マラソンで自己ベストを更新する方法 その2【課題(自分の弱点)を見つけるためマラソンに必要な要素を考える】

 こんにちは。管理人のらんしゅーです。

 マラソンで自己ベストを更新する方法 その2課題(自分の弱点)を見つけるためマラソンに必要な要素を考えるです!
※あくまで社会人からマラソンを始めた人間の書き物として読んでいただけると幸いです。

 本記事では、マラソンの記録を向上させていくうえで必要な「要素」について考察していきます。

 前回の記事で、マラソンにおいて自己ベストを更新するためには、「現状の実力を正確に把握すること」が重要だと紹介しました。現状の実力を把握したうえで、どの「要素」が自分に足りていないのか、課題を見つけ改善していく必要がありますが、そもそもどのような視点から課題を見つければいいのかわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そのような方々に向け、現状の自分に足りない課題を見つける糸口となる、マラソンでの「要素」について考察していきます。

 ※本記事は、「ダニエルズのランニングフォーミュラ」、「リディアードのランニングトレーニング」及び、私自身の体験に基づく考えを元に話を進めていきます。

目次

マラソンに必要な要素:5つの大事な要素

  • 有酸素系能力
  • ランニングエコノミー
  • 乳酸性作業閾値
  • 最大酸素摂取量
  • レースで記録を出す技術

 いきなり記載しましたが、上記5点がマラソン記録向上に必要な要素だと考えています。それぞれの要素毎に鍛えていけば、おのずと自己ベストは向上していくはずだと考えています。

 また、現状の実力を把握したうえで課題を見つける際、上記5点を切り口にして振り返ってみると、自分に足りない要素が見つかってくると思います。

 それぞれの「要素」について説明していきます。

有酸素系能力(ジョギングで鍛える能力)

 主に、Eペース(ジョギングペース)で鍛えることができる能力です。ジョギングの適切な方法は次の記事で紹介していますので是非ご参照ください。

 有酸素系能力は、さらに以下の要素に分かれていきます。
 ※話を分かりやすくするため、少し抽象的に記載します。

  • 心筋(心臓の収縮一回当たりの血液送液能力)
  • ミトコンドリア量及び活動能力
  • 脂肪を、糖よりも優先して使用する能力

 有酸素系能力は、マラソンのベースとなる能力です。しかし、「測定して定量化すること」がとても難しい能力になります。そのような中でも、自分の「有酸素系能力」を測定する方法は下記二点があげられます。

  • 安静時心拍数の測定→低下していく
  • ジョギングペースでの心拍数→低下していく(同じペースを維持した場合)

 有酸素系能力の発達が進んだ場合、上記の通り、安静にしている時及びランニングしている時の「心拍数」が低下していきます。これは、一度の心臓収縮による血液送液量の増大と、ミトコンドリアの活動能力向上のため、活動に必要な心拍数が減少することが要因です。

 心拍数の計測は、自分で脈拍を数えることも可能ですが「心拍数計とGPS機能付きランニングウォッチ」がお勧めです。同じペースで走っていても心拍数が下がってきたことを確認するためには、ランニングペースが正確に把握できるものが必要になりますが、同時に実現できるアイテムは今のところ腕時計一択です。

 ランニングウォッチメーカーでお勧めなのが「Garmin(ガーミン)」です。市民ランナーの中では一番人気のメーカーです。登山用の腕時計なども販売しており、特に「GPS機能」に強みを持っています。

 毎回紹介させていただいていますが、お勧めはGarmin(ガーミン)です。バッテリーの持ち、ダイナミクスポッドとの連携可能な機能がついている「ForeAthlete 255」。腕時計だけで音楽が聴ける「ForeAthlete 255 music」となります。

