【PUMA FAST-Rニトロエリート3 レビュー】メーカー渾身の一足

FAST-Rニトロエリート3
こんな疑問を解消
  • PUMA(プーマ)のFAST-R(ファストアール)ニトロエリート3が気になっている
  • 他メーカーのハイエンドカーボンシューズと比べて、性能はどうなの?
  • FAST-R(ファストアール)ニトロエリート3の耐久性やサイズ感が知りたい

 2025年4月25日、PUMA(プーマ)からFAST-R(ファストアール)ニトロエリート3が発売されました。27.0cmで170gという驚異的な軽さもあり、気になっているランナーの方も多いのではないでしょうか。

 私自身も、発売からずっと気になっていました。在庫が無く買えませんでしたが、運よく公式サイトの在庫が復活したタイミングで購入することができました。

 ここでは、私自身で実際に購入したプーマのファストアールニトロエリート3のレビューをします。

 本記事を読めば、ファストアールニトロエリート3がどんなシューズなのかが分かります。皆様が購入する価値があるかどうか判断できます。

著者:らんしゅー
日比野就一

社会人からランニングを始めました。
理論に基づいたトレーニングで、
どこまで記録を伸ばすことができるか挑戦。
競技志向で取り組んでいます。
自己紹介・記録変遷はこちら

血中乳酸濃度や血糖値も測定。
マラソンへ科学的にアプローチします。

★自己ベスト
 1500m 4:25(2022/08)
 5000m 16:01(2022/09)
 10000m 33:44(2021/12)
 ハーフ 1:12:29(2022/03)
 フル 2:43:55(2024/11)

著者:らんしゅー
日比野就一

  社会人からランニングを始めました。
  理論に基づいたトレーニングで、
  どこまで記録を伸ばすことができるか挑戦。
  競技志向で取り組んでいます。
   自己紹介・記録変遷はこちら

  血中乳酸濃度や血糖値も測定。
  マラソンへ科学的にアプローチします。

  ★自己ベスト
   1500m 4:25(2022/08)
   5000m 16:01(2022/09)
   10000m 33:44(2021/12)
   ハーフ 1:12:29(2022/03)
   フル 2:43:55(2024/11)

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目次

製品情報

項目内容
製品名FAST-Rニトロエリート3(ファストアールニトロエリート3)
メーカープーマ (PUMA)
定価38,500円
厚さ前部:32 mm, 後部:40 mm, ドロップ差:8 mm
重さ28.0cm 185g(実測)

購入に至った経緯

FAST-Rニトロエリート3

 プーマから、驚くべきシューズが発売されることが発表されました。27cmで170gという圧倒的な軽量性を誇るFAST-Rニトロエリート3です。

 私自身は、レース用のカーボンシューズとして、ヴェイパーフライ3やメタスピードパリシリーズを試してきましたが、サイズ感が合わなかったり、自分の走りに適していないと感じていました。

 2024年末にプーマのディヴィエイトニトロエリート3を使い始め、その使い易さに驚き、自分のレースシューズとして使うことに決めました。

 ただ、ディヴィエイトニトロエリート3はレース用のカーボンシューズとしては、27.5cmで208gと、少し重さがあります。アシックスのメタスピードパリシリーズは190g前後なので、10%程度重いことになります。

 これまで私が使ってきたシューズの中で最も速く走れたのは、ナイキのヴェイパーフライNEXT%、アシックスの初代メタスピードスカイであり、どちらも180g台の重量でした。軽さと走りやすさが高い次元で両立したシューズが欲しいと考えていました。

 このような中、2025年4月以降、どのメーカーからも非常に軽量なハイエンドのカーボンシューズが発売・発表され始めました。アディダスのアディゼロプロ4、ナイキのヴェイパーフライ4、アシックスのメタスピードTOKYOです。

 プーマからも、他メーカーのハイエンドカーボンシューズと同等の軽量性を備えたFAST-Rニトロエリート3が発売されました。ディヴィエイトニトロエリート3の推進性やグリップ力がとても素晴らしかったので、値段は高かったですが、プーマのハイエンドモデル、FAST-Rニトロエリート3を買ってみることにしました。

