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【オン クラウドサーファー レビュー】ソフトな接地感と転がる感覚で走りやすさ抜群
- オンのクラウドサーファーが気になっている
- クラウドサーファーの機能や走り心地はどうなんだろう
- クラウドモンスターとの履き分けはどのようにしたらいい?
オンのクラウドサーファー(Cloudsurfer)がランナーの間で評判となっています。クラウドサーファーが気になっているランナーも多いのではないでしょうか。
私は社会人からランニングを始めた市民ランナーです。月500km程度を走り、競技志向でランニングに取り組んでいます。
ここでは、オンのクラウドサーファーについてその走り心地や履き心地、耐久性などについて紹介します。ランナー界隈で有名なオンのクラウドモンスターとの比較も行います。
本記事を読めば、クラウドサーファーがどのようなシューズなのか、皆様が購入すべきかどうかが分かるように説明します。
クラウドサーファーは、久しぶりに衝撃を受けたシューズとなりました。ソフトな接地感と前に転がる感覚が強く、足運びがかなりスムーズにできるシューズです。
接地感は、過去高い人気があったナイキのペガサスターボ2と近い感覚です。
クッション性と軽量性が両立しており、ハーフマラソンペースのペース走程度であれば余裕をもって走れるくらいの高いスペックがあります。
- クラウドサーファーは接地感の柔らかさと前に転がるスムーズさを感じる(まるでペガサスターボ)
- クラウドモンスターよりもスピードが出しやすい
- ジョギングで使うにはスペックが高すぎる。ロングランやペース走で積極的に使いたい
クラウドサーファーを履こうと思った理由
昨年、負荷が高めのポイント練習ではメタスピードスカイなど、本番レースで使う厚底カーボンシューズで走っていました。
一昨年までは、トレーニングではこのような本番用レースシューズを使わないようにしていたのですが、いつの間にか、トレーニングでもタイムを追うようになってしまい、レースシューズを使うようになっていました。
しかし昨年、無理な減量やオーバートレーニングにより股関節を怪我。2023年1月から約4か月間全く走れない状況になりました。
厚底カーボンシューズの最大のメリットは、股関節を大きく動かせるようになることでストライドが伸びていくこと。しかしこれは裏を返せば、股関節に対して大きな負荷がかかるのと同じです。
トレーニングで厚底カーボンレースシューズを履いたことが、股関節に大きな負担がかかり怪我をしてしまった一要因だと考えています。
そこで、普段のペース走やインターバル走では厚底レースシューズを使わないようにし、足の地力を鍛えることにしました。
スピード値が高いインターバルトレーニングではアディダスのタクミセン8を使っています。
ペース走やLTインターバルに使うランニングシューズとして、オンのクラウドサーファーに着目しました。
走り心地:ソフトな接地感と転がる感覚
オンのクラウドサーファーは、驚くほどソフトな接地感と、接地した瞬間に前に押し出される感覚がある、非常にハイスペックなランニングシューズです。
かなりソフトな接地感。クッション性も高い
クラウドサーファーの接地感はとてもソフトです。
単純に柔らかいというわけではなく、ソフトな感覚で踏み込むと力が跳ね返ってきます。
イメージとしては、ナイキのズームXの感覚に近いです。シューズで言うと、ペガサスターボ2やズームXストリークフライ等です。
公式ホームページでは、「新技術のCloudTec Phase™が使われている」と説明されています、クラウドモンスターやクラウドストラトスとは全く違う感覚です。
接地感がソフトなため、クッション性もかなり高いです。
前に転がる感覚で足運びがかなりスムーズ
クラウドサーファーは強いロッカー構造を有しています。ロッカー構造とは、シューズのソールがゆりかごのような形になっていることを指します。
前に転がる感覚自体は、アシックスのグライドライドなどに似ています。しかし、ランニングシューズ自体の軽さとクッションの性能によって、グライドライド等よりもはるかに速いペースで走ることができます。
推進性は中程度
ロッカー構造と軽量性が両立されていますが、推進性は中程度だと感じます。
プレートが入っていないにも関わらず、プレートが入っているかのような推進性があります。そのためペース走や遅めのインターバル走など、多少速いペースにも十分に対応しているシューズです。
ただ、速めのインターバルやレペティショントレーニングには、向かないと感じました。理由としては、踏み込んだ後のレスポンスが少し遅く反発性が低いためです。
