こんにちは。syu_hibiです。
2021年も終わりを迎えようとしています。
現時点でのトレーニング理論や考えていることを一度整理することを目的に、本記事を綴っていきます。
読み物としてい読んでいただけると幸いです。
2021年シーズン結果振り返り
簡単に、2021年結果を振り返る。
- 1500m:4分28秒(非公認)
- 3000m:9分34秒(非公認)
- 5000m:16分21秒(2020年・非公認&厚底)→16分14秒(公認)
- 10000m:33分44秒(ロード・非公認)
- ハーフマラソン:1時間14分39秒(2020年・非公認)→1時間12分52秒(非公認)
- フルマラソン:出場無し
2020年12月に膝の故障を患い、本格的にトレーニングを再開できたのが2021年5月。そこから約半年ですべての種目について自己ベストを更新した(非公認ではあるが)。
※ハーフマラソンについては、非公認かつ距離が21.1kmに満たない可能性が高いが、同じコース・大会での結果なので、実力が上がっていることは明確。
現在の情勢から、2021年もロードレースは狙っている大会が軒並み中止になることを予想し、トラック種目に重きを置いてトレーニングを進めてきた。
5000mの記録は正直物足りないが、走った環境を考慮(気温30℃弱)すれば上出来の結果であり、何より公認レースで記録を残せたことが大きな収穫だ。
2021年に新しく得たもの
2021年はランニングトレーニングに大きな影響を与える変化がいくつかあった。
1つ目は、Twitterを始めたこと。主に、ブログ情報発信と他ランナーのツイートを閲覧することに使っている。
恥ずかしい話だが、Twitterを始めていなかったら、現在自分が持ち合わせているトレーニング理論はほとんど得られていなかっただろう、と言えるくらい、Twitterのお世話になった。
色々なランナーの練習報告やレース結果、トレーニング理論のツイートを見ているだけで、相当勉強になるし、また、ランニングや運動生理学について勉強するきっかけにもなった。
Twitterで得た情報がどのような根拠に基づくことなのかを、論文や運動生理学の参考書で調べながら、少しづつ知識を増やすことができているし、今後も大いに活用してInputしていきたい(Outputはブログやレース実績)。
ただ、Twitterを始めたことで一つだけ悪影響があるとすれば、Twitterを閲覧する時間(=スマホを握って画面を見る時間)が増えてしまったことだ。仕事・家事・育児と分刻みのスケジュールで活動している中では、電車での通勤時間でさえも回復に充てないと体力が持たない。
二つ目は比較的大きな怪我を乗り越えたこと。2020年末に膝を故障し、そこから約5か月程度は満足に走ることができなかった。結果的にはオーバーワークによる故障であると理解したが、この手の故障は初めてであり、治しきるまでの適切な道のりを理解していなかった。
なぜ怪我をしてしまったかの原因を明らかにし、怪我を完治させ復帰したうえで、怪我をしないようにトレーニング負荷を徐々に上げていくことができた1年だった。最終的に2021年12月では過去最高となる月間500kmを達成しようとしている。
単純に走行ボリュームを増やしただけでなく、一つ一つのトレーニング負荷はある程度維持しながら、本当に慎重に負荷を上げていった結果、過度な疲労蓄積を伴うことなくここまでトレーニングを継続することができた。
2021年は割り切って基礎的なトレーニングを重点的に行った結果、5000mやハーフマラソンで大幅自己ベストを達成することはできなかった。しかし、2022年に躍進できるような基礎作りを地道に進めることはできたので、2022年シーズンには躍進できると信じている。
三つ目はランニングブログを始めたことである。2020年末から無料のライブドアブログでトレーニング内容の記事を投稿していたが、「これだけ労力をかけるなら、有益な情報を発信し、かつ、収入を得たい」と考え、課金を伴うブログ運営を開始した。
結果的にブログは自分の考えを整理するツールとして活用し、また、他人のブログを見るきっかけとなりランニングに関する情報ソースを増やすことができた。
私自身も運動生理学やトレーニング理論を勉強しながら自己記録の向上を狙って日々トレーニングを積んでいる。自分自身の記録が向上してくれば、発信する情報の信頼性も高まり、より多くの読者に有益な情報を発信できると信じている。
トレーニング内容の振り返り
怪我明け以降、以下の項目に注意しながらトレーニングを進めた。
- 走行距離を7日間の移動平均で管理する
- 新たなトレーニング刺激を導入するのは1種類にし、少なくとも1か月は継続する
- 走行距離を伸ばすときは最大10%に抑え、伸ばした走行距離は少なくとも1か月は継続する
これらは、ダニエルズのランニングフォーミュラに記載してある内容だ。怪我からの復帰方法や怪我をしないように負荷を高めていく「正解」を知らなかったので、まずは「参考書通りに」実践した。
結果として、2020年では月間で400kmを超えたところで怪我をしたが、2021年末段階では月間500kmに到達しようとしている時点でもほとんど体の痛みが無い。
トレーニングで向上させるべき能力に関しては、リディアード理論を出発点とした。リディアード理論の紹介・解説は今後本ブログでも展開していこうと考えているが、ざっくり言うと、有酸素能力→無酸素能力→コーディネーションの順番で能力開発すべき、という理論である。
