カツサプの実力を科学的に解明|ランナーが成分・論文・乳酸実測データで正直検証

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カツサプ 成分・メカニズム・乳酸実測データを徹底解明
こんな疑問を解消
  • カツサプの成分は何が入っているの?
  • カツサプはいつ飲む?飲み方は?
  • カツサプはマラソン・トレランに使えるか
  • 回遊魚のペプチドで何が期待できる?
  • 回遊魚のペプチドは疲労に関係あるのか

 カツサプの成分・飲み方・メーカー試験データをわかりやすく解説します。あわせて、回遊魚のペプチドの科学的背景と、自身の乳酸測定実験データも公開します。

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著者:らんしゅー
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 1500m 4:25(2022/08)
 5000m 16:01(2022/09)
 10000m 33:44(2021/12)
 ハーフ 1:12:29(2022/03)
 フル 2:40:15(2026/03)

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目次

カツサプとは?製品の概要

項目内容
販売元スタミナ・スポーツ株式会社
価格¥1,398(税込)/袋
内容量8粒(1.6g)/袋(栄養成分表示は4粒あたりが基準)
主成分回遊魚のペプチド
製造GMP認定の日本国内工場
カスタマーレビュー4.8/5(58件、2026年8月時点)
表 カツサプの製品スペック

 カツサプの主成分は、カツオなど回遊魚に含まれるペプチドです。メーカーの資料によれば、原料の安定調達のため、カツオ以外に一部サケも使用されているとのことです。

 メーカーは「カツオ1.5kg分」という表現を使っています。これは、この製品を作るのに使われているカツオの量を表したもので、「カツオを1.5kg分使って作られている」という原料ベースの表現です。

 摂取量は種目・距離によって変わります。公式サイトの摂取アドバイスによると、目安は以下の通りです。

種目摂取量
ハーフマラソン4粒(スタート30分前)
フルマラソン8粒(スタート30分前)
ウルトラマラソン8粒(スタート30分前)+20km毎に4粒
トレイル(15km未満)4粒(スタート30分前)
トレイル(15〜30km)8粒(スタート30分前)
トレイル(30km以上)8粒(スタート30分前)+15km毎・累計標高1000m毎に4粒
表 種目別の摂取目安

 フルマラソンを狙う市民ランナーであれば、スタート30分前に8粒が基準の目安になります。

カツサプを手に取ったところ
1回分の粒数を手に取ったところ

 製造は、GMP(適正製造基準)認定を受けた日本国内の工場で行われています。GMPは、医薬品や健康食品の製造工程における品質・安全性を確保するための基準です。

 カツサプは、2024年のトランスジャパンアルプスレース優勝者や、2025年のオリンピック出場選手など、複数のトップアスリートに使用されているとのことです。公式ストアのカスタマーレビューも4.8/5(58件)と高い評価が並んでいます。

メーカーが示す2つの特徴

 メーカーが公開している情報によると、カツサプの効果は主に2つの働きによるとされています。

POINT①:乳酸のエネルギー変換促進

 1つ目は、体内で処理しきれない乳酸を、素早くエネルギーに変換する働きです。

 解糖系(酸素を使わずに素早くエネルギーを作る仕組み)だけで作られるエネルギーは、1molあたり約2ATP(ATPは細胞がエネルギーを使う際の基本単位)です。一方、乳酸を酸素を使ってエネルギーに変える経路では約30ATPが作られるとされ、その差は約15倍です。

 この数値は生化学的に正確で、この経路自体が存在することは他の研究でも確認されています。

 この「乳酸をエネルギーに変える力」は、LT値(乳酸性作業閾値)を考えるうえでも重要な要素です。

POINT②:CK値(筋損傷マーカー)の上昇抑制

 2つ目は、筋肉の損傷を示す指標である血中CK(クレアチンキナーゼ)の上昇を抑え、筋肉のダメージ軽減・回復をサポートするという主張です。

 メーカーは自社で試験を実施しており、プラセボ群を含む18名を対象にした試験で、カツサプを摂取したグループの方が運動後のCK値の上昇が抑えられる傾向が見られた、としています。

