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【Garmin(ガーミン) 心拍計の使い方】心拍数の測定精度を上げる方法を徹底解説
- ガーミン腕時計の心拍計で測定する心拍数がおかしい
- 腕時計で測定する心拍数の精度をできるだけ高くしたい
- 測定した心拍数でトレーニング強度を管理したい(最大心拍数の設定方法)
ガーミンをはじめとした心拍計付きのランニングウォッチを使っていて、心拍数が正確に測れないことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私は、社会人から本格的にランニングを始めた市民ランナーです。月500km程を走り競技志向でランニングに取り組んでいます。
ランニングを始めた時からガーミンのランニングウォッチを愛用しており、トレーニングから睡眠時まで様々なシーンで活用してきました。
本記事では、ガーミンのランニングウォッチ光学心拍計の使い方や心拍計の測定精度を上げる方法について徹底解説します。
私自身も、腕時計で測定できる心拍数を信頼してトレーニングを行いたいという思いがありましたが、腕時計の光学心拍計では、心拍数に上手に測れないことが多くあることに困っていました。
そこで、腕時計の着用方法を工夫することで、心拍数をできるだけ正確に測定することができないか?と試行錯誤した結果を、今回紹介していきたいと思います。
本記事を読めば、光学心拍計でできるだけ正確に心拍数を測定する装着方法、ガーミンの心拍計を活用するための使い方が分かります。
- 手首よりも少し上部で内側向きに腕時計を付けることで測定値が安定する
- 心拍数が急上昇/急低下するトレーニングで正確に測定するには胸ベルトの心拍計が必須
心拍数を正確に測定する目的:トレーニング強度の管理
ランニングトレーニングを有効なものにするために、心拍数は必要不可欠です。
長距離種目の記録を向上させるうえで、普段行っているランニングトレーニングの強度をコントロールすることが非常に重要だからです。
トレーニングの強度によって向上させることができる能力が異なるため、トレーニングを狙った強度で行うことに意味があります。
トレーニングの強度を知る方法の内の一つに心拍数があげられます。心拍数は、トレーニング強度を定量的に、即時に把握することができる方法のうちの一つです。
心拍数をできるだけ正確に把握することが、トレーニング効果を最大化するための条件であると言えます。
運動中の心拍数を把握する主な方法は、①腕時計の光学心拍計、②胸にハートレートセンサー(胸ベルト)を着用する、の2通りがあります。
結論から言うと、心拍数が急上昇/急低下するインターバルトレーニングで心拍数を測定するには、胸ベルトの心拍計が必須です。
しかし、腕時計とは別に購入する必要があり、胸に付けることで違和感を感じたりすることがあるため、「できれば腕時計で正確に心拍数を把握したい」、という思いが出てきます。
公式ホームページに記載されている、心拍計の精度向上方法
ガーミンの公式ホームページに、光学心拍計の精度を上げる方法が記載されています。
可能な限り精度を高める方法として、下記が推奨されています。
- 光学式心拍計は必ず常に肌に接触している必要がある
- デバイスが手首にぴったりと装着され上下に動かない
- ウォッチがゆるすぎると、手首を滑って肌と光学式心拍計の間に隙間ができる
- 血液循環が困難になるほどきつく締めない
- 正確に着用すると、ウォッチを動かすと下の肌が軽く引っ張られるようになる
要は、きつすぎない程度にちゃんとベルトを締めて装着する、ということですね。
たいていの場合、腕時計のベルトをできる限り締めることは、どのランナーも一度は試したことがあるのではないでしょうか?それでも、正確に心拍数が測定できないから困っている、と感じます。
なぜ心拍数が正確に測定できないのか?