実走レビュー

 実走したレビューです。使用回数が増えていく都度、アップデートしていきたいと考えています。

トレーニングでの使用

 初めて使用するタイミングがちょうど雨上がりのタイミングでした。濡れた路面でのグリップ力も試せるいい機会です。

 履いてみてまず感じたことは、かかと部分がそぎ落とされているため普通に立つと後ろに傾く感覚があります。ヒールストライクでは履きこなせないことを直感的に感じました。

 かかとがないので、とても歩きにくいです。歩ている間は、「本当にこのシューズで走れるのかな・・・」と不安になるくらいです。

 起床直後なので、まずは5:00/kmくらいのジョグから走り始めようと思いました。いざ走り始めてみると、遅いペースだと走りにくく、少なくとも5:00/kmを切るペースじゃないとうまく走れません。

 普段のジョグシューズだと5:30/kmくらいのペースから走り始めます。しかし、FAST-Rニトロエリート3はそもそも速いペースでしか履けないシューズだと理解しました。

 走りにくさを感じながら2kmくらい走ったところで、少しペースを上げ始めました。普段の努力感でペースを上げたのですが、時計を見ると、普段よりも5秒/kmくらい速いペースになっています。

 ペースが上がると走りにくさは一気に解消されました。走りがしっくりき始めたのは4:00~4:10/km程度のペースまで上がってからです。前足部の接地面は意外と広く、4:00/km程度のペースでも横ブレは感じません。

 接地感は「柔らかすぎない」と言えます。前足部のクッションは弾力があって中身が詰まっているような感覚です。他メーカーで言えば、メタスピードスカイパリやヴェイパーフライ3などの方が圧倒的に柔らかいです。

 その流れで、一呼吸置いた後に、2:50~3:10/kmくらいのペースで流しをしました。シューズの軽量性もあり脚は回転し、1歩ごとのストライドもかなり伸びる感じがしました。意識的にピッチを刻まないとオーバーストライドになってしまいそうです。

 流しのペースであれば、かかと部分がない点は全く気になりません。

 続いて、室内に移動しトレッドミルでのランニングを行いました。

FAST-Rニトロエリート3

 メニューは、普段と同じ6min × 5セットのインターバルトレーニングです。設定ペースは3:50/km前後で、自分のマラソンペース程度です。

 3:50/kmのペースではかなり快適に走れます。かかとがそぎ落とされていることが良い影響を与え始め、スムーズに足を地面に接地していくことができます。

 雨上がりで湿度がかなり高い環境でしたが、ディヴィエイトニトロエリート3とほぼ同じペースを刻むことができました。同じ気温・湿度で比較すれば、間違いなくFAST-Rニトロエリート3の方が速く走れることを感じました。

 ただ、接地に対しては常に気を配る必要があります。疲れてくるとかかとから接地するような動きになってきますが、かかとから接地しようとすると、明らかにシューズのスイートスポットから外れる感覚があります。

 走り終わった後は、他のカーボンシューズと比較しても、臀部や股関節周囲に疲労が溜まる感覚がありました。股関節周囲の筋力がしっかりついていないと、FAST-Rニトロエリート3を多用することによって怪我をしてしまいそうです。

レースでの使用

 レースでは、まだ使用できていません。今後使う機会があったら情報をアップデートします。

反発性・推進性・安定感・フィット感

 とにかく反発性と推進性が素晴らしいと感じます。ただそれは「前足部で接地した場合」です。

 かかとから接地するとかなり走りにくく、接地時にブレも発生します。推進性もうまくもらえません。その点では、人を選ぶようなシューズであると言えそうです。

 前足部で接地すると意外と安定感があります。前足部のアウトソール面積が思ったより広いことが要因だと思います。ある一定程度のペースで走ることができ、ヒールストライク走法ではないランナーであれば、十分に履きこなせそうです。

 フィット感については特筆すべきことはありません。アッパーの素材が非常に薄く作られているものの、シューズを履いたときの足当たりは可もなく不可もなく、といった感じです。少し足の甲が低めなつくりになっている感じがしましたが、履くうちに気にならなくなりました。

外観

 アッパーですが、ULTRAWEAVE(ウルトラウィーブ)という素材が使用されています。触った感じはアシックスのメタスピードスカイ初代のような質感です。非常に薄く作られており、何かに引っ掛かってしまったらすぐに破けてしまいそうです。