 なお、公式サイトでは、筋疲労による足のつりのサポートについても言及されています。

資料にあったもう一つの説明(脂肪利用の延長)

 このほか、協業にあたってメーカーから共有された資料には、体脂肪をエネルギー源として使う時間を延ばすことで、乳酸性作業閾値(LT)を高強度側にシフトさせる、という説明もありました。

 糖質は1molあたり約38ATPのエネルギーを生み出す一方、脂肪酸は1molあたり約129ATPと、糖質の3.4倍のエネルギーを生み出せるとされています。この数値自体は生化学的に正確です。

 気になる方は、下記から公式サイトの価格をチェックしてみてください。

飲み方・タイミング・安全性

 摂取量は種目・距離によって異なり、詳細は上記のスペック表のとおりです。継続的な摂取は前提とされておらず、レースや練習のタイミングに合わせて摂取する製品として案内されています。

 製造はGMP認定を受けた国内工場で行われており、品質管理の面でも一定の裏付けがあります。原材料も魚由来の食品であるため、安全性の面では比較的試しやすいと言えます。

出版情報
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私が回遊魚のペプチドの科学的背景を調べた

回遊魚のペプチドとは何か

 カツサプの主成分である回遊魚のペプチドは、カツオなどの回遊魚に多く含まれる、小さなタンパク質の断片(ペプチド)の一種です。魚の筋肉に豊富に含まれており、食品としても古くから摂取されてきた成分です。

 乳酸そのものの代謝メカニズムについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

なぜ「乳酸に働きかける」と言われるのか

 この成分がなぜ乳酸に関係するとされるのか、文献を調べてみました。2023年に発表された研究グループの論文では、この成分が細胞の抗酸化システム(Nrf2という経路)を活性化することが、分子レベルの実験で確認されています※1。

 抗酸化システムが活性化すると、運動によって生じる活性酸素(体にダメージを与える不安定な分子)の除去が進み、その結果として乳酸を処理する酵素の働きにも影響を与える可能性がある、という経路が、複数の研究をつなぎ合わせることで見えてきます。

回遊魚のペプチドから乳酸クリアランスに至るまでの仮説的な経路
図 複数の研究をつなぎ合わせた仮説的な経路

 ただし、これらはそれぞれ別々の研究から得られた知見をつなぎ合わせたものであり、回遊魚のペプチド単体を人間が摂取して乳酸値が下がることを直接示した研究は、まだありません。

スプリント・高強度運動での研究データ

 高強度の運動における効果を調べた研究もあります。反復スプリント運動やパワー発揮に関する研究では、この成分を摂取したグループでパフォーマンスの向上が確認されたという報告があります※2※3。

 ただし、これらの研究では、回遊魚のペプチドを、同じグループに属する別の成分と組み合わせて摂取する条件で行われています。カツサプがこの研究と同じ条件を再現しているかどうかは、はっきりしていません。

1回の摂取でも効果は期待できるのか

 メーカーは「運動当日」の摂取で効果があるとしていますが、いくつか慎重に見ておきたい点があります。

 まず、乳酸をエネルギーに変換する経路自体は、他の研究でも存在が確認されています。ただし、カツサプの摂取がこの経路をヒトの体で直接強めるという証拠は、まだ示されていません。

 CK値の上昇を抑えたとするメーカー自身の試験も、プラセボ群を設けて用量を変えて比較するという構造自体は悪くありませんが、科学雑誌の審査(査読)を受けたものではなく、1グループあたりの人数も6名と少ないため、参考情報として捉えるのが妥当です。

 また、体脂肪の利用を延ばすとされるもう一つの主張は、遺伝子の働き方が変わることで起こる体の適応が前提になっています。こうした変化は一般的に数日から数週間かけて起こるとされており、1回の摂取だけでこの経路が働くかどうかは、まだ明らかになっていません。

