- マッサージガンが気になっているけど、効果って本当にあるの?
- 振動数とストロークの違いって、効果にどんな影響があるの?
- どのマッサージガンを選べばいいかわからない
マッサージガンは、最近ランナーの間でもセルフケアグッズとして徐々に取り入れられてきました。「手軽に」マッサージの代用として使える点が、人気の理由なのではないかと思います。
ただ、「本当にマッサージガンって効果があるの?」だったり、「振動数やストロークが違うと、効果にどんな影響があるの?」と疑問に思う方も多いと思います。
私自身も、最近マッサージガンを取り入れたのですが、それを機にマッサージガンの効果について調べることにしました。確かに、機種によって振動数やストローク長、重さが異なっていました。
ここでは、マッサージガンで得られる基本的な効果を紹介しながら、振動数とストローク長による効果の違いを解説していきます。また、主に長距離・マラソンに取り組んでいるランナーがマッサージガンを購入する場合、どんな機種を選べばいいかについて紹介します。
本記事を読めば、マッサージガンで得られる効果を理解することができ、あなた自身がマッサージガンを購入するべきかどうか判断できます。また、ランナーとしてどんな機種を選べばいいかが理解できます。
「マッサージガン」は管理医療機器の認証を受けた機器

マッサージガンは、ハンディタイプの電動マッサージ器具です。先端に取り付けられたアタッチメントが高速で振動し、身体に押し当てることで筋肉のこりやハリをほぐすために使われます。
しかし実は「マッサージガン」と呼ぶためには「管理医療機器」の認証を受けている必要があります。管理医療機器の認証を受けていないものは、「筋膜リリースガン」と呼ばれたりします。
例えば、ランナーの間で知名度があるuFit(ユーフィット)からは、管理医療機器の認証を取得した「RELEASER」がマッサージガンとして発売されていますが、「RELEASER MINI」や「RELEASER Pro」はマッサージガンと呼んでいません。
ただ、筋膜リリースガンと呼ばれている機器であっても、「マッサージガン」と機能的には同一でだと考えられます。
マッサージガンを使うことで得られる効果
マッサージガンを使うことで得られる効果として、一般的に言われていることは以下の通りです。効果についても管理医療機器の認定を受けている機器だけが、「効果」として表記できるようなルールになっています。
- 疲労回復
- 血行促進
- 筋肉のこりをほぐす
- 筋肉の疲れを取る
- 神経痛の痛みを和らげる
- 関節の動きやすさ(可動域)の改善
※ uFit RELEASERの製品ページより引用
実際にマッサージを受けると、「気持ちよさ」だったり「体が軽くなった」と感じると思いますが、その効果をマッサージガンで「代用できる」というものです。
研究でも確認されている効果として、筋肉の柔軟性や関節の動きやすさ(可動域)の改善があります。ストレッチと同じくらいの効果でハムストリングの柔軟性が改善したことを示す報告 ※1 や、遠心性運動(筋ダメージを伴う運動)後24〜72時間の使用で、ふくらはぎやひじの曲げ伸ばしの可動域が6〜8度改善したという結果 ※2 もあります。
注意したいのが、マッサージガンを使ったからと言って怪我が治るだとか慢性的な痛みが改善される、といったものではありません。それは、手技でマッサージを受けても、怪我や痛みがすぐには治らないのと同様です。
マッサージは「気分をリラックスさせることや凝っている場所をほぐして血流を良くすることで、疲労回復を早める、といった効果」と言えます。
マッサージガンは意図的に「重さ」が設計されている
どのマッサージガンを選べばいいか悩んでいるときに「重さ」が気になる方も多いかと思います。例えば、uFitのRELEASERというモデルだと重さは820gであり、ちょっとしたダンベル並みの重さがあります。
私自身が実際にマッサージガンを持ってみると、やはり重さを感じます。女性が使うとなったら「少し腕が疲れてしまうのでは?」と思うほどです。
しかし、マッサージガンの重さは「意図的」に設計されています。
マッサージガンを軽くすること自体は技術的に可能であり、実際に軽量性の高いモデルも販売されています。一方で、軽さと引き換えに失ってしまう機能としては、マッサージする際の「圧力」です。
マッサージガンが軽量だと、体にマッサージガンを当てて先端が振動する時、腕の力を使ってマッサージガンを強く体に当てる必要があります。これがなかなか力が必要な作業です。
マッサージガンそのものに重さがあると、マッサージガンの重さで体に圧がしっかりかかるので、自分で使う力は最小限で済みます。うまく使えば、そこまで力を使わずにマッサージガンを患部に当てて使うことができるので、「軽ければいい」というものではないのが実際です。
