【第44回 読売犬山ハーフマラソン】レースレポート

第44回読売犬山ハーフマラソン

 こんにちは。らんしゅーです。

 2025年2月23日に開催された第44回読売犬山ハーフマラソンに出場してきました。本記事はそのレースレポートになります。

著者:らんしゅー
日比野就一

社会人からランニングを始めました。
理論に基づいたトレーニングで、
どこまで記録を伸ばすことができるか挑戦。
競技志向で取り組んでいます。
自己紹介・記録変遷はこちら

血中乳酸濃度や血糖値も測定。
マラソンへ科学的にアプローチします。

★自己ベスト
 1500m 4:25(2022/08)
 5000m 16:01(2022/09)
 10000m 33:44(2021/12)
 ハーフ 1:12:29(2022/03)
 フル 2:43:55(2024/11)

著者:らんしゅー
日比野就一

  社会人からランニングを始めました。
  理論に基づいたトレーニングで、
  どこまで記録を伸ばすことができるか挑戦。
  競技志向で取り組んでいます。
   自己紹介・記録変遷はこちら

  血中乳酸濃度や血糖値も測定。
  マラソンへ科学的にアプローチします。

  ★自己ベスト
   1500m 4:25(2022/08)
   5000m 16:01(2022/09)
   10000m 33:44(2021/12)
   ハーフ 1:12:29(2022/03)
   フル 2:43:55(2024/11)

carb-upper
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目次

本レースの位置づけと調整内容

 今回の犬山ハーフマラソンは、2024年度のハーフマラソンで最も記録を残したいと考えているレースです。2024年度は12月に出場したレースと合わせて2本に出場することになります。

 12月のハーフマラソンレース出場時はその2週間前に出場したフルマラソンでハムストリングスを怪我してしまい、満足に走ることができませんでした。

 12月のハーフマラソンレース終了後、ハムストリングスの怪我からは順調に回復しました。次の最大目標は3月のフルマラソンであり、そのレースに向けた基礎構築期間に入りました。

 現在のフェーズとしては、約2か月間の基礎構築を経て特異期へ移行していくタイミングです。体は順調に仕上がってきており、いよいよフルマラソンの特異的なトレーニングも大詰め、といったところです。

 そのような中で犬山ハーフマラソンはフルマラソンに合わせてトレーニングを積んでいる期間で出場することになります。そのため今回のレースに向けては100%のピーキングとテーパリングをしないことを選択しました。

 トレーニング内容をハーフマラソンに寄せるピーキングと、トレーニング量を落とすテーパリングをやり切ってしまった場合、3月のフルマラソンに対して100%調整することはできなくなってしまいます。

 フルマラソンに出場することは、ハーフマラソン以下のレースと比較して、事前に準備しておかなければならないことが多くあります。今年度はフルマラソンで満足が出来る記録を残しておきたいと考えて、フルマラソンに対して100%調整をしていくことに決めました。

 今回のハーフマラソンに向けては、特異的なトレーニングはほとんどしておらず、疲労抜きも最低限としました。疲労抜きとしては直前1週間の週間走行距離を85%くらいまで落としました。100%のテーパリングを行っている時は、70%台まで落とします。

レース目標

 昨年12月にスタートした基礎構築から現在に至るまで、とても順調にトレーニングを積むことができています。明らかに走力は向上しており、昨年に比べたら大きく記録を伸ばせると感じています。

 昨年の犬山ハーフマラソンは1時間16分21秒でした。直近のトレーニング内容とパフォーマンスからすると、今年は昨年比で1kmあたり6~9秒程度は速く走れると考えています。

 また、気象条件も今年の方が良いです。昨年は小雨が降っていました。今年は気温こそ低いものの風は穏やかです。これらの条件から、平均3:30/kmのペースで走り、1時間14分切りを最低目標にします

 しかしチームメンバーの走力は高く、もしついていくことを選択した場合、1時間13分を切るペースで進んでいくことになります。自分としてはオーバーペースになる可能性が高い一方で、確実に集団で走れる機会なので、これを活かそうかどうかはかなり悩みます。

 前半オーバーペースで入り後半失速するようなレースは望ましくありませんが、状況によってはそれも仕方ないと考えています。

レースレポート

 では、レースレポートです。

起床からレーススタート直前

 犬山ハーフマラソンは妻の実家からアクセスがよく、前日宿泊する。今年もいつも通り家族で妻の実家に帰省した。

 前日である土曜日はトレーニング量も普段の半分に抑えてミニテーパリング。普段なら土曜日は午前中のダンス教室は自分が娘を連れていき、午後のピアノ教室は妻が連れていくことになっているが、妻の事情があり、どちらも自分が行くことになった。