足の回転はしやすいですが、自分の足で推進力を生みだしていく必要があります。
履き心地:足当たりが柔らかい
アッパーの素材はエンジニアードメッシュという素材で、とても柔らかく、足を包み込んでくれます。足の甲がシュータンやひもなどと当たって痛い、という感じもありませんでした。
ひも通しの部分は、一部ワイヤー構造になっています。ワイヤー構造になっていると、靴紐を占めた時のフィット感が高まります。
また、布が破れないように補強されているので靴紐部分も耐久性は高そうです。
クラウドサーファーの外観
クラウドサーファーの外観を補足します。
オンのランニングシューズは、デザイン性が高いものが多いように感じます。クラウドモンスターも普段履きと併用できるくらいのデザイン性だと思います。
クラウドサーファーのインソールは外れるタイプになっています。
かかと側には、Onとスイスのマークがあります。
クラウドサーファーとクラウドモンスターの違い
オンのランニングシューズで最も人気があるシューズがクラウドモンスター(Cloudmonster)です。クラウドサーファーとクラウドモンスターの違いが気になっているランナーもいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらが、クラウドモンスターです。
個人的に、クラウドサーファーとクラウドモンスターは、履き心地や走り心地は大きく異なるものの使用用途としてはかなり近いです。
クラウドサーファーとクラウドモンスターの違いをまとめると次の通りです。
特徴 | クラウド サーファー | クラウド モンスター |
---|---|---|
履き心地 | 〇 | 〇 |
推進性 | △ | ◎ |
クッション性 | 〇 | 〇 |
足の回転のしやすさ | 〇 | △ |
スピードの出しやすさ | 〇 | △ |
推進性はクラウドモンスターの方が上だと感じます。クラウドモンスターにはプレートが1枚入っていて、ちゃんと踏み込むと一歩あたりのストライドがかなり伸びます。
一方、クラウドサーファーは足の回転(ピッチ)を上げやすいシューズです。
結果的に、クラウドサーファーの方が少し速めのペース帯のトレーニングに適しているように感じます。
サイズ感、重さ(重量)
クラウドサーファーのサイズ感と重さを紹介します。
サイズ感
普段、ナイキのペガサスやヴェイパーフライ、アシックスのメタスピードスカイ、ノヴァブラスト等、すべて27.5cmを着用しています。
クラウドサーファーも27.5cmでジャストフィットでした。クラウドモンスターも27.5cmを着用しています。
重量(重さ)
27.5cmのクラウドサーファーの重量(重さ)を測定したところ、241gでした。
見た目に反して、とても軽いです。
軽量であることも、スピードを出しやすい要因になっていると感じます。
耐久性(寿命)
アウトソールラバーに関しては、前足部がラバーになっています。
クラウドモンスターでは、結構早い段階でアウトソールが削れてきたので、クラウドサーファーの寿命もそこまで長くはないのかなと予想しています。
新品の状態
走行距離260kmの状態
ミッドソールは多少、へたりを感じますが、クッショニングはまだまだ健在です。
アウトソールは、トレッドミルで使っていたこともあり、そこまで損傷していません。オンのランニングシューズの中では、摩耗に強いかもしれません。
使用用途:速いジョギングやペース走用のシューズ
クラウドサーファーは、速めのジョギングからペース走、遅めのインターバルに使いたいシューズです。
ソフトな接地感と推進性を生むロッカー構造、足の回転をさせやすいという性質から、ペース走程度のトレーニングであれば、十分に使うことができます。
特に、足の地力を鍛えるには良いシューズです。プレートが入っていない分、推進力は自分の足で生み出す必要があります。
ランニングを始めた初心者が使う場合は、ジョギングには適していないかもしれません。
安く購入する方法
クラウドサーファーの購入方法としては、Onの公式サイト、Amazonや楽天等の大手通販サイト、店舗販売などがあります。
品揃え重視なら公式サイト、安さ重視ならAmazonなどの大手通販サイトがおすすめです。
本記事では、クラウドサーファーの特徴を、私自身が履いた感触を中心に紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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