- ランニング・マラソンの練習方法を勉強するためのおすすめな本は?
- 記録向上のために本気でランニングを勉強したい
- 正しいトレーニング理論を学びたい
これからランニングを始める初心者の方、練習方法が分からないという方も多いと思います。そんな方に是非読んでほしい本を紹介します。
私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り競技志向でランニングに取り組んでいます。
私自身、「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」に出会って劇的に記録が伸びた経験があり、正しいトレーニング理論を学ぶことの重要性を実感しました。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ以外にも、正確な情報発信のためにいくつかの書籍を読んできました。
今回紹介する本はすべて私自身が所持しているもので、これだけは読んでおいた方が良い、と感じたものです。
これまで一度も、ランニングトレーニングに関する本を読んだことが無い方や、さらに深くトレーニング理論を理解していきたいランナーの参考となれば幸いです。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
1位はダニエルズのランニング・フォーミュラです。2022年最新で第4版まで発売されています。
私が一番最初に出会ったランニングトレーニング理論の書籍であり、今でもその内容を参考としています。
ダニエルズのランニング・フォーミュラで紹介されていたトレーニングを導入したところ、1年間がむしゃらにトレーニングしても全く向上しなかった記録を、たった4か月で超えることができました。
ダニエルズのランニング・フォーミュラの良い点は、トレーニング内容や設定ペースが定量的に、かつ、具体的に提示されているため、どのランナーでもとりあえず実践できる点です。
また、練習内容も比較的実践しやすく無理のない強度にしてあります。本書籍では怪我無く練習を継続することが重要視されているためです。
ただ、記載されている内容の読み取り方によっては、トレーニング強度が高すぎたりすることもあるようです。
まずは本で紹介されている通りにトレーニングをしてみることをおすすめしますが、同時に理論の勉強を進めることで、その人個人に合ったトレーニング内容へとアレンジすることができるはずです。
リディアードのランニング・トレーニング
第2位はリディアードのランニング・トレーニングです。
リディアード理論は、ほぼすべてのエリートランナーが行っているトレーニングの元となっている理論です。
わかりやすい例では、原監督率いる青山学院大学駅伝部のトレーニングもリディアード理論を元に組まれています。
リディアードでは期分けをし、基礎を構築する段階(有酸素能力の発達)、スピードを高める段階(無酸素能力の開発)、コーディネーション(レースに向けた調整)という段階を踏むことが推奨されています。
エリートランナーのトレーニングメニューを見ると、オフシーズンとレースシーズンでトレーニング内容が大きく異なっており、リディアード理論がベースとなっていることがわかります。
ただ、なぜ第2位かというと、ランニングを始めたばかりの初心者ではすぐには真似できないようなトレーニング計画となっており、敷居が高く感じるからです。
具体的には、本で紹介されている走行距離が初心者の方にとってはボリュームが多すぎる点です。
もちろん、初心者でも応用できるような内容の記載にはなっていますが、理論をしっかり理解していないと、走り過ぎによる怪我等が心配されます。
しかし一方で、トレーニング理論をちゃんと理解できていれば、記録を飛躍的に向上できるような内容となっているため、本格的に取り組んでいるランナーには是非おすすめしたい本です。
アドバンスト・マラソントレーニング
第3位はアドバンスト・マラソントレーニングです。
本書籍は主にフルマラソンに向けたトレーニング理論と内容が紹介されています。
トレーニングへの敷居の低さで言えば、ダニエルズのランニング・フォーミュラよりもとっつきやすいです。
なぜ3位かというと、理論の根拠となる記載が少ないかな、という印象を受けたためです。
とりあえず記載のあるトレーニングを愚直に行うだけであれば、初心者でも取り組みやすいためおすすめですが、理論を共に勉強する本としては少し物足りないな、という感じです。
また、アドバンスト・マラソントレーニングを読んでいると分かるのですが、元となっている理論はリディアード理論です。
従って、リディアードのランニング・トレーニングが読み込めているランナーにとっては、読む必要性は低いかと思われます。
乳酸サイエンス
第4位は乳酸サイエンスです。
本書籍ではトレーニング理論というよりも基礎的な運動生理学が分かりやすく学べます。
ジョギングやインターバル走を「何のために行うのか」について根拠から理解したいと思った時に、とても参考になります。
