【2022年8月中京大学土曜競技会】1500mレース レポート

※「ランニングを科学する」では、筆者の知識・経験のアップデートと共に都度改定を行っています。改訂履歴は記事の最後に記載しています。

 こんにちは。らんしゅーです。

 別の記事で自己紹介をしていますが、大学まで長距離種目の経験が無い市民ランナーです(スポーツの経験は豊富です)。

 今回は、中京大学土曜競技会(公認大会)の1500mに出場してきました。

 本記事はそのレースレポートになります。

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目次

本レースの位置づけ

 今回はトレーニングの一環として1500mに出場します。

 前回(2022年7月24日 安城での1500m記録会)も同様にトレーニングの一環として出場しました。ポイント練習頻度、走行距離負荷量も全く落とさない中での出場です。

 「全く調整しない状態でのレースの目的は?」という意見もあるかと思いますが、私自身は普段朝起床直後しかトレーニングを行えない状況です。そんな中、自分と同じくらいのランナーがいる中、トラックで1500mを走る機会は非常に貴重です。

 前回1500mでの記録は公式記録で4:28.2でした。1年前と比較して0.6秒くらいしか速くなっていませんが、レース直前1週間の負荷量を考慮すると、記録以上に実力は向上しているのではないかと考えています。

 今回は前回出場時とほぼ変わらない身体コンディションでの出場となりますが、以下の点が少し異なります。

  • 1500m~3000mRPでのトレーニングを2回実施
  • ポイント練習頻度を週3回→2回に落として負荷が低下
  • レース一週間前からカフェインを摂取しないようにした

 あくまでもトレーニングサイクルの一環として出場するため、レースペースで行ったトレーニングに対する適応がどの程度効果があるのかはわかりません。

 また、ポイント練習頻度を落としたのは直近一週間のみであり、走行距離は変えていないため疲労は前回よりも少しよくなったかな?という程度だと考えています。

 最も今回期待している検証が「レース一週間前からのカフェイン断ち」です。カフェイン「体重×3~6mg(体重60kgであれば、180~360mg)」の量をレースの60~90分前に摂取することで、主観的強度が低下することが医学的に証明されています。

※コーヒーなどの飲料でカフェインを摂取すると、約30~120分程で血中カフェイン濃度が最大になります。ただし、個人差があるようです。

 また、日常的にカフェインを摂取していると、カフェインに対する反応が鈍くなってしまう、とも言われています。※こちらは、明確な根拠に基づくものではなく、その傾向がある、といった程度です。

 私は日常的にコーヒーを2~3杯/日程度摂っており、それはレース前に摂るべきカフェインの量に匹敵、もしくは上回る量です。これだけを日常で摂ってしまっていては、レース前のカフェイン摂取に対する反応は鈍くなっているだろう、と推測しました。

 そこで今回はレース一週間前からカフェインを摂らないことに決めました。今回初の試みとなります。

目標とレースプラン

 前回の1500mトラックレースでの記録は4分28秒(VDOT62.0相当)でした。

 今回も調整率0%(調整無)で臨みます。

 ピーキングとして最も効果が期待されるのは、レース1~2週間前からトレーニング負荷ボリュームを60%程度に落とすこと、ということが過去の研究から分かっていますが、今回はトレーニングの一環という位置づけであるため、調整はしませんでした。

 前回から大幅な記録更新は望めませんが、1500mというレースへの慣れと、直近一週間でのポイント練習頻度を下げたことの要因により、4分25秒切りを目標とします。

 レースプランは特にありません。タイムが近しいランナーと共に走ることができるので、同じようなスピードのランナーがいればついていくし、少し集団から離れてしまっても、無理に前を追うことはしない予定です。

 ではレースレポートへ。

レースレポート

 今シーズン1500m二戦目だ。今日は中京大土曜競技会。

 6月中旬で出場した中京大土曜競技会5000mで自己ベストタイとなる16分15秒を記録して以降、再び鍛錬期へと移った。トラックでのトレーニングは一旦やめ、ヒルスプリントとLTトレーニングを回していくサイクルへと変更した。

 特に、LTトレーニングは週2回の頻度としたが、LTトレーニング日はできるだけ二部練構成にし、起床直後はメインのLTインターバル、二回目のトレーニングでもある程度負荷がかかるモデレートペースまでは上げるようにした。

 一般的に考えたら、週に二回のLTトレーニング(しかも二部練)、とヒルスプリントを取り入れていることは、負荷が高すぎるように感じられるが、LTトレーニングは強度をかなり細かくコントロールしていることで、疲労が溜まりすぎないように工夫した。