 シュータンも極薄です。養生テープ並みの薄さで、紐で縛ったときに足の甲に当たって痛くなる、といった現象は発生しなさそうです。

 付属の紐がついてきます。付属の紐はほどけにくいタイプの水色紐で、こちらに付け替えた方がよさそうな気がします。

FAST-Rニトロエリート3 付属の紐

サイズ感

 結論から言うと、FAST-Rニトロエリート3のサイズ感は、特に幅が狭い・先端が短いなどの特徴はなく、通常通りのサイズでいいと感じています。ただ、今回私が選択したサイズは28.0cmであり、普段のサイズ(27.5cm)と異なります。28.0cmを選んだ経緯について紹介します。

 私は普段、27.5cmのシューズを履いています。レースシューズで言うと、ディヴィエイトニトロエリート3、メタスピードスカイパリシリーズ、ヴェイパーフライ3です。その他ジョグ用シューズもほぼ27.5cmです。

 しかし、特にレース用のカーボンシューズはかなり窮屈な状態で使用してきました。普段のトレーニングで使うような靴下は少し分厚く、足の指先が靴の先端に当たってしまうような状態でした。

 そのため、レース用のシューズは専用の極薄ソックスを使うようにしていました。それでも、マラソン後は爪が壊れて内出血してしまう状態でした。

 このようなことがあり、FAST-Rニトロエリート3は28.0cmを選択しました。ソックスとしてはTabioのレーシングランプロ5本指を使うことを想定していました。普段のレース用カーボンシューズでは、Tabioのレーシングランプロ5本指を使うと窮屈すぎて使えませんでした。

らんしゅーの足サイズ実測
  • 足長:27.0cm(実測)
  • 足幅:11.5cm(実測)→最も広い箇所を測定

 結果として、Tabioのレーシングランプロ5本指を履いた状態で、FAST-Rニトロエリート3の28.0cmは私にとってちょうどいいサイズでした。

 試さないとわからないですが、FAST-Rニトロエリート3は27.5cmでも履けると思います。ただし、他のレース用シューズと同様に、かなり窮屈な状態で履くことになってしまいそうです。

carb-middle
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重さ(重量)

 28.0cmを実測したところ、185gでした。驚くべき軽量性です。

FAST-Rニトロエリート3重さ

グリップ力

 アウトソールのラバーには、PUMAGRIPが採用されています。これはディヴィエイトニトロエリート3と同様です。PUMAGRIPは濡れた路面でも非常に高いグリップ力を発揮します。

 ディヴィエイトニトロエリート3と違い、凹凸が少ないアウトソールですが非常によくグリップします。

 感覚的には、アシックスのメタスピードシリーズに採用されているASICS GRIPに似ています。私の中で、アシックスグリップとPUMAGRIPは、数あるアウトソールの中で最もグリップ力が高いと感じています。

寿命・耐久性

 寿命・耐久性は使用していくたびに更新していきます。アッパーも非常に薄く、ミッドソールがこれだけ厚くてもかなり軽いので、全体的な耐久性は低いと予想しています。

購入直後の状態

 ミッドソールの状態は以下の通りです。

FAST-Rニトロエリート3

 アウトソールの状態は以下の通りです。

FAST-Rニトロエリート3

こんな人におすすめ

 FAST-Rニトロエリート3は、次のような人におすすめです。

FAST-Rニトロエリート3がおすすめな人
  • フルマラソンのタイムが少なくとも3時間を切ることができるランナー
  • ヒールストライク走法ではない
  • 接地感が少し硬めな感じが好み

 FAST-Rニトロエリート3はとにかく軽量で高い推進性を備えてはいますが、かかとがそぎ落とされていることで、ゆっくり走るような時や、ヒールストライク走法には適さないシューズです。

 走るペースの目安は、少なくとも4:15/kmよりは速く走れることが必須だと感じます。それより遅いペースだとうまくシューズの反発を活かせないと思います。

 ナイキのヴェイパーフライ4や、アシックスから発売が予定されているメタスピードスカイTOKYOも、FAST-Rニトロエリート3と近い重さに仕上がっているようです。

 しかし、最近のシューズはクッショニングが柔らかくなりすぎている傾向があるので、そのようなシューズの中ではFAST-Rニトロエリート3の接地感は比較的硬めであり、前足部で接地していくことができれば安定性も高いと考えています。

購入方法

 現在、各通販サイトでの在庫も出てきており、Amazon,楽天,Yahooの他、ゼビオやアルペンでも購入することができます。

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。

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