- インボディを家で使いたい
- 精度が高い体組成計を探している
- 家庭用インボディの使い勝手、測定精度が知りたい
医療施設やフィットネスジムで普及しているInbody(インボディ)を家でも使い、体脂肪率や骨格筋率を把握していきたいという方も多いのではないでしょうか。
私は社会人からランニングを本格的に始めた市民ランナーです。月500km程度を走り、競技志向でランニングに取り組んでいます。
私自身、体重や体脂肪率が競技の記録に直結するため、できるだけ正確に管理したいと考え、インボディダイアルを使用しています。
ここでは、業務用InBodyとの比較や、測定精度の面から家庭用インボディを徹底レビューしていきたいと思います。
私自身の結論として、家庭用InBodyは体脂肪率の測定精度が高く、購入してよかったと感じています。
- Inbody Dialは業務用のものと同じ測定技術を使用しており、測定値は近い
- 測定手順、注意点を守れば、測定毎の誤差はとても少ない
- スマホアプリと連携しており、データの管理が簡単
※公式ホームページでも記載がありますが、家庭用InBodyの購入は「楽天」もしくは「Amazon」のみとなります
InBody(インボディ)とは?
InBodyとは、医療を始め幅広い分野で活用される体成分分析装置(=体組成計)です。
医療施設やフィットネスジムに広く導入されており、患者の身体状態や、トレーニングによって体重や体脂肪、骨格筋率がどのように変化したのかを把握するために使用されます。
体組成計以外にも、筋肉量・体脂肪・水分を測定する方法はあります。
しかし、どの方法についても、測定機器が大きく高価であったり、測定時間が長かったりなどのデメリットがあります。
その中でもInBody体組成計は、InBody社独自の技術を組み合わせたBIA法を用いて体組成を算出する方法を採用しているため、【簡単・迅速・正確】に体組成を測定できます。
体組成計は数多くのメーカーが開発し世に売り出していますが、その中でも測定精度が高いのがInBodyであると言われています。
インボディが置かれている施設、測定できる場所
インボディは数多くの施設に普及しています。公式ホームページに、InBody測定ができる場所が掲載されています。
ただし、InBody測定はほとんどの場合が有料です。もしくは、会員登録しているメンバーのみ使用可能、といった施設が多いです。
稀に、公共の総合体育館等でInBody測定会が行われているのを見かける程度です。
そのため、実質無料で好きな時に測定できる場所はほとんどないのが現状です。
InBody Dial(家庭用インボディ)とは
私自身、日頃トレーニングしている身として、体脂肪率を正確に把握したいと思っていました。
InBody Dialとは、「業務用体成分分析装置InBody」をマイナーチェンジし、家庭でも気軽に購入・使用できるようにしたモデルです。
業務用InBodyで定期的に測定するとなると、特定の場所に行く必要があるため、「家で測定できないかな?」と考えていました。
そこで出会ったのがInBody Dialです。レビューも少なく、家庭用体組成計としては高価なものでしたが、思い切って購入してみました。
家庭用インボディの特徴は下記となります。
- 骨格筋量・体脂肪率・内臓脂肪レベルを含む6項目を10秒で測定
- 統計的な補正を行わず、性別と年齢によって測定値が変化しない
- アプリと連動すると、スマホで体成分の変化が簡単に管理可能
通常の体組成計は年齢や性別毎の統計的な体成分の情報で測定値を補正しているようです。
それに対しインボディは、身長・体重と実測したインピーダンスのみに基づいて体成分を算出するため、正確な体組成が測定できます。
その他、部位別測定・8点接触型電極・多周波数測定の技術を組み合わせることで、測定精度及び再現性の向上が図られているようです。
InBody Dialの使用レビュー
家庭用InBodyである、インボディダイアルを実際に使ったレビューを紹介します。
購入・開封・測定方法
こちらが、家庭用インボディになります。
これまで使ってきた体重計よりもサイズが大きく、重いです。
測定は非常に簡単です。中央のボタンを押して身長をダイアルで合わせたら、あとは電極を持って、体重計に乗るだけです。
体組成算出の手法(BIA法)として身長の値を使うので、身長は正確に入力することが必要です。
スマホアプリでの管理方法
InBody Dialはスマホアプリと連携させることで、測定結果の管理が可能です。体重計本体の測定結果とアプリをを連携させるためには、下記の手順が必要です。
