マラソンで自己ベストを更新する方法 その6【効果が高いマラソントレーニング5選】

ダニエルズのランニング・フォーミュラ

こんにちは。管理人のらんしゅーです。

前回は、【レース結果から課題を抽出し、改善する計画を立てる】という内容でした。

レースの記録に最も影響を与える要因が、「トレーニング内容」になります。

 ランナーであればどの方も、できるだけ効果の高いトレーニングを行おうと努力しているはずです。

 トレーニング効果は個人差があるため、その人にとって効果の高いトレーニングは違うと考えられます。

 もしかしたら、「効果的な練習がしたいけど、時間も限られている中、市民レベルで効果的なトレーニングを選びたい!」という思いを持っている方がいらっしゃるかもしれません。

 そこで今回は、市民ランナーである私が体感してきた、【効果が高いマラソントレーニング5選】をランキング形式で紹介していきたいと思います。

 ※あくまでも私自身がトレーニングを行ってきて、効果的だと感じた順にランク付けしていますので、市民ランナーの一意見としてご参照ください。

 基本的に、本記事についても「ダニエルズのランニングフォーミュラ」「リディアードのランニングトレーニング」に基づいています。

参考文献:

目次

第5位:インターバル走

 第5位は、みんな大好き「インターバル走」です。

 インターバル走の目的は最大酸素摂取量(VO2max)の向上です。次の記事でインターバル走について詳細に解説していますが、VO2maxは「全身持久力」を表すものさしです。インターバル走では、体の「総合的な能力」が鍛えられると言い換えることができます。

 特に効果的な、インターバル走を行うタイミングとしては「レース1か月~2か月前」だと考えています。

 ダニエルズ理論、リディアード理論ともに共通して、「インターバル走の効果はピークまで到達する時間が早い」と述べられています。週1~2回程度のインターバルトレーニングを行うと、約1か月で効果がピークに達するようです。

 ピークに達した後からレースまでの期間は調整期間とします。インターバルトレーニングの頻度を下げて疲労を抜きながら、狙ったレースに特化したトレーニング内容へと変更していきます。

 1点注意しなければならないことは、ダニエルズ理論、リディアード理論に共通して「インターバルトレーニングはやりすぎると疲労が溜まり逆効果」とも述べられています。従って、インターバルトレーニングは年間通じて行うというよりも、狙ったレースに向けて、行う時期を明確にした方が良いと思われます。

第4位:距離走(ロングジョグ)

第4位には距離走(ロングジョグ)がランクインしました。

 私自身が距離走を本格的に取り入れ始めてから1年間が経ちますが、感覚としては、「レース結果や練習ペースが安定してきた」と感じています。距離走の効果は「有酸素系能力の発達」であるため、体のベース機能が改善した結果だと考えています。

もう少し理論的に話を進めます。

距離走の目的は基本的にジョギングと同様です。

距離走の目的
  • 心筋を発達させること
  • 毛細血管新生(活動筋に酸素を運搬する微細な欠陥が増える)
  • 活動筋自体がランニングに適応してくること
  • ミトコンドリアの新生/機能向上

ジョギングの目的等は次の記事で紹介しています。

 ランニングを継続している時間が長くなるほど、脂質を使う割合が増加していくことが知られています。脂質を使いエネルギーに変換するのは「ミトコンドリア」です。

 距離走では、脂質を使う割合が高くなる状態までランニングを継続することがポイントです。脂質を代謝する機能を向上させるためには、ランニングを継続する時間を上げ、脂質を使う時間を稼ぐことが重要です。

 従って距離走では、「距離」ではなく「ランニングを継続した時間」に注目して練習を計画することをお勧めします。

 距離走での注意点は、「オーバートレーニングによるケガのリスク」になります。

 ダニエルズのランニングフォーミュラでは、一回で走る距離の上限を決める事が推奨されています。距離走についての詳細な解説も含め、次の記事で紹介しています。

第3位:セット練習

 「セット練習」は、前日に負荷が高いトレーニング(LT走やインターバル走)を行い、翌日にもある程度負荷の高いトレーニングを続けて行う手法、です。よく見かける例としては下記です。

