- インターバルトレーニングに最適なトレーニング用シューズを探している
- 厚底カーボンシューズをさけつつ、適度なクッション性能があるシューズを探している
- タクミセン8の推進力はどのくらいあるの?
厚底カーボンシューズの多用を避け、脚を鍛えるために「中厚底」のレーシングシューズとして注目されているタクミセン8が気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそんな方々の疑問を解消します。
私自身は社会人からランニングを本格的に始めた市民ランナーです。
自己ベストはハーフマラソンで1時間12分29秒(名古屋シティマラソン)程度の実力です。
タクミセン8を購入しようかどうか迷っている方に向けて、私自身が履いた感触をレビューしました。
まずはじめにタクミセン8を履いた正直な感想ですが、「厚底のバウンド感と推進力」「薄底の接地感」を兼ね備えたハイブリッドシューズだと感じました。
ただ、「できるだけ速いスピードで走りたい」という考えがある場合、タクミセン8ではそれは叶わない可能性が高いと考えます。
メーカーによると、タクミセン8は5~10kmのロードレースで使用することが推奨されています。
しかし、「ヴェイパーフライネクスト%やメタスピードスカイと比べて5~10kmが速く走れるか?」というと、それは難しいと感じます(特に市民ランナーレベルでは)。
それは、ヴェイパーやメタスピードスカイの方がバウンド感と推進力で勝っており、楽に走れるからです。
市民ランナーにとってタクミセン8の最も最適な使用用途は、「あらゆる場面で使用できる、接地感を兼ね備えたトレーニング用」であると考えます。
レビューでは、履いた感触だけでなく、サイズ感・耐久性・寿命などの情報についても紹介していきます。
タクミセン8で走った感触
タクミセン8は、私自身が最も頻度高く行っているLTインターバルトレーニング(閾値走を分割したもの、別名クルーズインターバル)で評価しました。
LTインターバルは、楽に走ることを意識しながらも、ある程度のスピードを出す必要があり、シューズの特性を最もよく感じることができると考えています。
タクミセン8で行ったトレーニングは下記のとおりです。
- 4:30~5:00/km程度のジョギング
- 3000m×3 インターバルトレーニング
- 2:40~2:50/km程度の軽いダッシュ
ウォームアップ時点から「ヴェイパーやスカイよりもバウンド感は少ないな」と感じました。
接地した時の沈み込みも比較的少なく、「薄底っぽさ」を残した接地感です。
しかし、薄底特有の「地面からの突き上げ感」はほとんど感じません。「これが中厚底レーシングなんだな」とすぐに理解しました。
ウィンドスプリントでは、地面からのレスポンスが速く、走りやすさを感じました。
ダッシュに近いスピードで走るのであれば、ヴェイパー等よりもタクミセン8の方が適していると素直に感じました。
トップレベルのランナーになると、3:00/kmを切るスピードで5~10kmを走るため、タクミセン8が好まれるのかもしれないと考えます。
メインのトレーニング(3000m×3)を開始し、1000m通過を確認すると3:30/kmでした。
「体感と同じくらいのペース」だと感じました。やはり、ヴェイパー等よりも推進力は控えめです。
そのまま、3000m×3をやり切り、ダウンジョグを行いましたが、その際には「ある程度余裕を持って走りきれたな」という印象を持ちました。
これだけの接地感を感じることができながら、厚底メリットのうちの一つである「負担軽減」も得ることができる一足です。
推進力・バウンド感は控えめだが操作性が高い
ナイキのヴェイパーフライネクスト%やアシックスのメタスピードスカイと比較すると、推進力とバウンド感では劣ると、素直に思います。
しかし、薄底でのメリットである「接地感」を感じることができ、接地の操作性はとても優れていると感じます。
厚底レーシングシューズでは、疲れてくると、接地する場所やフォームによっては、上に跳ねてしまうような感覚になります。
しかし、タクミセン8は、沈み込みも少なくレスポンスも早いため、疲れてきても接地する場所のコントロールが可能です。
結果、体の浮き上がりなども抑制できます。
これは、トレーニングを行う上ではとても重要な点だと思います。
トレーニングではいいフォームで余裕を持って走りきることも大事であり、その点で、タクミセン8はトレーニングシューズとして優秀であると感じました。
重量(重さ)・サイズ感
重量は、27.5cmで196gでした。ヴェイパーフライネクスト%やメタスピードスカイは同サイズで190gを切ってくるので、タクミセン8はそこまで軽量ということはありません。