 ヤコブインゲブリクトセン選手のトレーニング内容と、その背景にあるマリウスバッケンの理論から、強度を精密にコントロールしたLTトレーニングのボリュームを高めることが一定の解になる事を信じて、今のトレーニングを継続的に行っている。

 血中乳酸濃度は測定できないものの、心拍数と主観的強度を組み合わせて、できるだけ適切な強度を実現できるように努力している。

 そんな中での1500m出場となる。二週間前の安城記録会では4分28秒と、昨年と変わらないタイムであったが、今日はもう少しいいタイムが出そうな気はする。

 競技開始は18時10分。たまたま最近気温も低くなっており、18時頃は絶好のコンディションになっているのではないかと思う。

 夕方のレースであるため、今回も起床直後に軽くジョグを行おうと決めていた。起床時間はほぼいつも通りの4時30分。

 Inbody Dial(家庭用インボディ→レビュー記事)で体組成を測定すると、64.3kg・体脂肪7.8%。鍛錬期に入ってからはパフォーマンスよりもアンダーカロリーを意識して減量を開始した。目標体重は起床直後で62~64kg。水分と筋グリコーゲンの貯蔵量によって体重の増減が大きいため、ある程度範囲を広げて目標を設定した。

 ジョグの距離は6kmちょい。特にペースを上げることもなく、力を抜いて行った。

 朝食は飽きずにいつも通りのメニュー。ごはん・目玉焼き2個・納豆・牛乳1杯。今回のレースは夕方遅い時間のため、昼食は通常通り摂る。

 今日の栄養戦略としては、レース1~1.5時間前にモンスターエナジー500mlを摂る。カフェインを体重×3mg(体重が60kgだと180mg以上のカフェイン)を摂ることでパフォーマンスアップが期待できる。

 本記事冒頭で記載した通り、今回はレース一週間前からカフェインを摂取しないようにしてみた。高価を実感できれば、次回のレースから取り入れてみようと思う。カフェインを断つこと自体は、体へのデメリットはほぼゼロであり、ノーリスクで効果を得ることができるからだ。

 今日のランニングギヤ。

 エアロスイフトはとても軽く、気に入っている。エアフライもノーズパッドが無く快適だ。

 今日の予定は、午前中に娘を皮膚科に連れていき、そのままイオンへ向かい妻と合流。お昼を食べてから、妻と娘でダンス教室へ向かってもらい、私は自宅へ帰宅、ご飯作りなどの家事をしてから中京大豊田キャンパスへ向かう。

 これまでの記録会では、レース開始時間が遅くても16時であったため昼食はほとんど摂らない、もしくは軽く済ませる程度であったが、今回は普段の生活通り昼食を摂った。ただ、栄養割合としては消化の良い麺類を選び、炭水化物中心とした。

 本当は揚げ物を選びたいところだったが、消化不良になりたくなかったので、あきらめた・・・

 妻と無事合流し、家族で昼食を摂ってから、家族で近くに駅まで歩き、そこから妻はダンス教室、自分は自宅へ帰宅。家事を済ませ、中京大豊田キャンパスに向かった。

 予定通り、浄水駅からスクールバスに乗り中京大に無事到着した。貝津駅経由よりも圧倒的に楽だ。スクールバスも混んでいなかった。大半の方は車で来ているのだな、と思った。自分は車を手放しており、電車しか交通手段が無い。

 1500m競技開始が18時10分頃で自分は3組目での出場だ。招集が17時45分~17特55分であったため、17時15分頃からゆっくり歩き始め、ウォーミングアップを開始した。

 ウォーミングアップにはハイペリオンテンポを使った。このシューズは「スーパーパーオールラウンドシューズ」であり、記録会のウォーミングアップ等では最適だと思う。

 これまで気が付かなかったのだが、中京大豊田キャンパス陸上競技場の外周が不整地になっていた。ジョグをするには最高の環境だ。今度からは競技場外周をウォーミングアップに使おう。

 本当にゆっくりな25分程度のウォーミングアップを済ませ、招集を済ませた。

 女子の1500mが18時から開始され、終わったところくらいで1500mのスタート位置まで移動。男子1組目が走り始めたくらいからスパイクに履き替えウィンドスプリントを3本行った。

