2024年12月8日、愛知県東海市で開催された東海ハーフマラソンに出場してきました。
本記事は東海ハーフマラソンのレースレポートになります。
レースの位置づけ
このレースは、もともと年内最大目標にしていたレースでした。1時間15分を切りたいという目標がありました。
しかし、2週間前に出場したつくばマラソンでハムストリングスを故障。軽い肉離れになってしまい、その後完全休養とジョグでつないで、出場することになりました。
幸いにも、治療と療養で痛みはほとんどなくなりました。ただ、違和感が若干残っていて無理をすれば再発の懸念があったこと、心肺機能も低下気味であることを感じたので、100%の努力感で臨むことはできないと判断しました。
直前のトレーニングから、3:40/kmくらいでは余裕をもって走り切れそうな感覚がありました。また、2025年3月に予定しているフルマラソンでは2時間35分切りを目指すことを考えると、3:40/kmがちょうどいい目標になりました。
今回の東海ハーフマラソンでは、3:40/kmで巡行しフルマラソンレースに向けた余裕度の確認をする、という目標にしました。フルマラソンに向けたエネルギー補給戦略も併せてテストしました。
補給戦略の正しさを確認する方法としては、血糖値のリアルタイムモニタリングを活用しました。SympaFitのアプリケーションを利用し、血糖値を解析しながら、今回のレースに臨んでいます。
レース目標
上でも述べた通り、3:40/km前後のラップタイムで巡行することが目標です。
自分にとっては余裕のあるペースなので、誰かの後ろについていくということは考えていません。自分の努力感を感じながら、一定で巡行できるペースに徹しようと考えています。
レースレポート
では、レースレポートです。
起床からスタート直前
起床は4:50。普段よりも1時間近く遅い。
理由は、前日の就寝時間がいつもより1時間遅くなったから。睡眠時間はしっかり確保したかった。
起床直後にいつも通りInbody Dial(インボディダイアル)で体組成を測定。体重64.1kg、体脂肪率7.9%。体重がほぼ自己ベスト時程度に戻ってきた。つくばマラソン後、走れなかった期間に食事制限を進め、無理なく減らした。
体組成を測った後は普段通りに朝食を食べた。ご飯250g、卵2個。普段なら納豆も食べるが、今回は食べないでおいた。プロテインといつものサプリメント(鉄分・マルチミネラル&ビタミン・β-アラニン)を飲んだ。
これまで、レース前の食事は少し気にして量を減らしていたが、2週間前に出場したつくばマラソンである程度多く食べても全く問題ないことが分かり、ちゃんと食べるようにした。
今回のランニングギア。
- エルドレッソ シングレット
- 2XU MCSランコンプショーツ
- プーマ ディヴィエイトニトロエリート3
- タビオ レーシングランプロ五本指
- ザムスト プレシオーネ カーフ
- ザムスト プレシオーネ アーム
- ナイキ エアロビル フェザーライト バンフォレーテッド
- エアフライ AF-305 CYSP
今回は、フルマラソンレースを想定した補給用ジェルのテストを行いたかったので、以下のジェルを使用。
- アミノサウルスジェルエリート 01
- carb デュアルソースエナジージェル
東海ハーフマラソンの会場は、自宅から近い。家を出てから会場まで30分以内には着く。会場では友人と待ち合わせしていたので、待ち合わせ時間に間に合うように準備をした。
普段なら、カフェイン摂取のためレース1.5~2.0時間前にエナジードリンクを飲むが、今回からカフェイン摂取方法を変更。理由は血糖値コントロールの狙いがあったため。
糖質を摂らないようにある程度の濃度が濃いカフェインを摂ろうとすると、錠剤などで摂るか、インスタントコーヒーが選択肢だと考えている。今回はスティックタイプのインスタントコーヒーを準備し、3本分(6g,カフェイン180mg想定)を摂った。
もし家が会場から遠い場合は、スティックとお湯を持参すれば飲める。再現性には気を付けたいところ。
トイレマネジメントも順調に終わり、家を出た。地元の駅はちょうど乗り換えのハブ駅になっており、ランナーがたくさんいた。電車が特に遅れることもなく、予定通り会場駅に到着。友人と合流できた。
レーススタートは9時、会場到着は7時30分。ちょっと早過ぎて待ち時間が長くなった。体も冷えてしまったので、やはり、会場にはできるだけ直前に着くのが望ましいと思った。
スタート地点への整列はレーススタート15分前。今回ウォーミングアップは軽くにしておこうと思っていたので、8時30分くらいから2km程ジョグをした。
