こんにちは。管理人のらんしゅーです。
マラソンで自己ベストを更新する方法 その3【レースで記録を出す技術】についてです!
※あくまで社会人からマラソンを始めた人間の書き物として読んでいただけると幸いです。
前回は、【課題(自分の弱点)を見つけるためマラソンに必要な要素を考える】という記事を紹介させていただきました。今回は、マラソンに必要な要素の中で、【レースで記録を出す技術】にフォーカスし、本記事では、練習してきたことをレースで出し切るための技術について考えていきたいと思います。
一生懸命練習をしている皆さんの中で、こんな経験をした方がたくさんいると思います。
「練習ではもっと速く走れていたんだけど、レースで記録が出ないな」
練習では確かに手応えを感じていたのにもかかわらず、レースで結果が出せないと悩む方も多いのではないでしょうか。
私自身も、学生時代同じ悩みに悩まされました。しかし、社会人になって以降、出場したマラソン大会では、全て、練習で感じていた通りの実力を出すことができています。結果として、すべてのレースで自己ベストを更新することができています。
社会人になりマラソンを本格的に始めてから、練習で感じた通りの実力を出すために、いくつか大事な要素があることに気が付きました。今回は、私なりに感じてきた、【レースで記録を出すための技術】を紹介していこうと思います。
レースの目標タイム設定:実力に見合っている目標でしょうか?
【レースの目標タイム設定】これが最も重要な要素だと考えています。
読者の皆様は、マラソンレース当日における目標タイムをどのように決めていますか。
マラソンは「ギャンブル」ではありません。練習した通りの力しか発揮することはできません。しかし、普段の練習でのペース設定から想定される目標タイムよりも、大幅に上位レベルの、「無理な目標設定」をしている場合が多くあります。あらゆる競技に言えることで、私自身も学生時代に行っていた陸上競技では同じように「無理な目標」を立ててしまっていました。
マラソンに本気で取り組んでいるランナーの方であれば、練習においてLT走やインターバル走などのトレーニングを行っていると思います。トレーニングでこなせたペース設定から、適切な目標タイムを設定し、その通りに走ることが、記録向上への近道です。
レース当日のペース設定が「無理な目標設定」の場合、確実にオーバーペースとなります。マラソンでオーバーペースは致命的です。自己ベスト記録が出せないだけでなく、後でレースを振り返ったとき、「オーバーペースだった」以外の課題点が見つからなくなってしまうからです。
トレーニングにおいて、短い距離から比較的長い距離までのトレーニングやタイムトライアルを万遍なく行い、「現状の実力に見合った、レースにおける目標タイム設定」をしましょう。
練習で感じていた手応えの事実:「練習のための練習」になっていないか?
例えば次のような例です。
「その日、LT走(ペース走)を予定していたが、思いのほか楽に走ることができ、ペースを上げて走ることができた。最後は疲れてタイムが落ちたが、練習としてはベストタイムを出すことができた」
練習としては素晴らしい状況のように見えますが、これには下記の問題点があります。
- LT走として狙っていたトレーニング効果が得られない
- トレーニングに再現性が無く、現在のLT値が正確に把握できない
まず、LT走として狙っている効果が得られない点。LT走は、LT値付近でランニングを継続することによって乳酸処理能力を向上させることが狙いです。しかし、ペースを上げたことによって、無酸素領域の動員が多くなり、LT値向上の効果が半減することが推測されます。
ペースが違えど、LTへの刺激は当然入りますが、その「効率」が変わってきます。LTについての詳細は次の記事で紹介しています。
また、現在のLT値が正確に把握できないことが問題として挙げられます。練習でペースをあげることができた日は、体の調子が良く、コンディションも整っていたかもしれません。
自分自身に問いかけてみてください。「次のLT走は同じペースでこなせますか?」
練習での設定ペースは、トレーニングの原則から考えても、徐々に負荷を高めていく(=ペースを上げる)べきです。しかしペースを上げる判断をする方法は、「同じペースで走っていても、徐々に楽になってきた」という感覚です。これは「ダニエルズのランニングフォーミュラ」でも推奨されています。