注意しなければならないことは、上記手順の通り、毎回体重を測定する前にスマホと体重計を事前に接続しておかないと、結果をアプリに記録できないという点です。
測定した後ではスマホにデータ転送できませんのでご注意ください。
家庭用と業務用の測定結果比較
ではまず、家庭用と業務用のInBody測定結果を比較していきます。
2021年3月11日に業務用InBodyで測定、2021年4月8日に家庭用InBody Dialで測定した結果が下記となります(業務用InBodyの型式は確認できませんでした)。
測定日 | 測定タイミング | 骨格筋率[%] | 体脂肪率[%] | |
業務用 | 2021年3月11日 | 10時 | 33.6 | 7.2 |
家庭用 | 2021年4月9日 | 起床後 | 32.8 | 8.6 |
業務用InBodyは型式によっては数百万円する高価なものです。
そのような機器に対し、2~3万円程度で購入できる家庭用InBodyがここまで近い測定値を出せたことに対して、私自身、かなり正確に測定できたなと感じました。
InBody Dialで複数回測定した時の精度
では続いて、家庭用インボディで10回連続測定を行い、測定の再現性を確認した結果です。
回数 | 身長入力値 | 体重 | 体脂肪率 | 骨格筋率 | 内臓脂肪 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 178.5 | 64.1 | 8.8 | 32.7 | 1 |
2 | 178.5 | 64.2 | 8.9 | 32.7 | 2 |
3 | 178.5 | 64.1 | 8.3 | 32.9 | 1 |
4 | 178.5 | 64.2 | 8.7 | 32.8 | 1 |
5 | 178.5 | 64.1 | 8.5 | 32.8 | 1 |
6 | 178.5 | 64.1 | 8.9 | 32.7 | 2 |
7 | 171 | 64.1 | 15.3 | 30.2 | 3 |
8 | 171 | 64.1 | 15.6 | 30.1 | 3 |
9 | 184 | 64.1 | 4.7 | 34.3 | 1 |
10 | 184 | 64.1 | 4.4 | 34.4 | 1 |
精度 | ±0.1kg | ±0.3% | ±0.1% | ±1 |
測定値の再現性についても高いことが分かりました。
体重計への乗り方や電極バーの持ち方などは毎回大体同じになるように意識しましたが、そこまで神経質になるほどではありません。
体組成の算出方法として身長値を採用しているため、入力した身長によって体組成が大きく変わる結果となりました。
身長が変わっても、測定の再現性はあることも確認できました。
体脂肪率の測定再現性は±0.3%という結果となりました。
この数値がどの程度の実力なのかはわかりませんが、これまで使っていた体組成計では、測定毎に平気で数パーセントずれていたので、相当再現性が高いのではないかと感じています。
今後、毎日同じ時間・タイミングに測定を行い、どのような推移になっていくかを確認していく予定です(都度記事を更新します)。
電解ティッシュによる効果
一般的に手のひら及び足の裏を電解ティッシュ(アルカリ電解水をしみ込ませた紙・布類)で拭くことで、より正確に測定が可能と言われています。
今回も、身長178.5cm後半3回の測定については、アルカリ電解水を用いて拭き上げたのち、測定を行いました。ただ、今回の場合は測定に影響を与えませんでした。
測定タイミングが起床直後ということもあり、手足が綺麗だった(お風呂に入って寝た後だったので)ことが理由だと推測しています。
このような要因も考えられるため、体組成の測定は起床直後が適しているかもしれません。
使い始めて3か月間の測定結果推移
Inbody Dialを使い始めてから3か月が経過しました。
この三か月間は、特に減量や食事制限を行ったわけではなく、ランニングトレーニングを継続しながら、必要な食事をとりました。
体脂肪の測定は、例外なく起床10分後に毎日行いました。測定前に手のひらや足の裏を電解ティッシュで綺麗にする作業はしていません。
図5に体重や体脂肪率の推移を示します。
体重の変化が少なく、骨格筋量や体脂肪量が精度高く測定できているかどうかは断言できませんが、測定毎の誤差は非常に少ないことが分かります。
