【メタスピードエッジパリとスカイパリ】両方買って徹底的に比較レビュー

メタスピードエッジパリ・スカイパリ

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。

こんな疑問を解消
  • メタスピードエッジパリとスカイパリのどちらを選んだらいいかわからない
  • エッジパリとスカイパリのサイズ感が知りたい
  • エッジパリとスカイパリの履き心地や前作との違いを知りたい

 2024年3月、アシックスから待望のメタスピードシリーズの最新モデルが発表されました。メタスピードスカイパリとメタスピードエッジパリの2種類です。

 エッジパリとスカイパリのどちらを買おうか悩んでいるランナーの方も多いのではないでしょうか。

 私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り競技志向でランニングに取り組んでいます。

 私は数年前からメタスピードスカイをレースシューズとして使っていました。ヴェイパーフライネクスト%でも十分に速く走れるのですが、耐久性と沈み込みが気になって、メタスピードスカイに乗り換えた経緯があります。

 今回、メタスピードエッジパリとスカイパリを同時に購入し、両方を履き比べたうえで徹底比較のレビューを行っています。

 本記事を読めば、エッジパリとスカイパリのどちらを選択すべきかを判断することができると思います。

目次

エッジパリとスカイパリを両方購入した経緯

メタスピードエッジパリ・スカイパリ

 私自身、メタスピードスカイがとても自分に合っていて素晴らしいシューズだと感じていました。

 後継として発売されたメタスピードスカイプラスもすぐに購入しましたが、スカイプラスは全く自分に合わず、レースシューズとして使うことはできませんでした。

 メタスピードスカイプラスは、接地した時のミッドソールの反発を活かしきれない感覚がありました。

 踏み込みの力が足りないのか、ミッドソールを潰しきれず、うまく推進性を得ることができませんでした。

 スカイプラスが発売された後でも、引き続き初代メタスピードスカイをレースシューズとして使用していましたが、2023年に廃盤になり手に入らなくなりました。

 そこで発売されたのがメタスピードエッジパリ・スカイパリです。

 解禁された情報から、軽量化がなされ、素晴らしいシューズであると確信していました。しかし、エッジパリとスカイパリのどちらが自分に合っているかは正直わかりません。

 事前の口コミや情報だと、エッジパリの方がいいというランナーが多い印象でした。しかし、スカイパリの接地感が柔らかくなっているという情報もあり「自分で実際に試してみないとわからない」という結論に至りました。

 「両方買って、レースで使わない方はトレーニングで履きつぶそう」と思い、エッジパリとスカイパリを両方買うことを決めました。

 本記事では試し履きだけでなく実際のトレーニングで繰り返し使用した徹底したレビューを行っていきます。

エッジパリとスカイパリの違い

 すでに明らかになっている構造的違いも含め、エッジパリとスカイパリの違いを紹介していきます。

 この項目は、エッジパリとスカイパリを繰り返し履いていき、都度アップデートしていきたいと考えています。

カーボンプレートの入り方とミッドソールの配分

 エッジパリとスカイパリの最も大きな違いは「カーボンプレートの入り方」です。

 エッジパリの方が大きく湾曲したスプーン構造のカーボンプレートが入っているのに対し、スカイパリは比較的フラットなカーボンプレートが挿入されています。

 また、カーボンプレート上下に配分されているミッドソールの量に大きな違いがあります。

 エッジパリは比較的アウトソールに近い部分にカーボンプレートが入っているのに対し、スカイパリはミッドソールの中間にカーボンプレートが挿入されています。

 どちらのほうが優れているか?という問いに対して結論を出すことはできません。しかしこれらの違いが、走行の感覚に大きな違いをもたらしています。

 ちなみに、メタスピードスカイ初代のプレートの入り方も載せてみました。

 エッジパリ、スカイパリ、どちらともカーボンプレートの形状は異なることがわかります。

 プレート上下のミッドソールの配分はエッジパリに近いです。このことからも、私自身の事前の想像としては、エッジパリの方が初代スカイに走行感が近いのかな、と思っていました。

