- COROSアプリ、Training Hubで見れる「トレーニング負荷」の算出方法が知りたい
- トレーニング負荷を管理する意味は?
- トレーニング負荷を活用する方法が知りたい
COROSのランニングウォッチを使用しているユーザーであれば、「トレーニング負荷」はぜひ活用したい重要な指標です。
COROSのランニングウォッチを着用してトレーニングを行うと、トレーニング毎に「トレーニング負荷」が算出されます。
トレーニング負荷を活用することで、オーバートレーニングや怪我を防ぎつつ、適切なトレーニング計画を実行することが可能になります。
ここでは、トレーニング負荷がどのように算出されるのかについての紹介、トレーニング負荷の活用方法を紹介します。
本記事を読めば、トレーニング負荷を活用したトレーニングを構築することができ、着実にランニングパフォーマンスを向上させることができるようになります。
トレーニング負荷とは
COROSのランニングウォッチを付けてトレーニングを行うと、トレーニング負荷が算出されます。
COROSの公式ホームページでは、トレーニング負荷について以下のように記述されています。
各アクティビティに表示されるトレーニング負荷(TL)の数値は、生理学的にどの程度のトレーニング刺激を身体にかかっているかを示します。トレーニング負荷の数値がが高いと、そのアクティビティがハードであったことを示します。
トレーニング負荷は、運動量(運動時間、運動距離など)と運動強度(心拍数、走行ペースなど)の実測値に基づき算出されます。運動量や運動強度を高くすることで、トレーニング負荷を高い数値にすることができます。
ただし、心拍数や走行ペースを元にトレーニング負荷が算出されることが理由で、短い距離のダッシュやウェイトトレーニング負荷の数値は正確ではありません。主に有酸素トレーニングでのトレーニング負荷を算出する方法です。
トレーニング負荷を正しく算出するために
上で記述した通り、トレーニング負荷はトレーニング中の心拍数や走行ペース、走行距離などから算出されます。
トレーニング負荷の数値をできるだけ精度高く算出したい場合は、精度で劣るランニングウォッチの光学心拍計ではなく、アームバンド型の心拍計か胸ベルト式の心拍計が必要です。
また、疾走ペースを精度高く補正することができるCOROS POD 2があれば、ダッシュ系のトレーニング負荷の算出精度も向上します。
トレーニング負荷の「絶対的数値」はあてにしない
EvoLabで計算されるトレーニング負荷の数値は、他人と比較できるものではありません。あくまでも「過去の自分と比べた相対値」として活用してください。
トレーニング負荷は、トレーニング中に得られた心拍数や走行ペースのデータを使いますが、それに加えて、最大心拍数や閾値ペース、ランニングレベルといった、自分固有のデータも計算に含まれます。
したがって、これらの数値が真に正しい数値になっていない限り、トレーニング負荷を他人と比べることはできないと言えます。
COROSアプリやTraining Hubで推奨される週間トレーニング負荷も、これら個人固有の数値が正しいことを前提に提案される数値になっています。
トレーニング負荷から算出される負荷インパクトとベースフィットネスの値も同様です。あくまでも、自分の中での相対値として管理することが推奨されます。
トレーニング負荷を管理する意味
トレーニング負荷を管理する意味は以下の通りです。
- 短期的負荷、ベースフィットネスの管理と把握
- 怪我、オーバートレーニングの予防
- 期分けにおけるzone別トレーニング負荷の管理
それぞれの意味について以下で詳しく説明します。
COROSのランニングウォッチを付けて得られるランニングデータを自動的に分析してくれるシステムのことをCOROS「EvoLab」と呼びます。
短期的負荷、ベースフィットネスの管理と把握
COROSのEvoLabでは、トレーニング負荷から以下の2つの指標が自動計算されます。
- 負荷インパクト:トレーニング負荷の7日間平均
- ベースフィットネス:トレーニング負荷の42日間平均
負荷インパクトは短期的な疲労度・フィットネスを把握するのに有効な指標であり、ベースフィットネスは中期的なフィットネスを把握するのに有効な指標です。
怪我、オーバートレーニングの予防
トレーニング負荷を管理する最も大きなメリットは、怪我とオーバートレーニングの予防だと考えています。自分が行っているトレーニングが、自分にとって負荷が高いものだったかどうかを数値で示してくれます。
自分が思ったよりもトレーニングの負荷が高くなっていたということも多く、気が付かないうちに過負荷になってしまっている可能性もあります。
どんな種類のトレーニングがどの程度の負荷なのかを把握することで、自分がリカバリー可能なトレーニングにおける負荷のかけ方を理解することができます。
期分けにおけるzone別トレーニング負荷の管理
「期分け」とは、目標レースに向けて時期を分割して、それぞれの時期に適したトレーニングを実行することを意味します。
ヤコブ・インゲブリクトセン選手は、基礎構築を終えてレースに向けて調整している期間においては高強度zoneの負荷比率が非常に高くなっています。
上で示した図におけるトレーニング負荷比率においてzone6の比率が54.1%になっています。これは、実行したトレーニングのうち、54.1%をzone6の強度でこなしたわけではありません。
zone6の強度で行ったトレーニングで積みあがった負荷の総計を示しています。短い距離・時間でも走行ペースを上げれば負荷は高くなります。
週間トレーニング負荷を徐々に高めていく
有酸素能力が重要になる長距離種目においては、トレーニング負荷を徐々に高めていくことが競技能力向上につながります。トレーニング負荷の中期的平均値は「ベースフィットネス」で表されます。
トレーニング負荷をどのようなペースで高めていけばいいかについては、ベースフィットネスの記事で詳細に解説しています。目安としては、ベースフィットネスが1週間で2~6程度高まるようなトレーニング負荷の増やし方が理想です。
COROSアプリ・Training Hubでは、週間のトレーニング負荷をモニタリングし、推奨されるトレーニング負荷量を提案してくれます。
COROSでは週間のトレーニング負荷サイクルとして、3週間のハードウィークと1週間のリカバリーウィークを推奨しています。
3週間かけて体に高い負荷を与え1週間で回復させるサイクルが、数多くのエリートランナーから得られた最良のサイクルであることを示しています。
COROSユーザーであれば、非常に有用なトレーニング負荷を活用してみてください。
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