ストローク長と振動数による効果の違い
マッサージガンの効果を考えるときに、最も効果に影響する要因は「ストローク長」と「振動数」です。マッサージガンの機種によって、ストローク長と振動数が異なります。
振動数については「可変」であるものが多く、使っている際中にボタン一つで振動数を変えることができるモデルが多いですが、一方でストローク長については決まったものになっていることが多いです。
このストローク長と振動数について、それぞれ効果にどのような影響があるのかを解説していきます。
ストローク長の違いによる効果の違い
結論から述べると、ストローク長の違いによってマッサージガンの効果にどのような違いがあるのかについてのエビデンスはありません。
ただ、マッサージガンを使用した感覚やユーザーの評価から「ストローク長が長いほうがより筋肉の深いところまで振動を伝えることができる」と言われています。
特に筋肉量が多いアスリートなどは、ストローク長が長い機器を選ぶことが多いようです。uFitのRELEASER Proはストローク長が14mmもあり、筋肉量が多いアスリートに好まれています。
また、筋肉の張りが強い時にもストローク長が長い方が適している場合があります。
ただ、私自身は長距離ランナーで体重は64kg前後の体格ですが、ランナーの目線から見るとストローク長はそこまで長くなくてもマッサージ効果を感じることができています。私自身はストローク長が8mm、10mmのマッサージガンを使用しましたが、十分な効果を感じました。
また筋肉量がそこまで多くない長距離・マラソンランナーの男性や女性は、ストローク長が長すぎると、逆に痛みを感じてしまうこともあるようです。
マイトレックスの最新モデル「REBIVE2」はストローク長も可変で2 ~ 8 mm の範囲で調整することが可能になっています。主要な筋肉の他に、全身に使いたいという要望がある場合は、ストローク長が可変である機種を購入するといいかもしれません。
振動数の違いによる効果の違い
振動数は、ボタンで可変である機種がほとんどです。振動数を変えることによってマッサージガンで得られる効果が変わると言われています。
以下はuFit担当者の方からお聞きした、振動数の違いによる効果です。
- 高い振動数
振動が速いと、アタッチメントが筋肉に触れている時間(接地時間)が短くなり、皮膚のすぐ下や筋膜にある「振動を感じ取るセンサー(パチニ小体)」が反応しやすくなります。また、筋肉の中にある「伸び縮みを感知するセンサー(筋紡錘)」が刺激され、筋肉を「目覚めさせる」ような働きが生まれます。そのため、ウォームアップや動き出す前の筋肉の活性化に適しています。さらに、広い範囲を短時間で刺激できるので時短ケアにも向いています。ピンポイントよりも、全身を流すように当てるのがおすすめです。- 低い振動数
振動がゆっくりだと、1回あたりの圧が筋肉に長くかかり、深いところまで届きやすくなります。このとき、筋膜にある「ゆっくりした伸びを感じるセンサー(ルフィニ小体)」や、筋肉の「伸び縮みを感知するセンサー(筋紡錘)」がじっくり刺激され、筋肉や関節まわりのこわばりがゆるみやすくなります。そのため、リカバリーや筋膜リリース、深い張りをほぐしたいときに向いています。まとめると
- 「速い振動」は浅い部分の筋肉内のセンサーに働きかけやすく、体を目覚めさせる刺激に適しています。
- 「遅い振動」は深い部分の筋肉内のセンサーに働きかけやすく、深層までリラックスさせる効果が期待できます。
ストロークの長さや振動数の組み合わせで、刺激の「深さ」や「質」を調整できます。
実際にマッサージ師からマッサージを受ける時は、指圧をゆっくりかけていくことになるので、「低振動数」で得られる効果の方が、実際のマッサージには近いと言えそうです。
ただし、試合前やスピード練習前のウォームアップとしてマッサージガンを使っても、走りや跳躍のパフォーマンスが上がるわけではありません。動的なウォームアップ(ジョグやドリル)に加えてマッサージガンを使うと、ジャンプ力やスプリントタイムがかえって低下したという報告 ※3 があります。
マッサージガンは「筋肉をほぐす・身体をリラックスさせる」目的で使うものと理解しておくのが現実的です。
マッサージガンを使う目的と使い方
マッサージガンは主に2通りの使い方があると考えています。
- 身体を起こすため:高振動数、ストローク長は短め
- 疲労回復、リカバリー:低振動数、ストローク長は長め
先述した通り、振動数によってある程度使い分けができます。高振動数であれば身体を起こすような効果を得る事ができ、低振動数であれば筋肉の深いところまで振動を届かせて、張りを解消したりすることができます。