※黒く見える部分はシューグーで補強している部分です。

ミッドソールの幅

 ミッドソールの幅も大きく異なります。

 スカイパリでは、幅が広いカーボンプレートが採用されており、その分ミッドソールの幅を広げています。

 これにより接地時の安定性を高めているようです。エッジパリと比較すると接地時の横ブレが少ないことを明確に感じます。

 横ブレのなさは、股関節周囲へのダメージに大きく影響します。接地時に足がぶれると、ぶれを抑えるための筋力が必要になります。

 疲れてきたときやフルマラソン後半でこのダメージが効いてくるため、安定感の高さは重要な要素になります。

 ハーフマラソン程度では横ブレはそこまで影響しないと思われます。

走り心地・接地感覚・推進性

 エッジパリとスカイパリを別々に解説していきます。

 エッジパリ、スカイパリを使用したのは、以下のトレーニングです。

トレーニングで使用したシーン
  • 4:30~3:55/kmでのロングラン 2時間
  • 3:50~3:30/kmでのテンポラン
  • 3:30~3:00/kmでのインターバル
  • ~3:00/kmでの流し、レペティション

 想定されるペースはほぼすべて、網羅できたと考えています。

メタスピードエッジパリ

メタスピードエッジパリ

 メタスピードエッジパリのファーストインプレッションは「不安定感」でした。

 ミッドソールが柔らかいからなのか、歩いているだけでも横ブレを感じるくらいです。これは、クッショニングの柔らかさから感じる感覚なんだということがわかりました。

 メタスピードスカイ初代・エッジプラス(レンタルのみ)・スカイプラスと履いてきましたが、この中でも圧倒的に柔らかさを感じます。

 また、強く湾曲したプレートが入っているため、「かくん」とした転がりを強く感じます。歩いているだけでも勝手に足が前に転がる感覚です。

 実際に走り出してみると、不安定感は気にならなくなりました。柔らかいクッショニングではありますが、踏み込むとしっかり反発が返ってきます。

 プレートの湾曲もあり、前に押し出される感覚が強いです。強く踏み込み切る前に足が前に出る感覚があります。

 4:30~4:00/kmでのロングランでは非常に助力を感じました。足は勝手に前に出てきます。普段はノーカーボンシューズでロングランを行っているので、それと比較するとかなり助力の大きさを感じました。

 4:00/km付近でのランニングはほとんどジョグの延長線上のような感覚で走れます。力を入れなくても自然にスピードが出ました。

 一方、私自身のTペース付近以上のペース3:30~3:10/kmでは、少し印象が変わりました。

 プレートが湾曲していてロッカー構造が強調されているからなのか、「ため」が作れない感覚です。足を踏み込んだ後、すぐに前に転がってしまうため、1歩ずつのストライドが出しにくいと感じました。

 私自身のマラソンペースではこれがとてもプラスに働いて、最小限の力で前に進むことができましたが、少し力を入れて走らないといけないペースになると、ストライドの出なさを感じるようになりました。

メタスピードスカイパリ

メタスピードスカイパリ

 スカイパリは、前作のスカイプラスとは全くの別物に進化しました。

 私自身、スカイプラスは全く履きこなせませんでした。

 レペティションのように1回1回出力を上げて走るようなトレーニングでは素晴らしいパフォーマンスが出せるのですが、ペース走のような一定のスピードを刻んでいくようなトレーニングだと、うまくスピードに乗れません。

 私自身の感覚なのですが、スカイプラスは前足部のクッショニングが割と硬めで、それを潰して反発を得ることが必要なのですが、その力が足りず、上手く反発をもらうことができなかったと感じました。

 これが理由で、スカイプラスを購入した以降も、初代スカイから乗り換えることができていませんでした。

 スカイプラスの感覚が良くなかっただけに、スカイパリへはそこまで期待していませんでしたが、この考えが見事に覆されました。

 まず、スカイパリのクッショニングの硬さが改良され、柔らかさを感じるようになりました。これのおかげで自分の脚力でもしっかり踏み込めるようになりました。

 4:30~4:00/kmは、私の中ではジョグ~モデレートペースなのですが、このペースで走っていても十分に反発をもらえます。

 また、クッショニングはやわらかいですが、足離れの良さを感じました。エッジパリと違って前に転がる感覚は少ないものの、踏み込んでからの「ため」を作る余裕があり、ストライドが出る感覚があります。