 「マラソンがそもそも走りきれない」、「30km以降足が止まる」、などの課題がある場合は、有酸素系能力の改善から見直すべきかもしれません。

ランニングエコノミー(ランニング効率):ランニングフォーム、スピード

 続いての要素が「ランニングエコノミー」です。言い換えると、「少ない力で速く走る能力」のことですね。

 ランニングエコノミーの改善が、「ランナーにとっては最も難しい」かもしれません。他の能力は身体能力ですが、ランニングエコノミーは「技術」だからです。ただ、一度身に付けることができれば、「大幅な自己ベスト更新」が望める要素でもあります。

 ランニングフォームは、指導者がいない場合、自分で動画を撮り評価する必要があります。さらに正解がわかりにくく、感覚的なところもあるので、マラソンにおける要素の中で最も改善が難しいです。

乳酸性作業閾値(LT値):再現性のあるLT走を継続

 乳酸性作業閾値(LT=Lactate Threshold)はLT値付近でのランニングによって改善が期待できます。LT走については次の記事で詳細に記載していますので是非ご参照ください。

 フルマラソンにおけるレースの振り返りにおいてLT値を課題として捉えることは少々難しいです。なぜなら、フルマラソンではLTペースよりも遅いペースで走ることになるためです。LT値を評価するためには「ハーフマラソンへの出走」が最も適切です。

 ハーフマラソンは、ほぼLTペースで走りきることになります。そのため、ハーフマラソンの記録を元に「現状、フルマラソンではどのくらいで走れるのか」を推定する材料として使用します。

 推定する際には、VDOT Calculatorを使用します。使い方は下記記事を参照ください。

 計算の結果、目標とするフルマラソンタイムに満たない場合は、LT値が不足していると判断し、改善に努めるべきです。

最大酸素摂取量(VO2max,VDOT):5000mレースで現状把握

 次の要素は「最大酸素摂取量(VO2max,VDOT)」です。主にインターバルペースのトレーニングによって改善が見込める能力になります。

 最大酸素摂取量については、次の記事で詳細に紹介していますが、あくまで「全身持久力」のものさしとして使用されている値であり、具体的な生理現象に基づく指標ではないことに注意してください。

 最大酸素摂取量が自分の改善点かどうかは、「5000mの自己ベスト記録把握」がお勧めです。乳酸性作業閾値と同様、フルマラソンにおいては、インターバルペースで走ることが無いため、ほぼインターバルペースで走りきる5000mで評価することが適切です。

 5000mのベストタイムが把握出来たら、その記録を元に最大酸素摂取量を計算し、フルマラソンの目標タイムに届いているかどうかを確認します(計算方法は乳酸性作業閾値の評価方法と同様です)。

 明らかにフルマラソンの目標タイムに対して不足している場合は、最大酸素摂取量に改善点がある可能性があります。LT値などと見比べてみて、不足しているかどうか判断してもいいですね。

レースで記録を出す技術

 レースで記録を残すためには、見落とされがちですが、とても重要な要素になります。
 ※本項目については、主に私自身の持論となります。

 レースで記録を出す技術は以下に細分化されます。

  • 普段のトレーニングを「本番」のための練習にする
    レース当日までのピーキング
  • レース当日起床~出走までの流れ
  • レースにおけるペース設定
  • 集団走の技術

 これらの項目について万全にすることで、練習の成果がほぼ90~100%、レースに反映されます

 「練習では記録が出せるのに、レースではなかなか記録が出せない・・・」と悩んでいる方。その要因は、練習の環境がレースとあまりにもかけ離れているか、レースで記録を出す技術にかけているかのどちらかの可能性が高いと考えています。

 レースで記録を出す技術については、市民ランナーの方は何かしらの「ルーティーン」を持っている方も多いのではないでしょうか。私自身もある程度の「決まった流れ」を持っています。

 私自身、これまで出走したレースではほぼ自己ベストを更新し、練習通りの結果を出すことができています。次の記事では、「レースで記録を出す技術」について、私自身の経験と一般に知られている明確な根拠を元に、紹介・解説していきたいと思います。

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