リディアードのランニングトレーニングでは、割と感覚的で定性的な解説がなされている。そこから自分自身に適したトレーニングへと昇華させるためには、やはり、実績のあるランナーがどのようなトレーニングを積んでいるのかを調べ、リディアード理論と比較しながら分析していく必要があった。
色々調べてみると、ほとんどのエリートランナーが同じ理論に基づいた方法・順序でトレーニングを行っていることが分かった。具体的トレーニング内容は差異があるものの、総てのランナーのベースには有酸素能力があり、有酸素能力発達を重要視したものになっていた。
続いて運動生理学に手を出し始めた。有酸素能力とは一体何なんだろう。どんなトレーニングをするとどのように有酸素能力が発達するのだろうか。そんな疑問が生まれた。
有酸素能力とは、体に蓄えてあった糖質・脂質、糖質から生まれた乳酸を酸化してエネルギーを得る能力である。一口に有酸素能力と言っても、エネルギーを生み出す経路は大まかに3種類ある事になる。
3種類の有酸素能力をバランス良く鍛えること。これが基礎作りであることを理解できてからは、どんな練習をどんな強度で行えばよいのか、自分自身で決めることができるようになった。
有酸素能力の発達を理解するうえで重要なキーワードが「LT=乳酸性作業閾値」だ。鍛えられる能力が分かれてくる。
有酸素能力は、「糖質酸化・乳酸酸化・脂質酸化をそれぞれどれだけ量をこなしたか」に比例して発達する。これが理解できると、「速くなるためにはインターバル走をやらないといけない」、「ペース走でのタイム設定は守らないといけない」などの、「手段有意な考え方」に陥りずらくなる。
これまで学んだ内容や考え方等を1つの図で表すとしたら、次となる(血中乳酸濃度の数値はある程度適当)
乳酸を出さない能力=脂質酸化、乳酸を処理する能力=乳酸(糖質)酸化、乳酸を出す能力=解糖系。この仕組みを理解すれば、向上させるべき能力とその能力向上に合ったトレーニング強度、手法が導き出される。
LT値付近、もしくはそれ以下でトレーニングを行ったとしても、乳酸を出さない能力なのか、乳酸を処理する能力なのか、糖質を酸化する能力なのか。どの機能向上を狙ったトレーニングなのかを理解し、組み立てていく必要がある。
例えば乳酸を処理する能力を鍛えたいのに、Easyなペースでゆっくり長い距離を走っていると、とても効率が悪い。当然Easyペースでも乳酸酸化は常に発生してはいるのだが、乳酸発生量がそもそも少ない強度であるため、膨大なトレーニング量が必要となる。
LT付近でペース走を行えば、乳酸発生と処理がおよそ釣り合うところで運動を継続することとなるため、時間当たりの乳酸処理量は最大となる。ある一定の時間に対して乳酸酸化量が最大となることから、「乳酸酸化能力向上には効率が良い」トレーニングと言える。
このように、狙った能力に対して最も効率が良いトレーニングをバランス良く組み合わせ、トレーニングを怪我無く継続することが、能力向上への近道であるということを深く理解した。
2022年方針・目標
2021年はトレーニング理論をより深く理解し、自分自身に導入していく年であった。
結果として、怪我することなくトレーニングボリュームを徐々に増やすことに成功し、来る高負荷トレーニングに耐えることができる体を作り上げることができている。
長い目で見れば、基礎構築フェーズはまだまだ続けるべきであるが、同じトレーニングをずっと続けているとトレーニング効果が落ちてくる「収穫逓減」があるため、2022年は記録を狙うための時期を明確に設け、鍛える能力に幅を出していく年としたい。
2022年の目標は下記とする。
- 1500m:4分15秒
- 5000m:15分45秒
- 10000m:32分00秒
- ハーフマラソン:1時間10分
- フルマラソン:目標無し
一応目標は設定したが、実力に合ったトレーニングを積み重ねた結果「達成できたらいいな」と思う記録であり、期日を設けて何が何でも達成しなければならない記録、というわけではない。
この中では、ハーフマラソンの記録が最も高レベルである。なぜハーフマラソンの記録を重要視しているかというと、公認ハーフマラソンの記録は、フルマラソンの資格記録にできる可能性が高く、2023年シーズンにフルマラソンへ挑戦する切符を手にすることができるからである。
特にエリートランナーだけが出場できるレースや、カテゴリーが分かれているようなレースでは、ハーフマラソン1時間10分が記録の境目となることが多い。
また、ハーフマラソンは、基礎構築のためのトレーニング内容がそのまま生かしやすい距離・ペースとなっており、特異的なトレーニングフェーズが最小限で済む。競技人生を長い目で見ると基礎構築はまだまだ足りないため、年間を通して可能な限り基礎構築期間を削りたくないという思いがある。
一方、年齢の観点からすると、パワー・スピードの能力も開発も外せない。5000m以下の種目ではオリンピック覇者が若年齢層の選手(24歳以下)になる傾向からもわかる通り、パワー・スピードに関わる能力は若いうちの方が発達しやすいのは明確だ。
「収穫逓減」を避けつつ、基礎構築とパワー・スピード開発を進め、年間を通して「得た能力を失わないよう」トレーニングを継続していきたい。
コメント