 これらをこなすだけでも、結構な運動量になる。また慣れないピアノ教室に行くことで精神的な疲労もある。

 何とかこれらをこなし、娘と二人妻の実家に向かった。夕食はいつものレース前通り野菜類はほとんど食べず、炭水化物多め、たんぱく質は普段よりも少なめにした。その後、普段通り21時に就寝。

 起床は4時15分。睡眠時間は7時間で寝つきもよくぐっすり眠れた感覚があった。

 起床後に体重を測定したところ64.5kg。トレーニングを積んでいる時は63.5から64.0kg程度で推移するので、普段よりも体に蓄えられているグリコーゲン量が増えていることを実感した。

 COROSのウォッチでHRVステータスを確認すると、普段よりもだいぶ低い数値が出ていた。しかしこれは想定内。レース直前は精神状態が興奮することもあり、HRVステータスは低めに出ることが多いことが分かっている。

HRVステータス

 その後いつも通りの食事をとった。ごはん250g、卵2個。前回のハーフマラソンレースにおいて朝食のご飯量がある程度多いほうがエネルギーに満ち溢れることが分かったので、普段のトレーニング直後と同量のご飯量にすることにした。

 今日のレースは気象条件はいいものの、気温が低い。腹巻きによる対策も考えたが、適したものをすぐに調達することは難しかったので、ワセリンをお腹などの冷えやすい個所に塗って対策することにした。これが功を奏するかどうかは走ってみないとわからない。

ワセリン

 今回のランニングギア。

ランニングギア
ランニングギア一覧
  • エルドレッソ シングレット
  • SA1NT P1 エリート・コンプレッション ショーツ
  • プーマ ディヴィエイトニトロエリート3
  • タビオ レーシングランプロ五本指
  • ザムスト プレシオーネ カーフ
  • ザムスト プレシオーネ アーム
  • ナイキ エアロビル フェザーライト バンフォレーテッド
  • エアフライ AF-305 CYSP

 SA1NTのタイツは、本気レースでの初使用。2xuの創設者が立ち上げた新星メーカーのエリート向け商品。軽量性に優れ、よりエリートレベル向けに仕上がっている。

 レーススタートは9時53分。整列が9時35分であり、ウォームアップは4~5km程度を考えていた。普段ならレース会場に到着してすぐにウォーミングアップを始めるようなタイミングを狙うが、今回はチームメンバーも会場にいたので、早めに到着しておくことにした。

 レース準備を終えて、実際に会場へ到着したのが8時15分頃。

犬山ハーフマラソン

 チームと合流し、会社の同僚とも会うことができた。3:30/kmくらいで走るメンバーがいることが分かったので、レース序盤はついていけばいい。少し安心した。

 ウォーミングアップは9時10分頃から始めた。軽いジョグを4kmくらい、流しを数本行うオーソドックスなアップ。心拍数は80%くらいまで、割としっかりあげた。

 脚の状態は、さすがに軽さはなかった。レースに向けたテーパリングとしては10%程度しか負荷を減らしていなかった。ただこれも想定内。気持ちよく走れるくらいには疲労感は抜けていた。

 流しをしても、しっかり脚は回転していた。寒さはあったが、十分にスピードも出そうだ。

 ウォーミングアップを終え、着替えを済ませいよいよスタートのために整列した。

レーススタートからゴール

 第44回犬山ハーフマラソンがスタートした。

 スタート直後から、3:30/kmで巡行する予定のチームメンバーの方を探して、後ろに付いた。最初の5kmは下り基調で追い風となるため、ペースが上がることは想定していた。

 入りの1kmは3:23/km。距離誤差の影響を除くためラップアラートは切っていたが、1km地点では念のためペースを確認しておいた。体感としては十分に余裕があるペースであり、調子は悪くないと感じた。

 心拍も落ち着いている。体が無理してペースを上げているような兆候はどの数値を見ても確認できなかった。体感の努力感とセンサーで測定できる数値はすべて整合していた。

 そこから、普段のトレーニングのように自分の主観的に感じる強度を頼りに巡行する。たまにウォッチを見ると、平均ペースは3:27/km前後で落ち着いていた。最初の5kmラップが17分21秒。思ったよりも貯金がなかったが、良いペース。

 ただ一方で、始めの5kmのタイムを見て、「今日は3:30/kmでゴールするのは難しいかもしれない」と感じた。5km以降は登り基調であり、風も向かい風に変わる。10km以降は堤防を走らないといけない。最初の5kmのタイムを残り15km超維持するのは、難しいと感じた。

 そのままの努力感で5km以降を進んだ。5-10kmは登りと向かい風。タイムを気にしすぎて力を使いたくはなかったので、努力感は維持しつつ、ペースは成り行きに任せた。

 3:30/kmで巡行すると言っていたチームメンバーは早々に後退していた。そこからは誰かについていくことはできずほとんど自分が引っ張る形、もしくは単独走になっていた。

