【ナイキ ドラゴンフライ(Nike Dragonfly) 】市民ランナーのレビュー

ナイキ ドラゴンフライ

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。

こんな疑問を解消
  • ナイキ(NIKE) ドラゴンフライを履けば市民ランナーでも速くなれる?
  • ドラゴンフライの耐久性やサイズ感は?
  • ドラゴンフライの入手方法が知りたい

 ナイキのトラック用スパイク、ドラゴンフライを購入しようかどうか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 私は社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り競技志向でランニングに取り組んでいます。

 私自身、ドラゴンフライを履いてトラックレースに何度も出場してきました。5000mの自己ベストは16分01秒です。

 ドラゴンフライは、ナイキ社の商品であり、2020年に発売された長距離用スパイクです。対象競技は主に1500m~10000mとなっています。

 私は幸運にも2020年の末に、私自身はたまたま抽選販売で手に入れることができました

 そんな市民ランナーである私自身が、ドラゴンフライを履いて感じていることを紹介します。

 特に、他のスパイクと比べてどうなんだ?という思いが皆さんにはあると思います。私自身はミズノやアディダスの長距離用スパイクを履いてきたので、それらと比較する形とします。

ナイキ ドラゴンフライについて
  • 重さ153gという軽量性。2022年末現在でも他メーカーのスパイクと比較しても軽い
  • ランニングシューズのようなクッショニング。後半まで脚が持つ
  • ヴェイパーフライネクスト%の方が跳ねるし、推進性がある。あくまで「スパイク」
  • トラックレースで公認記録が欲しい市民ランナーは購入すべき
目次

ドラゴンフライを手に入れた経緯。実店舗でサイズ感も確認

 2022年末時点でもなかなか手に入らないドラゴンフライ。

 私自身は2020年末にStep Sports(ステップスポーツ)実店舗での抽選販売で手に入れました。

 2020年末、Twitterを見ていると、ステップスポーツ名古屋店がこんなツイートを。

  ちょうど膝を故障している時期でしたが、これは何かの巡り合わせに違いない・・・と思い立って、名古屋駅近くのステップスポーツに足を運びました。

 店舗に到着すると、そこには長蛇の列・・・。最終的には100人以上並んでいたでしょうか。

 決められた時刻になると、ステップ店員の方が並んでいるお客様に整理券を配ります。

 その後、配られた整理券と引き換えに、抽選箱から一枚引いて、その番号順にドラゴンフライの購入権を得ることができる、という仕組みです。

 並んでいる間、「各サイズはどのくらいずつあるのだろうか」とか、色々考えてしまいました。並んでいる人の身長を見て、自分と同じサイズを買う人はどのくらいいるのだろうか・・・とか。

 抽選の時刻になりました。結果は・・・

 15番!!!

  「これは間違いなく買える」と確信しました。

 全員が抽選を終えると、引き当てた番号順で列に並びなおします。

 しかし、この時点でも完全に不安が払しょくされていたわけではなく、自分と同じサイズのお客様が数人いた場合、ピンポイントで購入できなくなる、という不安はありました。

 そんな不安を持ちながら、自分が購入する順番となり、店舗に入ります。

 通常、ランニングシューズは27.5cmで履いているのですが(ヴェイパーもペガサスも)、スパイクということもあり、27.5cmと28.0cmを試着しました。

 その結果、28.0cmがちょうどよかったので、28.0cmを購入しました。

 なんと、私が購入したことで、28.0cmが完売してしまいました。本当に危なかったな、と思いました。

 これでめでたく、ドラゴンフライを手に入れることができたのです。

ドラゴンフライの外観、重さ

 こちらが、ドラゴンフライ外観です。

 本当は、白が欲しかったですが、色なんて選んでいる場合ではありません。シューズ袋が付属します。

 重さを測ってみると、5mm二段平行ピン込み(※ステップ店員さんおすすめのピン。ドラゴンフライに付属しているのは、アルミ製のニードルピンです。二段平行ピンは別売り。)153gでした。

 ズームエックスのクッション。スパイクとは思えない分厚さです。

実際に履いてみた 素晴らしい推進力とクッショニング

 二段平行ピンを付けたドラゴンフライで実際に走ってみました。メニューはインターバルです。

 VO2maxインターバルではほぼ自分の最大努力で走る必要があるため、最もシューズの性能に左右されやすいと感じます。

 また、リカバリー区間はジョグとするため、疾走速度を上げた時の感覚が非常に分かりやすいです。

 スパイク自体は初めてではありません。ミズノの超薄底であるクロノディストやアディダスのアディゼロアバンチ(2020年モデル)を履いた経験があります。

 ウォームアップはジョギングシューズであるペガサス36。3kmのジョグと3本のウィンドスプリントを終え、ドラゴンフライに履き替えます。

 履き替えたのち、少し走り出してみると、スパイクとは思えないクッショニングを感じます。少しスピードを上げてみると、クッショニングと推進力が両立する不思議な感覚。

 満を持して、インターバルメニューを開始しました。

 設定ペースが3分28秒/km、レストが200mジョグのCVインターバルトレーニング。過去にも数回同様のトレーニングを同じタイム設定で行っています(アディゼロアバンチ使用)。

 ドラゴンフライで走り始めると、まず一番感じたのが反発力の高さ

 アバンチを履いていると、結構頑張らないとピッチを上げることができなかったのに対し、ドラゴンフライは何も意識しなくても、ランニングシューズと同様の軽さでピッチを刻むことができます

