時間13分切りです。
秋の5000mまでは残り3.5か月、ハーフマラソンまでは5.5か月と、あっという間に過ぎてしまいそうな期間しか残っていません。
以下が年内の計画イメージです。
今回の1000mレース前3週間でレペティショントレーニングを行い、筋肉への刺激を入れました。続いて、I①→R②→I②と、段階を踏んで少しづつ強度を上げていきます。これらに組み合わせるのはCVペース・Tペースでのトレーニングを考えています。
Iペースでのトレーニング第一フェーズI①では、95%VO2max程度を狙ったトレーニングとします。100%VO2maxでのトレーニングを今時点で開始してしまうと、調子のピークを秋に合わせられない可能性が高くなるからです。
狙うレースの詳細等は、また別の記事にしようと思っています。
強度が高いトレーニングの傍ら、低強度ランによる脚づくりはひたすら進めるつもりです。徐々に走行距離を伸ばし、高強度トレーニングのボリュームを増やせるようにしていきます。
怪我無く、持続可能なトレーニングを積むこと。これが、記録向上に最も重要な要素となります。
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