 自分の3組目が整列開始。カフェイン断ちをした効果があったのか、頭はすっきりし、疲労が溜まっているはずの体もそこそこ軽い。自己ベストは出そうだ。

 いよいよ、1500mがスタートした。

 一緒に走るランナーのレベルが均衡しているため、速すぎる入り、というのもない。自然に集団についていった結果、一週目は68秒/400m程度で入った。

 そこから、先頭集団と自分の間に少し間が空いてしまった。先頭が速すぎることはなかったが、変にペースアップしなくても先頭で走ればいいやと考えマイペースを貫いた。

 結果的に2周目は73秒/400m。明らかにペースを落としてしまった。今振り返ると、先頭のペースはそこまで自分と離れていなかったので、先頭まで追い付いて走った方がよかったかな、と思った。

 3周目もほぼ集団の先頭を引っ張る形で走った。体はきついがしびれる感じはない。1500mのペースに対して、体の適応が徐々に進んできていることを明確に感じた。

 3周目は72秒/400m。ペースは少し上げ戻すことができた。

 ラスト300m、多少頑張れる余裕があったのでスパートをかけた。先頭集団には着いていくことができなかった。疲労が抜けていればもう少し絞り出せたと思う。

 ラスト300mを52秒/300mで回り、結果4分25秒(68-73-72-52)。3秒程度の自己ベストとなった。

 全くトレーニング量を落とさない中で、まずまずの結果だと思った。

レース結果振り返り

 後日正式リザルトが発表され、レース結果は4分25秒54でした。正式リザルトと得られたランニングデータを下記に示します。

リザルト
ランニングデータ-1
ランニングデータ-2

 ランニングデータは、以下のデバイスを使用することで得ました。

 1500mへの出場機会が少なく、ランニングデータを過去と比較して振り返ることは難しいですが、今後の参考データとして活用します。

 さて、今回のレースに向けて行った試みを再掲します。

  • 1500m~3000mRPでのトレーニングを2回実施
  • ポイント練習頻度を週3回→2回に落として負荷が低下
  • レース一週間前からカフェインを摂取しないようにした

 1500mに向けた特異的トレーニングメニューはほとんど行わないで臨みました。一方ポイント練習負荷としては直前1週間で1回分少ない状態としました。

 1500mへの特異性という観点では、4月から継続して行ってきている解糖系のトレーニング効果が確実に出てきていると感じています。

 行ったのは、トラックにてレペティションペース(=1500mレースペース)でのトレーニング、200m程度の坂(傾斜率2.5%程度の緩い坂)を使ったレペティションペースでのヒルスプリントです。

 4月の5000mでは3分05秒程度の入りでも上半身がしびれる感覚がありましたが、今では68秒ペースで入ってもそのような感覚は全くありませんでした。確実に身体が適応してきていると感じています。

 ポイント練習を1回回避した分、レース前日や当日に感じる疲労は若干軽減されていました。しかしこの点についてはもっと伸ばし代があり、レース前に走行距離を下げること、ポイント練習の強度は維持しながらボリュームを下げることでさらに疲労を抜くことができると確信しています。

 最後にカフェイン断ちですが、あくまでも主観的な判断となりますが、「レース前一週間はカフェインを抜いたほうがいい」と感じるくらい、すっきりした状態でレースに臨めました。カフェインを抜くことで特にイライラもせず、むしろよく寝れるようになったりなどの効果を感じました。

 ただ、純粋にコーヒーが好きなため、普段はこれまで通りカフェインは摂ろうと思います。

 Twitter等で他のランナーが上げている情報を見ると、自分の1500mはとても速いとは言えないですが、自分としては現状で満足な結果でした。

今後の方針

 まずは、前回の1500mから記録を更新できたことで安心しました。1500mという、自分の中で苦手としている中長距離種目で着実に実力を伸ばすことができていることが良い点です。

 次の記録会でも、1500mに出場する予定です。日時は8月28日、これも夕方の記録会です。

 8月からは、ポイント練習頻度を週2回に減らし、強度を高めます。5000mRPから1500mRPまでの強度域で1回/週、LT強度で1回/週のサイクルで徐々に疲労を抜きながら秋シーズンに向けて体のキレを高めていきたいと考えています。

 次回はさらなる記録更新を狙っていきます。

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★自己ベスト
 1500m 4:25(2022/08 公認)
 3000m 9:24(2022/06 公認)
 5000m 16:01(2022/09 公認)
 10000m 33:44(2021/12)
 Half  1:12:29(2022/03)
 Full 2:57:29(2020/12)

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