どんな状況でも確実にこなせる練習のペース設定から「自分の実力」を把握し、レースにおける適切な目標タイムを設定しましょう。
レース当日までのピーキング
この点については、ランナーの皆さん毎、沢山の考え方があると思います。ここでは私自身の例を紹介するだけにしておきます。
私は「ダニエルズのランニングフォーミュラ」に従ってピーキングをします。理由は、「正解が分からないからとりあえず知られた理論に従っている」だけです。
ピーキング方法は、レース10日前程度から走行距離を調整していくことのみ。ペース設定は変えません。例えば、それまでジョギングで通常14km走っていたら、その距離を10km、7kmと減らしていきます。
一つアドバイスがあるとすれば、「レース前は毎回、調整方法を同一にした方がよい」ということです。そうすることによって、調整方法の差によるレース結果の差、を考える必要が無くなります。レースに臨むにあたって、前回のレースから変えた点を絞ることができれば、レース結果を振り返り易くなります。
レース当日 (前日夕食)起床~出走まで
「ダニエルズ理論」「リディアード理論」ともに、レース当日の記載はありません。従って、起床後からレースに臨むまでの行動内容は、自分自身で考え、最適な方法を探していく必要があります。
私自身の例を紹介します。
- 前日夕食:炭水化物中心。タンパク質は少なめ(多くても肉換算で100g程度)
- レース5時間前:起床・食事(炭水化物中心。タンパク質はほとんどとらない)
- レース1時間前:カステラ(ハーフマラソン以上の場合),レッドブル330ml
余計なことは考えず、毎レース同じように行動しています。
レース前のピーキング同様、前日の食事や当日朝の行動内容が毎レースごとに違うと、変化点となってしまうため、極力同じように行動するようにしています。
集団走の技術
最後はレースにおける集団走の技術です。この要素が最も実現が難しい項目になります。
というのも、レースでは間違いなく「集団で走った方が楽」です。周りの方が風よけになることに加え、精神的な面でも集団のほうが有利です。自分の望ましいペース域で集団走ができると、大幅な自己ベスト更新にかなり近づきます。
ただ、レースにおいて集団走ができるかどうかは、正直、「運」になります。エリートマラソンランナーであれば、おおよそ3:00~3:05/kmで、しかもペーサーが付いていて、大きな集団になりますが、そこそこのレベルの場合、「自分と同じペースで走る人が何人いるのか?」という話です。
適切な目標ペースを設定しても、それ通りに走ろうとすれば集団から外れてしまう。レースでは日常茶飯事です。
集団で走るためのコツとしては「目標ペースに少し幅を持たせておくこと」をお勧めします。目標ペースに幅があれば、ある程度付いて行く集団を自分で選び、見極めることが可能です。
多少速めのペースで進んでいる集団がいても、その日、目標としているペース範囲内であれば迷わずついていくべきです。
もし、それでも単独走になってしまうのであれば、潔く諦めてしばらく単独走で頑張ります。ここで「練習で培ったこと」が生きてきます。練習では、目標ペースを決めて単独でトレーニングすることも多いはずですね。同様にレースでも単独で十分走れるはずなのです。集団を見つけたり、近づいてきたりしたら、そこに合流しましょう。
自分のペースを正確に把握するためにもGPS機能付きのランニングウォッチは必須です。トレーニングにおいても適切なペース設定通りに走ることが、練習効率を上げる鍵です。
毎回紹介させていただいていますが、お勧めはGarmin(ガーミン)です。バッテリーの持ち、ダイナミクスポッドとの連携可能な機能がついている「ForeAthlete 255」。腕時計だけで音楽が聴ける「ForeAthlete 255 music」となります。
マラソンに必要な要素として、【レースで記録を出す技術】について紹介させていただきました。これで、レースへ臨む準備は万端です。
次の記事では、【レースの振り返り・分析・課題の抽出方法】という内容を考えていきたいと思います。
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