セット練習の例
  • 一日目:インターバル走
  • 二日目:距離走

 セット練習の狙いは、「ある程度糖質を消費した状態で負荷の高いトレーニングを行うこと」にあります。距離走の項目でも述べましたが、ミトコンドリアの観点から、糖質が少ない状態だと脂質を使う割合が増加するため、脂質を使う機能が向上する、と言えそうです。

 注意点は、「疲労の蓄積と怪我のリスク」になります。自分の体と相談しながら取り入れてみましょう。

 有名なマラソンランナーである竹ノ内佳樹選手はセット練習をベースにトレーニングを行っているようです。

第2位:起床直後(朝食前)のトレーニング

 第2位は「起床直後(朝食前のトレーニング)」です。

 私は、市民ランナー・共働き・お互いフルタイム・子育て・家事・育児、全てをこなす必要がありました。その結果、練習する時間が限られていたので「仕方なく」すべての練習を起床直後に行うようにしました。

 やり始めのころは、体が動かない中ジョギングでも辛さを感じていましたが、いつの頃からか慣れてきて、LT走でもインターバル走でも、起床直後にこなせるようになりました

 起床直後にトレーニングを行うことで、実際に私が感じたメリットは下記になります。

起床直後 トレーニングのメリット
  • ランニング以外の予定に左右されず、練習できる
  • レース本番はほぼ朝以降なので、練習時よりも本番時のほうが確実に調子が良く感じる
  • 体の疲労感が、一日の行動に左右されない(練習前の体の状態に「再現性」がある)
  • 車の通りが少ないため、安全に練習ができる
  • 夏は涼しい

 レースはほぼ必ず、朝9時以降に出走となります。そのため、普段練習している時間帯よりは、確実に体の動きが良く感じることができます。また、しっかり朝ごはんを食べてから走ることになるので、エネルギーも十分に得た状態で出走することになります。主に精神的なメリットです。

 トレーニングにおいては、「再現性」が重要と考えています。できるだけ同じ時間・同じ場所・同じシューズで同じ練習をすることによって、常に自分の進歩を把握しながらトレーニングをアレンジしていくことが必要だと考えています(アレンジ=内容を変えたり、設定ペースを上げたり)。

 毎回、同じトレーニングをするでも、その条件が違うと(午前⇔午後、シューズ等)、「今回速く走れた(もしくは遅くなった)要因」が何なのか把握できなくなってしまいます。そうすると、練習の設定ペースを不用意に上げることもできず、計画的にトレーニングを漸進させることが難しくなります。

 話が脱線しましたが、「起床直後のトレーニング」にはたくさんのメリットがあるためお勧めです。

第1位:LT走

 最後の最後で、これかよ、という感じでしょうか。

 ランキング第一位は「LT走」です。

 私自身、社会人になりたての頃はLT値という概念を知らず、ただがむしゃらに走っているだけでした。しかし、数年後、本格的にランニングを始めた時からLT走を取り入れると、わずか3か月で自己ベストを更新することができました。

 私が指導しているAさんも同様で、自己流でトレーニングを行っていた40歳台の時はハーフマラソンで1時間46分台が限界でしたが、LT走を取り入れ練習を1年間することで1時間43分まで伸ばすことができました。

 もちろんすでに取り入れている方のほうが多いかとは思いますが、やはりLT走は非常に効果が高いトレーニングです。LT走についてや、LT走のバリエーションを次の記事で紹介していますので是非ご参照ください。

いかがでしたでしょうか。

 「これをやれば速くなる」といった練習を明言することはできませんが、私自身が確実に効果を感じてきた練習手法を紹介させていただきました。

 他にも、変化走やファルトレクトレーニング、ビルドアップ走などの練習方法があり、それぞれ目的が異なっています。自分に合ったトレーニング方法を見つけて、取り入れてみましょう!

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