 ZoomX(ズームエックス)の効果であると直感しました。ソールがすべてZoomXであったペガサスターボと同じ感覚です。

 しかし、ドラゴンフライはスパイク。ピッチが自然と上がるのに加えて、反発性とスパイクピンの引っかかりで、素晴らしい推進力を感じます。

 200mの通過が40秒。ほとんど力を出していないのに、3分20秒/kmペースまで上がっていることに驚きです。ペースランニング感覚です。

 以降、順調にメニューをこなすことができました。正直、アディゼロアバンチとの差を感じざるを得ないです。

 余談ですが、スパイクを履いてメニューをこなしたのち、ペガサス36でダウンを行うと、あろうことか、ペガサス36が薄底に感じるほどでした・・・

他メーカースパイクとの比較(クロノディスト、アバンチ)

 長距離用スパイクは他社もいくつか商品がありますが、その中で、私自身が履いた経験があるのが、ミズノのクロノディストアディダスのアディゼロアバンチ(2020年モデル)です。

 比較をするにあたり、気になるところがフィット感、推進力、反発性、クッショニングの4点かと思います。ドラゴンフライを履いた感触を中心に述べていきます。

項目ドラゴンフライアバンチクロノディスト
フィット感
推進力
反発性
クッショニング×
ドラゴンフライ vs アバンチ vs クロノディスト

 ドラゴンフライのフィット感は、アッパーの素材が柔らかいこともあり、悪くはない程度。クロノディストは柔らかい布製なので、クロノディストの方が良いと感じます。アバンチは比較的硬めです。

 推進力は、アバンチと同等くらいだと感じました。アバンチもソールにBoostを使っており、一歩一歩の推進力はあります。短い距離であれば、アバンチの方がスピードを出しやすいかもしれません。

 反発性ドラゴンフライが圧勝です。アバンチと同等の推進力を「少ない力」で実現できます。

 ズームXの効果だと感じます。スパイクとは思えない軽快さで走ることができます。その結果、同じ距離を同じ速度で走っても、ドラゴンフライの方が圧倒的に「疲れない」です。

 ズームXの存在によってクッショニングドラゴンフライが圧勝です。ペガサスターボやヴェイパーフライネクスト%を履いたことがある方であれば、あの感動が分かると思います。

ヴェイパーフライネクスト%との比較:推進力はヴェイパーが上

 トラックでヴェイパーとドラゴンフライを履き比べしました。

 走った条件は、晴れたトラックでインターバルトレーニングです。

 結論ですが、クッショニング、推進力、ともにヴェイパーの方が上です。ドラゴンフライはあくまでもスパイクです。

 ドラゴンフライはスパイクピンが付いているため、スプリントする際のスピードはドラゴンフライの方が出ます。

 素晴らしいスパイクではありますが、異常に速く走れるシューズ、というわけではありません。

ドラゴンフライの耐久性

 ドラゴンフライの耐久性を語ることは難しいと考えています。スパイクを履く人の走力や体重にもよりますし、レース中に接触があるなどしてアッパーが破ける等の事象もあるようです。

 以上を踏まえ、ドラゴンフライの耐久性を私自身の観点から述べます。

 購入してから100km程度走った後の状態です。

アッパー

ドラゴンフライ 上から

 私の場合はまだ破ける様子はありません。

 しかし、トラックレースで他人と接触があり、スパイクピンに引っかかるなどしてアッパーが破けてしまう例もあるそうです。

ミッドソール

ドラゴンフライ 横から

 ミッドソールに皺が寄ってきました。

 ズームXのクッショニングも多少の低下を感じます。

 しかし、ドラゴンフライを使っていて「クッションがへたった」と感じることは、今のところありません。

 ヴェイパーフライネクスト%の耐久性は400km程と言われてています。

 ズームX自体は同程度の耐久性を持っていると言えるかもしれません。

市民ランナーでも買うべきか?

 どんな記録の持ち主でも、トラックレースで少しでも記録を伸ばしたい、という思いがあるのであれば迷わず買うべき、と感じました。

 ヴェイパーフライネクスト%でも感じたことですが、シューズを変えるだけで記録を伸ばせるというのは、今までは考えられないことでした。

 ドラゴンフライのような革命的スパイクシューズが出るまでは、時間をかけてトレーニングを行い、体の機能を高めていく必要がありました。

 その時間を、僅かな投資で自己記録を伸ばすことができると感じました。

 このようなシューズも広くランナーに普及すると、それが基準になってしまいます。私自身の結論としては、迷っているのであれば、買っておいて損はない、です。

 しかし、「トラックでの公認記録が不要でスパイクが必要な大会にも出ない、メインはロードのマラソンであるという市民ランナーには不要」かと思います。

2023年中旬時点でのドラゴンフライ入手・購入方法

 2020年の発売当初と比較すれば入手しやすい環境になってきましたが、オンラインではまだ抽選販売になっているのが現状です。

 ドラゴンフライが購入できるオンライン通販は、ナイキ公式通販、Step(ステップスポーツオンライン)等です。新色が出たタイミングなどで抽選販売が告知されます。

 また、実店舗でもある程度定期的に売られているようです。Step(ステップスポーツ)やB&D等、ゼビオなどにおいてあることがあるようです。

 どうしても手に入れたければ、近くのスポーツショップに出向いてみると、もしかしたら在庫があるかもしれません。

 参考になれば幸いです。

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