レーススタート10分前に、アミノサウルス01を摂取。足りないカフェインの追加と、レース前の糖質摂取が血糖値にどんな影響を与えるかのテストのために飲んだ。
風が強く、スタート前はかなり体が冷えてしまった。スタートと同時に目標ペースまで引き上げることは難しそうだ。
いよいよ、スタートとなった。
スタートからゴール
2024東海ハーフマラソンがスタートした。
今回のレースは風が強く、良いコンディションとは言えなかった。
幸いにも、東海ハーフマラソンは南北東西に走るコースであるため、向かい風と追い風をどっちも使えるようにはなっているが、向かい風が厳しい区間では、メンタル的にも快適ではない。
スタート位置は、Aブロックではあったものの、前に相当人がいる状態だった。タイムを狙っていなかったので、スタート位置にはこだわらなかった。
スタートしてからしばらくは、前に人がいる状態でスピードを上げることはできなかった。徐々にペースを上げていき、入りの1kmは3:57/km。心拍数はマラソンペースよりも上がっておらず、まだ体のエンジンがかかってこない状態だった。
1km~2kmの区間で上り坂がある。この登り坂でペースを落とさず、心肺に刺激を入れようと思った。それがうまくいき、心拍もそこそこ上がってきて、登り坂の後の下り坂でようやく体のエンジンがかかってきた。
2kmの通過は3:40/km、続く3kmが3:35/km。下りを利用して一気に目標ペースまで引き上げた。
そこからは、努力感を一定にするように巡行した。向かい風区間や上り坂では頑張らず、ラップタイムが落ちてもいいと思って走った。結果として、3:40/kmを超えてしまう場面が何度かあったものの、気にしなかった。
きつさ的にはニュートラルな状態。きつくもなく楽でもなく、これくらいなら走り切れる確信があるペース。フルマラソンに一度出場して、ここら辺の感覚が鋭くなった気がする。
6km地点と12km地点で、普段は絶対取らないジェルを摂取した。使ったのはカーボのデュアルソースエナジージェル。
今回のハーフマラソンレースで、あえてジェルを使った理由は、レース中の補給が血糖値にどのような影響を与えるか確認したかったから。
普段のハーフマラソンはあまり余裕のないペースで走っているためジェルを摂る余裕もないが、今回はある程度余裕があるペースだったため、ジェルも問題なく摂取できた。
しばらくそのままのペースで巡行した。フルマラソンのリズムを意識した。風が様々な方向から吹いてきて、努力感を一定にするのが難しかった。
いつもなら、13kmの地点できつさを感じるのだが、今回はそれもない。まだまだ同ペースで巡行できる。ここらへんで、最後までペースを落とさずに行けそうなことを確信した。
14kmで折り返しがあるのだが、それ以降、少し努力感を増す必要があった。向かい風がきつくなる区間だったからだ。きつさはそこそこだが、少し頑張ってペースを維持した。
15,16,17kmと淡々と過ぎていく。向かい風区間もペースを落とさないように少し出力を上げつつ、維持した。
19km以降、少しピッチを上げ戻した。やはり、後半になってくるとランニングピッチが低下してきていた。それまで182回/分前後で刻んでいたピッチは180回/分まで下がっていた。この点は引き続き課題であることを認識した。
20kmからわずかにスパートした。ピッチ180回/分前後で推移していたものを、さらに185くらいまで上げ戻した。故障再発が怖かったのでストライドは広げなかった。3:35/kmくらいまでは上がったと思う。
ラストまでラップタイムは落ちなかった、終始、3:35~3:45/kmの範囲で維持できた。
ゴールタイムは1時間18分08秒。ネットタイムは18分を切れている。故障も再発せず、一安心だった。
振り返り
以下はレースの振り返りです。
レースについて
ほぼ目標ペースだった3:40/kmで巡行でき、満足できたレースだった。レース後の脚の状態も良く、故障の再発の懸念は払しょくされた。
前半からフルマラソンのリズムを意識してピッチを刻んでいった。ハーフマラソン全体を通してほぼピッチを維持することはできたが、細かく見てみると、後半16km以降でピッチが僅かに低下し始めている。
21kmでピッチが維持できなくなってしまっているのは、要改善だと思う。フルマラソンはもっと長く、ピッチを維持するための筋持久力を養っていかないといけないと感じた。
この点は、走って身に付けるべき項目だと思う。ピッチを楽に上げることができる体の使い方を模索し、自然と動かせるようにしていきたい。