マラソンで好記録を出すために重要な考え方である「乳酸」について深く理解することができます。
本書籍はどちらかというと中級者向けです。サブスリーを既に達成し、さらに上を目指したい、といった方におすすめな本です。
乳酸をどう活かすか 2
第5位は「乳酸をどう活かすか 2」です。
こちらは、トレーニング内容や理論を紹介した本ではなく、運動生理学の一部を分かりやすく解説した参考書となっています。
ランニングトレーニングが進んでくると、各個人によって課題となる能力が異なってきます。
優先して鍛えなければならない能力を理解するためには、運動生理学の知識を導入する必要があり、その一助として、「乳酸をどういかすか 2」をおすすめします。
人が走るためのエネルギーを生み出すためには、主に、脂質を酸化する・糖質を分解する・糖質を酸化する・乳酸を酸化する、の4系統があります。
(これらに加えATP-CP系がありますが、生み出されるエネルギー量はわずかであるため割愛します)。
ランニングトレーニングの目的の大部分は、このエネルギー産生能力の向上にあり、どんな練習でどの能力を向上させることができるのかを理解することが重要です。
そのための理論を分かりやすく手軽に理解できる本として、本書籍はおすすめできます。
トレーニング本に掲載されているトレーニング内容を自分仕様にアレンジしたいと考えているランナーには是非一度は読んでほしい内容となっています。
エンデュランストレーニングの科学
エンデュランストレーニングの科学は、過去の研究データなどが多く引用され、ランニングトレーニングに関わる基本的な知識を説明している本となります。
あくまでも「トレーニングに関わる科学」に話が絞られているので、単純な運動生理学の本よりも、より興味がわきやすい内容になっています。
英語の本を日本語に翻訳していることから、日本語の文章が少しおかしい部分もありますが、かなりためになる内容が記述してあり、ランニングトレーニングに関する基礎知識はこれでかなり網羅できます。
純粋なランニングトレーニング本とはちがい、トレーニングメニューの説明がされているわけではないことに注意してください。あくまでもランニングトレーニングの理論や論文の説明が中心です。
ヒトの代謝
人の代謝機能をかなり詳細に説明した本になります。私自身、代謝についてもっと理解したいと思って購入しました。
下で紹介するパワーズ運動生理学と内容が被る部分もありますが、多少わかりやすく説明されていたり、図での説明があったりして、パワーズ運動生理学よりは多少理解しやすいと感じました。
代謝機能を理解することが競技力の向上に直結はないと思いますが、自分の体で起こっていそうなことを理論から理解するために必要な知識を学ぶことができます。
パワー・トレーニング・バイブル
主に自転車のパワートレーニングについて解説した本になります。
とはいえ、ランニングにも活かせる内容が載っています。ランニングにおいても「ランニングパワー」の測定ができることを知っていますでしょうか?
シューズに着けて測定するもの、ガーミンのランニングダイナミクスポッドでの測定など、実はランニングでもパワー測定が可能です。
自転車の場合、サイクルトレーナーなどを活用すればパワーを基準にトレーニングを行うことができるので、心拍数や走るペースに加えて「パワー」という基準も設けることが出います。
この考え方がランニングにも当てはまる部分があり、トレーニングメニューを立てるときの参考になります。
ENDURE
どちらかというと定性的な説明が多い本になります。
マラソンにおける「耐久力」がどうやって決まるのか?にフォーカスし説明している本です。
耐久力が決まる要因、という切り口から、どのようなトレーニングをすればマラソンの記録を向上できるのかを考えるきっかけになります。
かなり長い文章で記載されているので、単純な読み物としても面白いかもしれません。
パワーズ運動生理学
最後に「パワーズ運動生理学」を紹介します。
運動生理学をガチで勉強したい、そんな人におすすめな本です。大学で運動生理学を専攻しているような人が購入するような本ですので、相当詳しい内容となっています。
値段も超一級で11,000円。
私自身は、正確な情報発信をしたい思いがあったため、しっかり理論を勉強するために思い切って購入しました。
トレーニングを組み立てる上では必ずしも必要なものではありませんが、これ一冊をちゃんと勉強すれば、「運動生理学についてしっかり勉強した」といえるのは間違いありません。
ランニングトレーニングを継続してはいるが、なかなか記録が伸びないなと思っているランナーは多いと思います。
もし、これまで、ここで紹介したどの本も読んだことが無い、という場合は、一度ためてしてみてはいかがでしょうか。記録が劇的に伸びるきっかけになるかもしれません。
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