測定技術として、水分の多い/少ないによる電気の流れやすさを利用して体脂肪率を測定しているため、日々の体重変動には骨格筋率が相関していることが分かります。
骨格筋率と比較して、体脂肪量は体重とは異なった動きをしており、統計的な補正をかけずに算出されていることが分かります。
当然、その人個人の体質や体の表面状態によって、体脂肪量の絶対値が正しいかどうかは変わってきてしまうと考えられます。
しかし、体脂肪量の相対評価(過去の自分と比較して、今の自分がどうなのか)は精度高く行えそうだ、ということが分かりました。
他メーカーの体組成計を評価はできていませんが、医療機関やフィットネスジム等に広く採用されているInbodyと同じ土俵で測定ができることを考えると、家庭用Inbodyは優秀であると言えそうです。
使い始めて6か月間の測定結果推移(2021年10月追記)
Inbody Dialを使い始めて半年が経過しました。半年間の測定結果を図6に示します。
Inbodyを使用し始めて3か月過ぎたあたりから、体重が減少し始めました。
これは、引っ越しに伴うライフスタイルの変化があり、一日のエネルギー消費量が増えた一方で食事量は変えなかったことが要因であると分かっています。
体重減少局面での骨格筋率と体脂肪率の推移を見てみると、骨格筋率はほぼ横ばい、もしくは若干微増しているのに対し、体脂肪率は有意に減少していることが分かります。
従って、今回の体重減少は主に体脂肪の減少で達成されたということが分かりました。
Inbodyの測定方法として、まず体脂肪を測定し、残りを骨格筋率に充てるような内部計算がされています。
従って体脂肪率の測定上下誤差が非常に少ないのに対し、骨格筋率は比較的日々変動が大きい傾向にあります。
これは、普段ランニングトレーニングを定常的に行っていることや食事内容の変化による、体内の水分および筋グリコーゲンの変動に起因していると考えられます。
長期にわたる体重変動がなんの影響によって起こっているのかを正確に知るためには、体脂肪の測定精度が高い必要があります。Inbody Dialは家庭用ながらも十分な精度があると実感しました。
体脂肪率の季節変動(2022年7月追記)
Inbody Dialを使い始めてから1年以上が経過しました。1年間使い続けて分かったこととして、「体脂肪率測定値は気温に相関する」ということです。
どういうことかわからない方のために、横軸に体脂肪率[%]、縦軸に気温[℃]をとった図7を示します。気温が高い時に体脂肪率が高くなっていることが分かります。
※平均気温は気象庁が出している名古屋市の過去天気からデータをダウンロードして取得
なぜ気温と体脂肪率が相関するのかについてですが、ここから先は推測です。
体脂肪率の測定値は主に体内に存在する水分量に左右されます。体内の水分量が多ければ電気が通りやすく体脂肪率は低くなり、水分量が少なければ体脂肪率は高くなります。
気温が低い時(冬)は、就寝時に体外に発散される水分が少なく、起床直後の体脂肪率が低く出るのに対し、気温が高い(夏)は、発汗量が多く起床直後の体内水分率が低下するため、体脂肪率が高くでるのではないか?と推測します。
水分量が問題となる、となれば、「平均湿度」にも相関するかもしれない、と思い、体脂肪率と平均湿度の関係性も確認してみましたが、特に相関はしていませんでした。
私自身も、一年間通じて食事内容であったりトレーニング内容が変化しているので、まだ1年間だけの記録では言い切ることはできません。
引き続き体脂肪率の測定を継続して行い結果を観察していきたいと思います。
購入は「楽天」か「Amazon」
公式ホームページでも記載がありますが、家庭用InBodyの購入は「楽天」もしくは「Amazon」のみとなります。
私自身は楽天市場で購入しました。ポイント分で楽天の方が安く買えました。
家庭用InBodyの精度についてまとめ
最後に、家庭用InBodyの特徴・精度についてまとめます
- 家庭用InBodyは、業務用InBodyで培われた技術が適応されている
- 家庭用としては高価(3万円弱)
- 業務用InBodyとそん色ない測定結果が得られる
- 測定再現性は良好(体脂肪率で±0.3%)
- 電解ティッシュによる拭き上げ効果は見られなかった(起床直後だから?)
本商品自体は安くはありませんが、体脂肪を戦略的に減らしていきたいと考えている方にとっては、精度高く測定できるため、とてもいい商品だと考えています。
参考にしてみてください。
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