サイズ感ですが、私自身が27.5cmのシューズを使用していますが(ヴェイパー、メタスピードスカイ、ペガサスシリーズ、グライドライド2、ハイペリオンテンポ等、あらゆるシューズ)。
タクミセン8も27.5cmでジャストフィットです。
よく「かかとが緩い」と言われることが多いタクミセン8ですが、私は特に気になりませんでした。足幅は普通程度です。
もしかしたら、足幅が狭い人にとってはかかとが緩く感じる可能性はあるのかもな、と思いました。軽量性を重視するため、かかとの構造が最低限の補強になっているからです。
その場合には、少し厚めの靴下を履くなどすれば十分に調整可能なのではないか、と考えます。
耐久性・寿命
耐久性については都度更新していこうと思います。
ソールの状態写真です(数回使用)。ほとんど削れている様子はありません。ミッドソールもほとんどしわは無し。かなり耐久性は高いのではないかという印象です。
特に、アウトソールに使用されているコンチネンタルラバーは、耐久性の高さで定評があります。
トレーニングシューズとして使用するならば、耐久性は重要な点だと考えます。
走行距離300kmでの状態
アウトソールは少しづつ摩耗が進んできましたが、まだまだ使用できそうな感じです。
ミッドソールもまだまだクッショニングを感じます。ライトストライクプロはある程度耐久性が高いようです。
走行距離500kmでの状態
アウトソールの摩耗がかなり進んできました。
ミッドソールは、外観ではそこまで変わらないようです。走っているときも、「新品と比べてクッション性が失われたか?」と聞かれると「よくわからない・・・」が素直な答えです。
ただし、アッパーが破け始めてきました。寿命は近いかもしれません。
走行距離680kmでの状態
アッパーの破れが大きくなりました。
足のホールド力も低下してきた感覚があります。アウトソールの削れはそこまで変わらないのですが、この時点でタクミセン8は使用をやめようと思います。
走行距離は680kmでした。耐久性はナイキのヴェイパーと同じ程度という感覚です。
グリップ力が素晴らしい
タクミセン8の素晴らしい点の一つとして「高いグリップ力」が上げられます。
メタスピードスカイのレビュー記事で紹介しましたが、メタスピードはソールにアシックスグリップを使用しており、優秀なグリップ力を誇ります。
タクミセン8のソールについても、ほぼメタスピードと同じ程度のグリップ力を感じました。
特に、濡れた路面では顕著です。ヴェイパーでも濡れたアスファルトでは多少滑る感じがありますが、タクミセン8はほとんど滑る感じがありませんでした。
私自身は、「グリップ力」をとても重要視しています。
練習時間を思うように取れない中、少し雨が降っていてもポイント練習を行うことが多く、グリップ性能が悪いと、思うように走れないからです。
その点タクミセン8は、素晴らしいグリップ力を持つため、雨でも関係なく使用できる、と感じました。
使用用途と私自身の使用例
私にとって、タクミセン8は「どんな場面でも使用可能なトレーニングシューズ」です。
ある程度のバウンド感と推進力を持ちながら、接地感を感じることができます。
3000m~5000mレースペースでのインターバルトレーニングからロングジョグに至るまで、ほとんどの場面で使えると思います。
実際に私自身が使用しているシーンは次の通りです。
- Easyペース(速め)でのジョギング
- ロングラン(Easyペース速め)
- マラソンペース~LTペースでのインターバルトレーニング、ペース走
- VO2maxインターバルペースでのインターバルトレーニング
- レペティションペースでのスプリントトレーニング
このように、タクミセン8は程よいクッショニングがありながらも、確かな接地感とレスポンスの速さも備えているため、本当に幅広い用途で使用できるシューズです。
ヴェイパーやメタスピード等の厚底カーボンシューズの使用を控えることで、「脚を鍛える」という目的も持たせることができると考えます。
安く購入する方法
トレーニング用のシューズとして購入するのならば、できるだけ安く手に入れたいです。
タクミセン8を購入する方法は、アディダスの公式サイトや、各シューズショップのオンラインサイト等、多岐に渡ります。
最も安く購入できるのはAmazon、楽天を通じて購入する方法です。
タクミセン8は厚底の推進力と接地感を両立させたハイブリッドシューズです。
あらゆるトレーニング場面で活躍してくれる一足だと期待しています。
是非皆様の参考になればと思います。
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