今回はCOROS POD 2でランニング上下動などのデータも採った。ただ、腰の位置に装着したレースでのCOROS POD 2データサンプリングは初めてだったので、今後のレースと相対的に比較をして、データの精査をしていこうと思う。
血糖値について
今回のレースにおける血糖値推移は以下の通り。SympaFitのアプリを使用してデータを解析した。
血糖値のオンラインモニタリングをして初めてのレース出場。
血糖値はフルマラソンにおけるパフォーマンスのカギになると考えていて、意図的にコントロールして競技パフォーマンスを高めていくことを狙っている。
今回の東海ハーフマラソンで試したかったことは、以下の通り。
- カフェインの摂り方による血糖値への影響
- レース直前に摂取したジェルの影響
- レース中に摂取したジェルの影響
- レース中全般の血糖値推移の確認
まずカフェイン。
これまでのレースでは、エナジードリンクを使ってカフェインを摂っていた。しかし、エナジードリンクには多くの糖類が含まれており、一気に血糖値が上昇した後にインスリンが分泌されて、血糖値が逆に低下してしまう恐れがある。
せっかくカフェインを摂って、気持ちを高揚させていこうと思っているのに、レース直前やレース中に血糖値が下がってしまうと、パフォーマンスが発揮できなくなってしまう。
エナジードリンクを飲む場合は、トイレのことも考えるとレース1.5時間前くらいには飲むと思うが、これはちょうどレース中に、血糖値が急低下するタイミングに当たる。
そこで今回は、カフェイン摂取を、レース2時間前にスティックコーヒー3本に変えてみた。本当ならもう少しレース直前に飲みたいところだが、レース前にトイレを済ませることを想定して多少余裕を持った。
これが、とても良かった。エナジードリンクを使っていた時はなんだかレース前に良い感覚になれなかったのに対して、今回は不快感もなく、良い気持ちでスタートできた。実はつくばマラソン前もエナジードリンクは使っていなかった。
次に、レース10分前にアミノサウルスジェル01(カフェイン75mg入り)を摂取。カフェインの不足分を補う意味と、レース直前の糖質摂取がレース中の血糖値にどう影響するかを確認。結果としては、低下する局面は見られなかった。
レース中には、6km,13km手前で一本ずつcarbデュアルソースエナジージェルを摂取。普段ならハーフマラソンでは絶対ジェルはとらないが、テストのために使った。
ジェルを摂取したものの、血糖値の推移にはほとんど影響がなかった。レース中に分泌されたアドレナリンによる血糖値上昇の効果が強く、ジェルによる血糖値上昇が見えないと思われる。ハーフマラソンではジェルは不要なのだと思った。
血糖値推移の全体を見ると、SympaFitで紹介されているプロアスリートの例とほぼ一致した。レース終了まで血糖値を高く維持することができており、血糖値的には運動パフォーマンスを発揮するには十分な状態だったことが示された。
走っている時、きつさを多少感じたものの、まだ速く走れる状態で巡行した。これだけ気持ちよく走れるのは珍しい。余裕を持ったペースで走ったこともあったが、精神面と栄養面の戦略が間違っていないことが証明されたと考えている。
一点改善点があるとすれば、レーススタート時の血糖値が少し低い事。130前後でレーススタートとなったが、もう少し引き上げた状態で臨みたい。
ハーフマラソンやフルマラソンはそもそも競技時間が長いので、これくらいの値でも大きな影響はないかもしれないが、これがトラックレースになったら、始めからフルスロットルで走らないといけない。
フルマラソンに向けて、良いテストができた。朝食、カフェインの摂り方、ジェルの摂取タイミング、ウォームアップの時間と強度。これまで感覚でやってきたことが一気に明らかになった感じで、とても良かった。
シューズについて
今回のレースではプーマのディヴィエイトニトロエリート3を使用した。
結果的には後半まで足持ちも良く、快適に走ることができた。
しかし、アシックスのメタスピードスカイパリとどちらが優れているのか?に対しては、明確に回答を出すことは難しい。完全に同じ土俵で比較できることは難しいためだ。
個人的な印象としては、ニトロエリート3の方が接地の安定性が高い。ただ、軽量性はスカイパリの方が優れており、足の回転数はスカイパリの方が上がるかもしれない。
スカイパリでもフルマラソンを走り切ることはできているので、大きな差はないのだと思う。もう少し継続して使用していき、どちらが自分に適しているのかを見定めていきたいと思う。
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