心拍数が正確に測定できない原因は、様々です。その一例を挙げると、
- 測定部分が肌と密着していない
- 測定部分が肌との間で滑ってしまう
- 汗・雨などの水分の影響
- 血管が遠い(=脂肪が多い等の理由)
- 血液の流れが弱い(=冬の走り始めなど)
- 腕時計の故障
体質的な問題や、機器の故障によって心拍数測定が正確でないことについてはどうしようもありませんが、装着の仕方によって改善できる理由であれば、私たち自身で改善することができます。
心拍数の測定精度を高める付け方
実際に、心拍数の測定精度を高めることができた実体験を元に、精度を高める装着方法を紹介していきます。
試したパターンは以下の4つです。
- 手首の表・手に近い側に装着する
- 手首の表・手に遠い側に装着する
- 手首の裏・手に近い側に装着する
- 手首の裏・手に遠い側に装着する
写真で示すと、図1のようになります。
もちろん、それぞれの装着方法で、ベルトはしっかり締めます。ガーミン公式ホームページで推奨されている通り、腕時計を動かそうとすると、下の肌が軽く引っ張られるようになります。
各装着方法で、1000mのインターバルトレーニングを行いました。インターバルトレーニングは心拍数が大きく上下するため、心拍数の精度を確認するのに適していると考えました。
結果は図2の通りになります。
結論としては、4:手首の裏・手に遠い側に装着するが最も正確に心拍数を測定できたと判断しました。
主観的なきつさは、どのトレーニングにおいても同じです。不自然に心拍数が上下している挙動を示した場合は、正確に測れていない、としました。
なぜ装着方法によって心拍数測定精度が変わってくるのか
私自身、何の根拠もなく、上記4種類の装着方法を試したわけではありません。
心拍数が正確に測定できない主な原因は、「肌に密着していないこと」だと推測しました。
ランニング中常に肌に密着していないと、正確に心拍数を測定することはできないのではないか?と考えました。
多くの方が、1や2のように、腕時計を腕の表(手の甲側)に付けていると思います。
腕の表に装着していると、腕の図3のように手首を捻る動作をしたときに、腕時計と肌の間にどうしても空間ができてしまいます。
一方、腕の裏(手のひら側)で、かつ、手首から遠い側に腕時計を装着すると、手首をひねっても、常に時計と肌が密着している様子が分かります。
手首から遠い側に付ける理由としては、手首に近いほど肌との密着性が維持できないからです。
従って、少し手首から離して腕時計を装着することで、心拍数の測定精度を上げることが可能だと考えています。
最大心拍数の設定方法 運動強度を管理する
測定した心拍数をトレーニングの強度を腕時計で管理するためには、最大心拍数を設定しておく必要があります。
ガーミンのランニングウォッチでは、自分自身の最大心拍数をあらかじめ設定しておくことで、トレーニング強度を客観的に把握できる、心拍数率や最大酸素摂取量の推定が可能です。
最大心拍数の設定は、スマホアプリ「ガーミンコネクト」で行います。
ガーミンコネクトアプリにて、
①詳細 > ②Garminデバイス と選択し、自分のデバイスを選びます。
④ユーザープロフィール > ⑤心拍とパワーゾーン と選択します。
心拍 > 最大心拍数 と選択することで、ガーミンにおける自分自身の最大心拍数を設定することが可能です。
また、ガーミンでは、ランニング時に測定した心拍数等から、自動的に最大心拍数を設定する機能もあります。
自動検出 > 最大心拍数オン に設定すると、最大心拍数を自動検出するようになります。
腕時計で心拍数を正確に測定する方法まとめ
腕時計で心拍数を正確に測定するためには、「腕時計と肌が常に密着していること」が最重要です。
ベルトをしっかり締めた上で、手首を捻ったりしても、時計と肌の間に空間ができないように装着することがポイントです。
手の平側でかつ、手首から少し遠いところに腕時計を着用することで、私の場合は、心拍数をほとんど正確に測定することができるようになりました。
心拍数を正確に、腕時計で測定したいと思っている方は、是非、本記事で紹介させていただいた方法を試してみてください。
インターバルトレーニング等、心拍数の急上昇/急低下が発生するトレーニングでは、腕時計の光学心拍計では正確に測定できません。
そのような場面で心拍数を正確に測定したい場合には、胸ベルトの心拍計を使いましょう。
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