- 評判がいい、ブルックスのハイペリオンテンポが気になっている
- ジョギングからペース走まで使えるオールラウンドなシューズが欲しい
- 薄底の接地感を残しつつ、クッション性が高いシューズを探している
最近ランナーの間で評判がいいハイペリオンテンポが気になっているランナーの方が多いのではないでしょうか。
しかし、ハイペリオンテンポは価格が高めであり、手が出しにくく悩んでいる方も多いと思います。
私は、社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程走り、競技志向でランニングに取り組んでいます。
私自身はハーフマラソンで1時間12分28秒程度(2022年3月)の実力です。
スペック面などの説明はわずかにとどめ、使った感触や走行感、どのようなシーンで使いやすく感じるのかなど、あくまで私自身の経験に基づいたレビューに重きを置こうと思います。
本記事を読めば、ハイペリオンテンポの特徴が分かり、購入すべきかどうか決断することができると思います。
私の、ハイペリオンテンポの印象は、「癖が少なく、どんなシーンでも使えるオールラウンドシューズ」です。
ハイペリオンテンポは、癖が少なく、どんなシーンでも使えるオールラウンドシューズ
2023年11月現在では、ハイペリオンテンポは廃盤になり、ハイペリオンマックス・ハイペリオンの2種類が発売されています。
ハイペリオンマックスは、ハイペリオンテンポの上位互換だと感じています。気になる方は以下の記事をご参照ください。
ハイペリオンテンポを履こうと思った理由
私自身のポリシーとして、普段のトレーニングにおいて、すべてを厚底に頼ることはせず、一部のトレーニングは必ず中厚底以下のシューズを使用するようにしています。
その理由は下記となります。
- 厚底で疲労する筋肉部位と中厚底以下で疲労する部位が異なる
- 厚底で培った前傾と接地感覚を中厚底以下のシューズで表現する
ヴェイパーフライネクスト%やメタスピードスカイを使用すると、ほぼ必ずと言っていいほど臀部からハムストリングスにかけての張りが強くなります。
明らかに大腿部から臀部にかけての筋肉が動員されていることを感じます。
このような厚底特有の体の使い方は、長く速く走るためには必須だと言えます。それは、厚底が登場して以降、市民ランナーの平均タイムが向上していることからも明確です。
しかし、厚底でトレーニングを重ねることで故障をしている例があるということが話題になりました。
駅伝で有名な青山学院大学では、厚底特有の故障に対応するため下肢アウターマッスルのトレーニングを取り入れている、ということもあります。
一般市民ランナーの私は、故障に応じた補強トレーニングを適切に取り入れることが難しいため、厚底シューズの使用頻度を控えることで故障を未然に防ぐことにしました。
Easyジョグや少し速いModerateペースのジョグ、ロングジョグ等では、疲労を抜く目的が無い場合に、比較的薄底のシューズを選択しています。
また、厚底で表現できていたランニングフォームは中厚底以下のシューズを履いたときにも効力を発揮します。
厚底と同じようなフォームへと半ば強制的に矯正されることで、中厚底でもそれなりのフォームで走ることができます。
ただし、中厚底を履いている時は、良いフォームを「意識」する必要があります。速く走るための体の使い方を意識的に出来るようにするため、中厚底以下のシューズは重宝します。
Easyジョグからインターバルのペースまで使用できそうな、中厚底以下のシューズを探していたところ、ハイペリオンテンポに出会いました。
Youtube等でも評価が高く、少し値段は張りますが、試してみることにしました。
1足目を500~600km履いた結果、その良さに納得し2足目を手に入れました。
普段シューズをリピートすることは少ないのですが、ハイペリオンテンポはそれだけ良く感じました。
スーパーオールラウンドシューズ
ハイペリオンテンポを一言で表すとすると、「スーパーオールラウンドシューズ」です。
Easyジョグからインターバルペース、さらにはレペティションペースのトレーニングまで、すべて一足でカバーできます。
例えば、「旅行先で走りたいが靴は一足しか持っていけない、でもポイント練習もしたい!」と思うようなことがあっても、ハイペリオンテンポがあればすべて解決します。
シューズレビュー
フィット性、足当たり、サイズ感
ハイペリオンテンポを使って最も良いと感じたのは、フィット感の良さと足当たりの柔らかさです。
足当たりが非常に柔らかいながらも、フィット性は高く、スプリント系のトレーニングを行ってもシューズ内で足がぶれることはありません。
足当たりの柔らかさがあるため、とりあえず迷ったらハイペリオンテンポを履いてしまう、そんな感じです。
参考程度にサイズ感を記しておくと、私は普段27.5cmのシューズを使用しています。