 研究の条件(用量や組み合わせる成分)とカツサプが完全に一致するわけではない、という点も踏まえておく必要があります。

自分でトレッドミル乳酸測定実験をした

 論文を調べるだけでなく、自分の体でも確かめたいと思い、トレッドミルを使った乳酸測定実験を行いました。漸増負荷テスト(ペースを段階的に上げていくテスト)で、カツサプを摂取した場合と摂取しない場合の乳酸値を比較しています。

 高強度域で乳酸値に違いが見られた回もありました。条件別の平均値を比較すると、以下のようになります。

条件別平均・乳酸値のグラフ
図 Control平均とカツサプ有り平均の比較

 これはあくまで私ひとりの記録であり、条件のすべてを完全に統制できているわけではありません。詳しいデータや、その結果をどう読むべきかについては、別記事「マラソンで乳酸を自分で測定してみた」で全データを公開しています。

こんなランナーにおすすめ

 カツサプが向いていると感じるのは、インターバル走やレペティションなど高強度のトレーニングを普段から取り入れていて、自己ベストの更新を目指してハードな練習を積んでいるランナーです。

 回遊魚のペプチドが働きかけるとされる乳酸代謝の経路は、そもそも乳酸がある程度作られている状態が前提になります。高強度トレーニングを重ねている人ほど、その働きかけの対象となる乳酸が日常的に多く発生しているため、恩恵を感じやすいのではないかと考えています。

 一方で、正直に書いておきたいこともあります。低強度のジョグを中心に、非常にゆっくりとした距離走ばかり行っている人は、そもそも乳酸の生成量自体が少ないため、カツサプの働きかけを実感しにくい可能性があります。

 同様に、普段から糖質の摂取量が少ない人も、乳酸の生成が抑えられる傾向があるため、同じことが言えそうです。

 もちろん、これは私自身の見立てであり、科学的に確立された基準ではありません。ただ、機序を踏まえると、こうした傾向は十分に考えられると思っています。

まとめ

 正直に言うと、私はカツサプを先入観で避けていました。サプリメントを数粒摂るだけでスピード持久力に関わる体の反応が変わるとは、正直信じていませんでした。

 しかし、自分自身でテストを行い、実際の数値を確認したことで、その考えを一度見直す必要があると感じています。もちろん、これは私ひとりのデータであり、断定できることではありません。

 ただ、少なくとも「試す価値がないと決めつけていた」という自分の姿勢は、正直だったとは言えないと思っています。

 カツサプは継続摂取を前提とせず、レース当日など、必要なタイミングで単発で摂取する形の製品です。日々のトレーニングを何年もかけて積み上げていくのとは違い、試すこと自体のハードルは低いと言えます。

 気になった方は、数回試してみて、自分自身のデータで判断してみるのも一つの方法だと思います。

購入方法

 カツサプは公式サイトのほか、Amazonでも購入できます。「ランニングを科学する」読者様向けに公式サイトの専用購入リンクを発行していただいており、公式サイトで購入すると10%OFFになります(Amazon経由は割引対象外です)。

参考文献

※1 Chen M, et al. The Preventive Mechanism of Anserine on Tert-Butyl Hydroperoxide-Induced Liver Injury in L-02 Cells via Regulating the Keap1-Nrf2 and JNK-Caspase-3 Signaling Pathways. Marine Drugs. 2023.

※2 Blancquaert L, et al. Acute preexercise supplementation of combined carnosine and anserine enhances initial maximal power of Wingate tests in humans. J Appl Physiol. 2021;130(5):1334-1344.

※3 de Jager S, et al. The ergogenic effect of acute carnosine and anserine supplementation: dosing, timing, and underlying mechanism. J Int Soc Sports Nutr. 2022;19(1):70-91.

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。

出版情報
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