ひとつ注意したいのが、リカバリー目的で使う場合のタイミングです。ランニング直後にすぐ使うと、筋肉痛がかえって悪化する可能性があるという報告 ※4 があります。リカバリー目的であれば、運動後すぐよりも数時間後や翌日以降に使うほうが適切と考えられます。
また、ストローク長が可変であれば、使用目的によってストローク長を変えることで、より得たい効果を強調することが可能です。
マッサージガンのおすすめメーカーとモデル
私がおすすめするマッサージガンは、uFit(ユーフィット)とMYTREX(マイトレックス)です。
uFit(ユーフィット)

uFitは主にスポーツに取り組む方をターゲットにしたマッサージガンを発売しています。最もスタンダードなモデルは「RELEASER(管理医療機器認証取得)」であり、さらにストローク長が長い「RELEASER Pro」、軽量で持ち運びやすい「RELESER Mini」があります。
| 製品名 | RELEASER | RELEASER Mini | RELEASER Pro |
|---|---|---|---|
| 振動数 | 1600 ~ 3000 回/分 | 1800 ~ 3000 回/分 | 1600 ~ 3000 回/分 |
| ストローク長 | 10 mm | 8 mm | 14 mm |
| 重さ | 820 g | 500 g | 960 g |
| アタッチメント | 6種類 | 4種類 | 6種類 |
| 価格 | 22,800円 | 16,800円 | 39,800円 |
| 認証 | 管理医療機器 |
MYTREX(マイトレックス)

MYTREX(マイトレックス)からは、最新モデル「REBIVE2(管理医療機器認証取得)」や「REBIVE MINI XS2」が発売されています。
特徴は「ストローク長が可変であること」です。REBIVE2は2 ~ 8 mmまでストローク長を変えることができます。筋肉が薄いところなどでは、ストローク長を短くすることで、痛みなく使える点が優位点です。
ランナーにとっては、ストローク長が8mmでも十分な効果が得られます。
| 製品名 | REBIVE2 | REBIVE ZEN | EX PRO | REBIVE MINI XS2 |
|---|---|---|---|---|
| 振動数 | 1800 ~ 3000 回/分 | 1500 ~ 3200 回/分 | 1200 ~ 3200 回/分 | 900 ~ 3000 回/分 |
| ストローク長 | 2 ~ 8 mm | 10 mm | 10 mm | 2 ~ 7 mm |
| 重さ | 729 g | 600 g | 690 g | 285 g |
| アタッチメント | 5種類 | 5種類 | 6種類 | 5種類 |
| 耐圧力 | 20 kg | 20 kg | 19 kg | 16 kg |
| 価格 | 25,960円 | 25,960円 | 19,800円 | 14,960円 |
| 認証 | 管理医療機器 |
参考文献
※1 Nevin N et al. (2025) “The Comparison of Mechanical Percussion Therapy and Manual Stretching on Hamstring Length” International Journal of Sports Physical Therapy
※2 Roberts TD et al. (2024) “Effects of Percussive Massage Treatments on Symptoms Associated with Eccentric Exercise-Induced Muscle Damage” Journal of Sports Science & Medicine
※3 Ormeno L, Driller M (2025) “Does Massage Gun or Foam Roller Use During a Warm-Up Improve Performance in Trained Athletes?” Sports (Basel)
※4 Leabeater AJ et al. (2024) “Under the Gun: Percussive Massage Therapy and Physical and Perceptual Recovery in Active Adults” Journal of Athletic Training









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