ペガサス、ヴェイパー、メタスピードスカイ等、すべてのシューズで27.5cmです。ハイペリオンテンポについても、同様に27.5cmでジャストフィットでした。
クッショニング
ハイペリオンテンポはその重量が207g(27.5cm、実測)と、とても軽量です。
しかし、そのクッショニングは秀逸で、ちゃんと地面での接地感を感じながらもクッショニングもそこそこあり、厚底と薄底のいいとこどりしたようなシューズになっています。
クッショニングの良さがどのくらいかというと、「毎週2時間のロングジョグに使用できる程度」、と言えばわかりやすいでしょうか。
足底への突き上げ感覚も少なく、ロングジョグの後に疲労が残ることもありませんでした。
私は3か月間程度ハイペリオンテンポによる2時間のロングジョグを続けましたが、怪我はありませんでした。
とはいっても、クッションが分厚過ぎないため接地後のレスポンスはとても速いです。少し勿体なくは感じましたが、レペティションペースで行うヒルスプリントでも快適に使用することが出来ました。
まさにオールラウンドなシューズですね。
走行感・反発性・推進力
走行感は非常にスムーズです。軽量であるため、足を回転させやすいです。ランニングピッチが自然と上がってくるような感覚です。
厚底レーシングシューズのように、沈み込んで跳ね返ってくる力を利用してストライドを伸ばしていくようなシューズではありません。
もし、ハイペリオンテンポに、厚底レーシングのようなバウンド感などを求めているとしたら、それは少し当てが外れてしまうと感じます。
反発性は高いレベルにありますが、自分の脚をしっかり使って前に推進させていく必要があります。
繰り返しになりますが、厚底特有の助力感はあまり感じません。ロッカー機能なども強調されていないので、自分の体を上手く使って、推進させていく必要があります。
耐久性
私自身が履き始めて700km程度使用しました
ハイペリオンテンポは、ロングジョグでの使用が最も多く、続いてモデレートペースのジョグ、マラソンペースでのペース走と続きます。
アウトソール(靴裏面)はかなり摩耗に強いと言えます。私自身はアウトソールの外側が削れやすいタイプなのですが、700km以上走った後でも、まだまだ溝が残っています。
※私は外側が削れやすいので、あらかじめアウトソール外側にシューグーを塗って補強します。
ミッドソール(クッション材)は、結構しわが寄ってきました。さすがにこの走行距離となると、仕方ないかと思います。クッション性もだいぶ落ちてきたな、と感じます。
ナイキのリアクトソール等に比べると、耐久性は落ちるかな、といった評価です。
この状態から、後100~200km程度は履けそう、と感じていますが、クッション性が著しく落ちてきた場合には、早々に引退させる判断をしようと思っています。
濡れた路面でのグリップ
ハイペリオンテンポはぬれた路面にも比較的強いですが、特筆するほど強いわけではありません。雨の中、インターバルペース等でトレーニングを行うと、多少滑ってしまうかな、という感覚です。
最近のシューズの中で、ウェットグリップが特に良いと感じるのは、アシックスのメタスピード系です。これは、雨の中使用してもほとんど滑ることなくトレーニングを行うことが出来ました。
私が選ぶ「使用シーン」
ここまで述べてきたとおり、ハイペリオンテンポは「スーパーオールラウンド」シューズです。どのようなシーンでも使用することが可能だと感じます。
ただ、レースシューズとして選択することはないかな、と思います。というのは、助力感が少なく、「今の自分に出来る限り速く走る」という目的は、このシューズでは達成できなさそうだからです。
あくまでもトレーニング用のシューズとして使用していきたいと感じます。
私は主にロングジョグ等で使用してきましたが、特にハイペリオンテンポが活躍するペース帯は、「モデレートペースからLTペースくらい」だと思います。
余裕を持った中で接地等を意識しながら走ることが出来るペース帯で、活躍してくれるのではないかと思います。
※モデレートペースとは、Easyペースの中でも速いペースの領域を指しています。Easyペースなどの概念が分からない方は、次の記事を参考にしてみてください。
値段と購入方法
値段は定価19800円(税込み)です。発売開始してから結構な年月が経っていますが、オンラインショップでは、そこまで大きなセールはかからないようです。
基本的にはAmazonや楽天市場で購入することがおすすめですが、およそ13000円~16000円の範囲で購入できるようです。
ハイペリオンテンポは、トレーニング用の中厚底以下ランニングシューズとして非常に優秀なシューズであると感じています。
トレーニングにおいて、厚底ではないながらも怪我を予防できるようなシューズを探していらっしゃるならば、是非本文を参考にして、試してみてはいかがでしょうか。
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