 しかし、普段からすべて1人で走っている自分にとっては、それもさほど気にならない。もちろん集団で後ろについて走りたい気持ちはあったが、ペースが安定しているランナーは見当たらなかった。

 10km手前で補給テストのジェルを使用。carbのデュアルソースエナジージェル。3月のフルマラソンでも使用予定で、ある程度きつい状態で摂取しても内臓に問題がないか確認することが狙い。

デュアルソースエナジージェル

 5-10kmでのラップは17分38秒。ここですでに序盤の貯金を使い切ってしまった。やはり1時間14分切りは難しいか。

 11km以降、堤防沿いコースに向けて西向きに走っていく。今回は風も比較的少なく堤防沿いもまぁまぁ走りやすかった。時折ウォッチを見てペースを確認すると、10km以降は3:33/kmのペースで落ち着いていた。3:30/kmに戻すこともできたが、終盤失速することは避けたかったので無理はしなかった。

 堤防沿いを淡々と走る。周囲のランナーとは抜きつ抜かれつで、飽きなかった。このレベルで走っていても周りにこれだけランナーがいれば、楽しく走れる。

 10-15kmのラップは17分48秒。目標タイムからはだいぶ遅れてしまっていたが、受け入れるしかなかった。ペースは徐々に落ちてきているし、まだペースアップするには早すぎる。

 15km以降が最もペースダウンした。少し向かい風になったのもあった。しかし精神面はむしろ上向きだった。周囲のランナーはどちらかというとペースダウンしているランナーが多く、抜いている側だったからだ。

 努力感は高くなり、ペースも何とか耐えている状態。しかし、気持ちは前向きという不思議な状態だった。きついけど、苦しい感じではなく、普段感じるような早く終わってほしいような気持ちはあまりなかった。

 何とかペースを戻そうと必死に脚を動かすが、15-20kmのラップは18分01秒。最も遅いラップになった。そこからラスト1.1km。ここはなんとか切り替えてペースアップしたい。

 ラストではじめて力を振り絞った。多少ペースを上げ戻すことができた。しかし、後続のランナーがペースアップしてきたのに抜かれてしまい、さらに火が付いた。

 何とか負けじとペースアップ。抜かれたランナーを抜き返そうと思ったが、そこからさらに離されてしまった。しかし、自分の中では最後出し切り、ラスト1.1kmは3分51秒(3:30/km)でカバーできた。

 記録は1時間14分38秒(ネットタイム)。ようやく、長いトンネルから抜け出せたような感覚だった。

血糖値の推移

 レース中に測定した血糖値の推移を示します。レース前から140mg/dlと、良い興奮状態でスタート。レース終盤にかけて右肩上がりで血糖値が上昇していく、素晴らしい数値を記録することができました。

 途中の補給による血糖値への影響は、やはりありませんでした。

血糖値推移

 レース前からの血糖値推移も掲載します。レースでの栄養戦略は以下の通りです。

レース前栄養戦略
  • レース5時間前:朝食 ご飯250g、卵2個
  • レース2時間前:インスタントスティックコーヒー3本分の高密度コーヒー
  • レーススタート直前:ACTIVIKE スピードジェル(カフェイン25mg配合)
  • 10km手前地点:carb デュアルソースエナジージェル
血糖値推移

 血糖値の測定には、リブレのセンサーとSympafitのアプリケーションを使用しています。

レースの振り返り

 実は、今回のハーフマラソンでの記録「1時間14分38秒」は約4年前に出したハーフマラソンの記録と同一です。4年前はコースが公園の周回コースであり、気温も暖かく、疲労も抜けていたので、条件は良かったですが、記録的には同じです。

 犬山ハーフマラソンを走り切って、ようやく長いトンネルから抜け出せたように感じました。2023年頭に怪我をして、そこから思うように記録が伸びない期間が続きました。

 2024年11月に走ったフルマラソンあたりを境に、私の中でマラソンに対する取り組み方が少し変わりました。トレーニングの面はあまり変わっていないですが、ランニングフォーム栄養の面で大きな変化がありました。

 体の疲労感は消え足の痛みは少なくなり、トレーニングに対してのリカバリー速度が向上しました。ランニングパフォーマンスもどんどん向上し、2024年12月からの2か月間で走力がみるみる戻ってきました。

 今回の変化が、自分の中ではまだ「高い再現性」を確認することができておらず、発信するにはまだ早いと感じています。しかし、3月のフルマラソン、春から夏にかけてのトラックレース、さらには2025年秋から始まるシーズンにおいて、記録をしっかり伸ばすことができれば、今回掴んだことの正しさが証明できると考えています。

 普段のトレーニングはInstagramでのみ発信しています。ただ、今回の取り組みも含め再現ができるような形になったら、一つの文章にしてまとめようと考えています。

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。

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