 自分の中では最高にスピード値が高い、3:00/kmを切るような流しのペースでも、レスポンスの良さを感じ、いいペースで走ることができています。

 クッショニングが柔らかいからと言って、レスポンスが遅くなるようなもたつきは感じませんでした。

 ただ、筋力が必要な点は変わらず感じました。エッジパリよりも強い踏み込み力が必要で、これをフルマラソンで続けられるかどうかは正直まだわからない、というのが本音です。

走行データの比較

 走行データは、比較できるような条件のものがそろい次第、都度アップデートしていきます。

 現状で比較可能なデータは下記の通りです。走行データは、Gariminの心拍センサーHRM-Dualと、Garminのランニングダイナミクスポッドで取得しています。

スクロールできます
シューズ距離ペースパワー上下動接地時間ストライド心拍
エッジパリ29.04km4:08/km370w10.8cm186ms1.39m145bpm
スカイパリ29.16km4:07/km367w10.8cm184ms1.38m147bpm
走行データの比較

 ロングランの強度は、私自身にとってModerate強度であり、マラソンペースよりはだいぶ遅めのペースです。

 そのペースで比較すると、両者ほとんど数値的な違いはありませんでした。自分自身のきつさの感覚としてもほぼ同一でした。

 私自身にとってのTペーステンポラン強度やVO2maxインターバル強度で、比較可能なトレーニングデータが収集でき次第、アップデートをしていきます。

サイズ感

 サイズ感を具体的に説明します。

 メタスピードスカイシリーズにて同じ27.5cmで比較すると、

スカイプラス > スカイパリ > 初代スカイ

 の順にサイズが大きいです。スカイプラスが最も大きくできており、初代スカイが最も窮屈にできています。

 私は普段、ほとんどのランニングシューズを27.5cmで着用していますが、初代スカイは28.0cmにサイズアップしないとかなり窮屈でした。スカイプラスは27.5cmでも割と余裕があると感じていました。

 スカイパリはその中間くらいの感覚です。27.5cmでジャストフィット、ワンサイズは上げる必要はありませんでした。

 エッジパリはスカイパリよりも、ほんのわずかですが、小さくできていると感じます。エッジパリの方が僅かにきつく感じます。

 ほかメーカーのランニングシューズと比較すると、27.5cmとしては、エッジパリもスカイパリも、わずかに小さくできていると感じます。特に横幅は普通、もしくは若干小さめ?と感じるくらいです。

 普段27.5cmを履いていて、そのサイズがぎりぎりのサイズではない、という人にとっては、同じサイズでジャストフィット。

 もし、普段ほかのシューズで結構ぎりぎりで履いている方にとってはもしかしたらワンサイズアップしたほうがよい、と思います。

重さ

 27.5cmのメタスピードスカイパリとエッジパリを実測しました。

 メタスピードスカイパリが188gエッジパリが190gでした。

 公式ではスカイパリとエッジパリは同じ重さであるとされているため、個体差による違いだと思われます。

 いずれにしても非常に軽量になりました。ナイキのヴェイパーフライ3でも190gは超えているため、厚底カーボンレーシングシューズの中ではほぼ最軽量となったのではないでしょうか。

メタスピードスカイパリ
メタスピードエッジパリ

私自身の結論

 現段階ではまだ、エッジパリとスカイパリのどちらをレースシューズとして使っていくかについて、私の結論は出ていません。

 今後、繰り返し何度も履いて決めていく余裕を持つために両方購入したとも言えるからです。

 本記事は、エッジパリとスカイパリを繰り返し履いて、都度アップデートしていきます。2024年のマラソンシーズンまではまだ期間がありますので、エッジパリとスカイパリで悩んでいる方は、是非、本記事をたまに訪れてみてください。

 私自身は、2024年3月末にハーフマラソンレースを控えており、そこではスカイパリを使用することを考えています。

購入方法

 メタスピードエッジパリとスカイパリは、アシックスの公式HPや、Amazon、楽天と、様々な場所での購入が可能となりました。実店舗でも発売を開始しています。

 皆さんの参考になれば幸いです。

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